村上春樹—ザ・ロスト・ワールド

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  • 電子本ピコ第三書館販売
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784807493234

作品紹介・あらすじ

村上春樹の読者は多いが、その作品の内に入り込み彼の作り出す「村上春樹ワールド」を解明しようと試みた書は多くない。処女作『風の歌を聴け』から『ダンス・ダンス・ダンス』を経て『ノルウェイの森』を越え『国境の南、太陽の西』に至る作品群を気鋭の文芸評論家が読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 黒古 一夫

  • 文章に散りばめられた記号の謎を解いていく参考書のごとし。

  • 時代の泡立ちがまだ消えない中d、え未来に対する漠然とした不安を抱きながら、それでも人と人のぬくもりに最後のよりどころを託さなければならなかった時代、概括すればそれが1970年代だった。

    村上の小説の主人公はいつでも相当にかっこいいが、その理由の2つは世の名kあに対して斜に構えているようなライフスチルを取りながら、それでも完全に社会からドロップアウトするのではなく、ダンス3の主人公のように知=文化的な仕事に関わる。彼らは泥だらけの仕事なんてしないで、なんとなくかっこよくみえる翻訳とか物書きの世界で生きる。

    村上がアメリカに対して、それ以前の世代が持っていた隷属意識やあこがれをほとんど持っていない、むしr先進国としてのパートナーとしての共通部分にシンパシーを持っている。

  • なかなかよくまとまっているし、調べられている一冊。

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著者プロフィール

文芸評論家、筑波大学名誉教授、華中師範大学外国語学院大学院特別招聘教授。
 著書に『北村透谷論―天空への渇望』(79年 冬樹社)、『祝祭と修羅―全共闘文学論(85年 彩流社)、『大江健三郎論―森の思想と生き方の原理』(89年 同)、『原爆文学論―核時代と想像力』(93年 同)、『立松和平伝説』(02年 河出書房新社)、『作家はこのようにして生まれ、大きくなった―大江健三郎伝説』(03年 同)、『林京子論―「ナガサキ」・上海・アメリカ』、(07年 日本図書センター)、『村上春樹―「喪失」の物語から「転換」の物語へ』、(08年 勉誠出版)、『増補 三浦綾子論―「愛」と「生きること」の意味』(09年 柏艪社)、『「1Q84」批判と現代作家論』(11年 アーツアンドクラフツ)、『辻井喬論―修羅を生きる』(同 論創社)、『文学者の「核・フクシマ論」―吉本隆明・大江健三郎・村上春樹』(13年 彩流社)他多数。
 編著書に『日本の原爆文学』(全15巻 83年 ほるぷ出版)、『日本の原爆記録』(全20巻91年 日本図書センター)、他。現在『立松和平全小説』(全31巻 11年~勉誠出版)に「全巻解説」を執筆中。

「2014年 『井伏鱒二と戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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