- Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
- / ISBN・EAN: 9784805506769
感想・レビュー・書評
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ブルーノ・タウト(杉本俊多・訳)『都市の冠』。
タウトというと桂離宮の研究や、ものすごくモダンな家具デザインなんかが最初に思い浮かぶんだけど、
そうか、こういう側面があったのかと深く思い知った。
第一次世界大戦という総力戦のなかで、「都市の完全に破壊しつくす」現代の戦争の現出を目前にし、
自身の死の予感のなかで書かれた黄昏の書。
マヤやアンコールワットからゴシック聖堂まで縦断しながら、
エックハルトさえ引用しつつ、新しい都市像を提示する。
ってとことなんだろうけど、この神秘主義的な、
ほとんど反モダニズムにすら思われるイメージはなんなんだろう。
要するに、モダンと呼ばれるものが戦争と接続して暴力的に現れ、
地上という平面を支配しようとしているそのとき、
それを超えるためには垂直性への志向をも明示されなくてはならぬ、というところだろうか。
垂直性という冠は、永久戦争下の世界では希望となるとタフトは考えていたということか。
さて、では311後のこの国では、この本はあらためてどう読まれねばならないのだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
理想的形態としての田園都市の形成を認めた上で,
|都市の冠|を求めるのがこの都市計画の主張.
冠とは,中心とか頭部となる部分.
田園都市が胴体として必要としながらも,
生活の質やコミュニティの醸成をより良くするためには
頭としての中心(冠)を計画することが不可欠という.
同時に収録されている,パウル・シェーアバルト,
エーリッヒ・バロン,アドルフ・ベーネの論考や詩は,
タウトの都市論を補強している.
特にシェーアバルトの ||レザンベンディオ|| を読んでみたい
と思った.漏斗状の都市惑星とかSFだよね.