これは花子による花子の為の花物語

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800290564

感想・レビュー・書評

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  • HSPで鬱病で愛着障害で心的外傷後ストレス障害な人たちの話。
    …って書くと途端につまらなくなる。
    実体験とは言わないが、見覚え(聞き覚え)のある話だなぁと思って手に取った。
    主人公は解離性同一性障害まで患っていて、なかなか心理学的に見ても面白い話だったと思う。わたしは心理学は取ってないんだけど、心理学と哲学は関係あると思うし。


    人一倍傷つきやすいからこそ傷つくのを恐れ、残念なことに引きこもりという形になってしまうこともある。
    もしも偶然が重ならずに蓮と出会わなかったら花子はどうなっていただろう。他人事ではないな。

    こんな運命的な偶然は有り得ない。と思う人もいると思うけど、訳あってわたしには断言できる。運命ってたぶんある。そこかしらに散らかっている。それを手にできるかどうかはその人次第だが、それを最も必要とする人たちのもとへは、必ず回ってくる。



  • 文庫版は改題「そして花子は過去になる」

    タイトルどちらも納得。どちらも良い。
    お話的にはもう少し10代〜20代前半だったらより楽しめたかな?

  • タイトルや表紙の雰囲気から、もっと軽やかでピュアな恋の物語なのか、と思いきや。
    想像以上に重いものを背負った「2人」の恋の物語。
    花子のひきこもり人生のあれこれも、レンの現実逃避したフリーター人生のあれもれも、「よくある話」なのだろうけど、そこに2つの「アイテム(といっていいかどうか…)」を絡めたことで物語に奥行きと深みが加わった。
    それにしても切ない…カコの…あぁ…

  • 『これは花子による花子の為の花物語』読了。
    もうね、花子が健気で全力で花子を応援したくなる。最後の最後まで読んで勘違いに気づいた時ゾワっとした。そうか!これは間違いなく花子の物語だ。これからたくさん花子には幸せになってほしいと思いながら本を閉じたよ。

  • タイトルの意味に途中で気づきました。本当にこれは花子による花子の為の花物語でした。

  • 題名の意味に気付いて、なるほどねぇ~と にやっとしてしまった。
    とても可愛い表紙の小説。
    そして文の表現がとても綺麗で可愛い。
    花子と蓮が本当に素直で可愛い。
    そして京都に行きたくなっちゃう。

    展開にそんなに驚きはないけれど、
    自分に自信の無い人や、毎日しんどい、って思っている人が変わりたいって思えるような内容だった。

    花子のお母さんが素敵過ぎて私もそんな母親になりたいと思った。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/
    図書館・請求記号 913.6/Ki41//

  • なるほどね。
    そーゆーことか。タイトルも納得。
    花子のお母さんが素敵すぎる。
    花子が前を向き変わっていこうとする様がよい。
    カコも優しくて可愛いし、みなが優しい空気が読んでいてココチ良い。

  • タイトルの読み仮名にヒントがある。
    井浦さんは、花子のお父さんなのかな?
    花子のお母さんがとても暖かくてよかった。

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著者プロフィール

チレン(きな・ちれん)
京都府出身。大学在学中に応募した短編小説「溶けたらしぼんだ。」で、新潮社「第9回女による女のためのR-18文学賞」優秀賞を受賞。美しい少女の失恋と成長を描いた『静電気と、未夜子の無意識。』(幻冬舎)でデビュー。その後、少女の心の機微を大切に、多岐にわたるジャンルで執筆し、作品表現の幅を広げる。近著に、引きこもりの少女の部屋と京都が舞台の恋愛ミステリ『これは花子による花子の為の花物語』(宝島社)がある。黒歴史と少女の淀みを描いたミステリ小説『みんな蛍を殺したかった』に続くのが、本作『私はだんだん氷になった』である。

「2022年 『私はだんだん氷になった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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