サイコパスの手帖

  • 洋泉社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800316202

作品紹介・あらすじ

『サイコパス解剖学』の第二弾!

感想・レビュー・書評

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  • 精神科医師の春日武彦さんと
    小説家平山夢明さんの
    「サイコパすぃ」対談本

    さぞかし「サイコパすぃ」な話が…
    と思われる方も多いタイトルですが…

    お二人の「トラウマ」映画と
    その映画に潜む「サイコパすぃ」な話です。

    映画好きな人にとっては
    「あ~わかるわかる~」
    「え~!そんなバックヤードがあったのか…」
    「渥美清って…コワイ…」
    的なオハナシ満載で
    映画好きな私はかなり楽しめました。
    どの映画も興味深い!

    でも…私も平山さんと同じく
    子供の虐待系ってちゃんと見れない
    映画とわかっていてもダメ
    「鬼畜」とかはもう絶対に無理だと思う。
    人間の底知れない残酷さと恐ろしさをじわじわ感じる

    なんだかんだ言っても
    やっぱり…一番怖いのは人間だわ

  • 精神科医と作家による対談形式で、サイコパスについて綴られています。
    「サイコパス解剖学」の続編で、今回は小説や映画・ドラマの狂人も話題に取り入れられています。
    リアルとフィクションによって幅が広がり、前作よりも更に自由な語りとなっています。
    狂人について面白おかしく話されていて、力を抜いて楽しく読了できました。

  • なるほどね、サイコパスって何気なく使っていたけど、医学的には、どことなくヒロイックなテイストのまぶされた、文学的言葉なんだね。

    _____________
    読めば読むほど、サイコパスって何かわからなくなる。
    ともかく、相手には感情というものがなくこちらを道具として利用しようとしている点。また、人生をかけて人間をコントロールすることに愉悦を覚えるという点。あまりに自信満々な人には気をつけろという点。そして、政治家になろうとするやつには気をつけろという点。そうした教訓を得た。
    あと、私たちもまた、サイコパス予備軍かもしれないというおそるべき可能性があるという点も。

  • 精神科医と鬼畜作家による対談集の第4弾。

    この2人の対談集は一貫して狂気をテーマにしているが、本書は前作『サイコパス解剖学』につづき、サイコパスをめぐる対談集の第2弾である。

    春日が「おわりに」で、「またしても顰蹙ものの放談大会である」と書いているとおり、これはサイコパスについて真面目に考察する本というより、「サイコパスを面白がる」不謹慎な本である。
    著者2人の不謹慎ぶりに耐性がある人――具体的には、平山夢明の鬼畜小説を楽しめる人など――なら、本書も楽しめるだろう。

    本書は一部が、サイコパスがらみの映画を取り上げた〝トラウマ映画ガイド〟になっている。その点が前作とのいちばんの相違点である。
    ともに映画好きである2人の映画談義は、なかなか読ませるものになっている。

    「ためになる」というタイプの本ではないが、前作よりも内容は濃いと感じた。

    印象に残った一節を引いておく。

    《猫屋敷とゴミ屋敷って、俺から言わせれば、心の隙間を猫で埋めるかゴミで埋めるかの違いだけだよ(春日の発言)》

    《平山 気配りって、作品を作るうえではあまりプラスにならないんですよね。
    春日 全然ならないよ。気配りって、つまり平均や中庸を目指すものだから、創造の敵ですよ。》

    《(整形依存に陥る理由の説明として)自分が想像する整形後のイメージとさ、実際の手術後のイメージが完全に一致するのって、難しいんじゃない。整形前は「ここさえなんとかすれば」ってひたすらピンポイントで思っているけど、整形後は全体のバランスのなかでメスを入れた部分を眺めるんだから、ギャップが生じて当然だよね。そのギャップが大きければ大きいほど、それを埋めようとしてさ、どんどんハマっていくような感じがあるんじゃないかな(春日の発言)》

    《実は人類とか生命体は、サイコパすぃな人がある一定の割合で存在しないとダメなんじゃないですかね。なんか、サイコパスが存在することで、いい感じのバランスが保たれているみたいな(平山の発言)》

    これは他のサイコパス本でもよく言われることで、たとえばマーサ・スタウトはその理由を戦争に求めている。サイコパスはきわめて優秀な殺人者になれるから、戦争がある以上、人類はサイコパスを必要とするのだ、と。

    《サイコパスな奴らって、課題とか目標がないですからね。(中略)強いて目標みたいなことでいえば、どれだけ相手が「参った」って言ったかが、サイコパスの心の貯金箱に入る。チャリンチャリン入るだけだから、相手が参ったって言う回数が多ければ多いほど嬉しいんですよ(平山の発言)》

    平山夢明らしい独創的な言語感覚も随所で炸裂している。
    「香ばしい」みたいな感じで頻用される「サイコパすぃ」という言葉が妙におかしくて、私も使いたいと思った。

  • 図書館の本 読了

    内容(「BOOK」データベースより)
    お茶の間を戦慄させた事件から映画までを異色の精神科医と稀代のホラー作家の黄金コンビが徹底放談!人はなぜ狂うのか?サイコパスはなぜ存在するのか?その答えが本書にある!

    対談4作目。
    相変わらず面白い。あっという間に読んじゃった。
    感想書くとまずいことになりそいだけど、渥美清が不味い人だったってのは驚き。

  • 対談本4冊目一気読みともなれば読む速度も上がる。映画についての話題が多く、過去の3冊とかぶる内容も多かった。私はホラー映画が苦手なので様々な作品のなんとなくの概要を知れて面白かった。人はなぜ狂うのか、何をもって狂ったとされるのか、自分の中でぼんやりと答えが出たので良しとする。

  • 表紙にはやられた。
    映画の話が多く、面白い対談。
    平山さんって意外と普通人!?

  • ウンウンと頷きながら読みました。

  • 発売日から我慢して2019/6/28サイン会&トークショーでGet!ようやく読めました。夢さんの近況が痛々しい。春日先生とのサイコパスっぽい事どもに関する放談は楽しかったです。

  • 映画の登場人物の心理描写的に、サイコパスと呼んでいいキャラクターを語り合っている。映画を多数紹介されているので、今後の鑑賞予定リストにもなる。本書を読むなら、できるならここで語られる映画を鑑賞してから読むと、より理解が深まると思う。最低でもこの1本は鑑賞してから読んでほしい。スタンリー・キューブリックさんの作品『シャイニング』。この映画の新解釈も飛び出してくるあたりがとても興味深かった。
    精神科医の苦労も語られる。大変な職業だが、多くの人が必要としていることを改めて実感した。

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著者プロフィール

1951年生まれ。産婦人科医を経て精神科医に。現在も臨床に携わりながら執筆活動を続ける。

「2021年 『鬱屈精神科医、怪物人間とひきこもる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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