覇王信長の海 琵琶湖 (歴史新書)

  • 洋泉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800315533

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  • 「近淡海」と呼ばれた琵琶湖は、古より日本海を結ぶ海の街道、東国への入り口、比叡を経て京と繋り、また瀬田川、宇治川、淀川を経て大阪、中国四国、九州へ、朝鮮、中国とも繋がる。本書は琵琶湖のネットワークを統治にうまく利用した信長の「琵琶湖ウォーターフロント計画」を軸に、琵琶湖の水運とその歴史を天智天皇の大津京、恵美押勝の乱、源平合戦、と繋ぎ、中世の六角氏、浅井氏の舟運や朝湊、塩津、海津、今津、堅田等の廻船業の成立を紹介する。近江国は琵琶湖に多くの面積を取られながらも、米の生産量では陸奥に次ぐ一大産地。経済力があるということは、軍事力があるということ。天下布武を掲げる信長もやはり、琵琶湖に着目、水運を利用すれば主要街道が通る琵琶湖周辺を制圧することで流通も押さえられる。信長は、琵琶湖へどういう新構想を持ち、行動していったのか。残されたデータを駆使して、それを解明する。琵琶湖の歴史は実に興味深い。

  • 日本最大の淡水湖、琵琶湖。古くは天智天皇が大津京を置き、織田信長は近くに城を築いた。本書では、古代より続く権力者と琵琶湖との深い関係を紹介する。

    第1章 権力者が求めた琵琶湖
    第2章 覇者の海の成立
    第3章 覇者の城
    第4章 継承される覇者の海

  • 中井先生他の著書。古代から中世までの琵琶湖の水運と信長の城郭について。近江の語源は京都から近い淡水湖だが、琵琶湖の由来は知らなかった。中世後半から見られ、江戸時代に定着した?形を確かめる術はあったのか?竹生島の弁財天の持物は琵琶である。

    坂本、堅田や湖西の津がつく港、越前との国境、朝妻など港。物流は船。

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著者プロフィール

1955年大阪府生まれ。龍谷大学文学部史学科卒業。滋賀県文化財保護協会、米原市教育委員会、長浜城歴史博物館館長を経て、滋賀県立大学人間文化学部教授。専門は日本考古学。
主な著作
『近江の城―城が語る湖国の戦国史』(単著)サンライズ出版1997年
『彦根城を極める』(単著)サンライズ出版2007年
『城館調査の手引き』(単著)山川出版社2016年
『近江の山城を歩く』(編著)サンライズ出版 2019年
『信長と家臣団の城(角川選書)』(単著)KADOKAWA 2020年
『中世城館の実像』(単著)高志書院 2020年

「2021年 『近江の陣屋を訪ねて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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