科警研のホームズ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800289995

感想・レビュー・書評

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  • 「カソウケン」やないんや!「カケイケン」なんや!それすら分かってなかった…(^◇^;)

     カソウケン 科学捜査研究所 実践
     カケイケン 科学警察研究所 研究
    って感じやな。

    もともと科警研のホームズとまで言われた土屋さんが、科警研を離れ、大学の研究科してて、二足の草鞋上腿なんで、研修生がメインで活躍してるという…
    土屋さんは、ちょっとしたアドバイスにとどまる…的確なアドバイスなんやけど。
    今回で、昔を面白さを思い出し(不謹慎やけど)、次回からは、もう少しメインで動いて下さい〜
    こういう天才肌で、出世とか名誉とか、何も考えんと自分のやりたい事をやっていく人は好きなんで、期待してますよ〜!

    「思いついたことを口にして、それを実行すれば、何かの結果は出ますよね。それをもとにまた別のアイデアを生み出していくんですよ。何も言い出さなかったら、伸びるポテンシャルを持った思考が眠ったままにらなっちゃいます。そういうことです。」(文中より)

  • 科捜研は実際の捜査の分析などを行うが、科警研は捜査の方法論的な研究を行う機関らしいが、この小説では実際の捜査に積極的に関わってしまっている。登場人物たちに自由な行動をさせたかったせいだろうな。科警研のホームズといわれるのは室長の土屋だが、実際の主人公は土屋にやるきを出させようと奮闘する部下の伊達、安岡、北上たちだ。土屋は「君たちにまかせた」といって案件を3人に丸投げしてしまうのだが、3人それぞれに思惑は違う。しかし、幾つかの案件を解決するうちに、3人は仲間としての思いを強めていくのだ。

  • 〈科警研のホームズ〉とよばれながら、大学に復帰した土屋。
    彼を再び呼び戻すべく、科警研所長の出雲は、科警研分室を立ち上げる。

    連作短編集。

    話を聞いただけで見抜いてしまう、土屋のホームズらしい解決ぶりが小気味よかった。

    土屋の興味を引かせるために送り込まれた、研修生たち。

    室長の土屋には放置され、出雲からの仕事の依頼もちぎれがち。
    不遇な中でも、自分たちの技術向上のために頑張る、研修生3人もさわやか。

    解決は完全に科学的なアプローチだけれど、3人それぞれの得意分野が活かせていて、わかりやすかった。

    シリーズ化しているようなので、続編も読んでみたい。

  • 連続短編集。軽い感じで読みやすかった。土屋さんの推理力もポイントの一つではあるが、研修生たちの成長ぶりが感じられるところに好感が持てた。

  • 著者初読み。
    ブクログのレビューを見て、読んでみたくなった作品。
    「科警研のホームズ」と呼ばれながらも、科警研を去って、大学の研究室へ移った土屋。
    何とか土屋を科警研に戻したい上層部は分室を作り、北海道、埼玉、兵庫各道県警から研修生を集める。
    それぞれ専門分野も違い、目的も違う三人だが、共通の目標は土屋を現場に戻すこと。
    「科捜研」とは違い、捜査権限を持たない「科警研」が舞台なのだが、野心に燃える研修生たちは捜査にまで乗り出してしまうのが、う~~~ん。
    とにかく野心の塊の伊達、故郷の親の為に成果を挙げたい安岡の二人に振り回される、ちょっと芯がなさそうな北上の3人の会話がメインとなる序盤は、あんまり面白くないかも・・・と思ったし、土屋も安楽椅子探偵的な役割で、そこまで「ホームズ」感もない。
    3作まで出てるけど、1作で終わりかなと思ったけど、最終章の事件で土屋と3人の連携プレーで、ちょっと続編読んでもいいかもと思えた。
    この作品はやはり土屋がメインで、彼が本格稼働すると面白くなるのかも。
    科警研で捜査は、ま、フィクションとして目を瞑るとして・・・

  • データ処理の伊達、分子生物学の紅一点安岡愛美、化学分析の北上。各地の警察署から集められた彼らは、科警研本郷分室の研修生。この分室の真の目的はかつて科警研のホームズと言われた男を呼び戻すことだった。
    なんていう走り出しで、科学ミステリーでもあり、お仕事小説でもある。
    まだメインキャストたちの個性がはっきりしないのと、慣れないために愛着が湧かないのとで
    いまいち楽しめず。続編もあるのてこの人たちにはチャレンジしようと思う。
    事件の展開は最初に犯行を描写するタイプ。
    科学的手法の方は、いまいち鮮やかさを感じられなかった。なんでだろう?
    コメディ要素でもプラスされれば連ドラ候補に上がりそう。

  • マイペースな隊長と個性的な部下の関係が少しずつできていくところがよかった。ほんとの上司だったら苦労するでしょうね。三人にエールを送りたくなりました

  • 1ヶ月半前に3作目を読んだシリーズの1作目。科警研のホームズこと土屋室長は共通だけどシチュエーションは全く違う。4編ともそれなりに面白いが、印象としてあっさり終わる感じ。さて、2作目のシチュエーションはどうなんだろう?

  • その洞察力や閃き、行動力から、かつて『科警研のホームズ』と称された土屋。
    しかし、ある事件を契機に科警研を辞め、大学の准教授となった。

    しかし、なんとか科警研に戻したい所長の出雲は、彼を本郷分室の室長に任命し、3人の研修生の指導をする様取り計らう。

    科警研の仕事は、あまりやる気を見せない土屋であったが、出雲の持ち込む難事件に、少しずつやる気を見せ、また、研修生たちも、少しずつ変わっていく...

    原因不明の死因の解明や、一卵性双生児(兄と弟)のどちらかの犯行の特定などなど、持ち込まれる事件は、難題ばかり。

    さすがに、4件めの事件は、難事件ですね(なるほど、そう来たか...)
    研修期間も延長され、彼らの活躍する次回作も読みたいと思います。

    【追記】
    『科警研』と『科捜研』は、組織も目的も別なんですね。
    企業でいえば、『科警研』が中央の研究所で、『科捜研』が各県の事業所(工場)とか...
    知りませんでした(なるほど)

  • 現実ではこんな風にはいかないだろうけど、様々な科学分析が登場して興味深かったです。

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著者プロフィール

喜多喜久

一九七九年、徳島県生まれ。東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了。大手製薬会社の元研究員。第九回『このミステリーがすごい!』大賞にて優秀賞を受賞、二〇一一年受賞作を加筆した『ラブ・ケミストリー』でデビュー。主な著書に『青矢先輩と私の探偵部活動』(集英社)、『桐島教授の研究報告書 テロメアと吸血鬼の謎』、「化学探偵Mr.キュリー」シリーズ、「死香探偵」シリーズ(中央公論新社)がある。

「2022年 『死香探偵 真心は捧げられた死と香る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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