月的現象: 詩集

著者 :
  • 沖積舎
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (95ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806005674

感想・レビュー・書評

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  • 熱っぽくて冷たい月に触れてみたくなったらこの詩集をひらく。
    夢とわたしを隔てているガラス窓をそっと開ける。その隙間に体から切り離した影を滑りこませてやる。それはすばやく走る猫、しなやかに泳ぐ魚、かろやかに羽ばたく鳥になる。窓の向こうは昼に吸いこんだ光が淡く発光している深淵な世界。夜気と戯れるわたしの影。空は揺らぎ、夜露のひとつひとつが星みたいにきらめいて、散る花と落ちる果実のあまいあまい匂いが立ちこめて。
    いくつもの紗幕で仕切られた月的現象を渡りゆく喜びが、足跡として至るところを浮遊している。
    大好きな詩集。

  • 長野まゆみが推薦文を書いてます。

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著者プロフィール

1964年、石川県生まれ。2001年、第47回角川短歌賞受賞。著書に歌集『眼鏡屋は夕ぐれのため』『薄い街』『モーヴ色のあめふる』、詩集『新集 月的現象』『アクリリックサマー』、掌編集『うたう百物語』、共編著『短歌タイムカプセル』などがある。歌人集団「かばん」会員。

「2020年 『世界が海におおわれるまで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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