- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784807493234
作品紹介・あらすじ
村上春樹の読者は多いが、その作品の内に入り込み彼の作り出す「村上春樹ワールド」を解明しようと試みた書は多くない。処女作『風の歌を聴け』から『ダンス・ダンス・ダンス』を経て『ノルウェイの森』を越え『国境の南、太陽の西』に至る作品群を気鋭の文芸評論家が読み解く。
感想・レビュー・書評
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黒古 一夫
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文章に散りばめられた記号の謎を解いていく参考書のごとし。
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時代の泡立ちがまだ消えない中d、え未来に対する漠然とした不安を抱きながら、それでも人と人のぬくもりに最後のよりどころを託さなければならなかった時代、概括すればそれが1970年代だった。
村上の小説の主人公はいつでも相当にかっこいいが、その理由の2つは世の名kあに対して斜に構えているようなライフスチルを取りながら、それでも完全に社会からドロップアウトするのではなく、ダンス3の主人公のように知=文化的な仕事に関わる。彼らは泥だらけの仕事なんてしないで、なんとなくかっこよくみえる翻訳とか物書きの世界で生きる。
村上がアメリカに対して、それ以前の世代が持っていた隷属意識やあこがれをほとんど持っていない、むしr先進国としてのパートナーとしての共通部分にシンパシーを持っている。 -
なかなかよくまとまっているし、調べられている一冊。