百年前の山を旅する

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  • 東京新聞出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784808309381

作品紹介・あらすじ

テクノロジーを遠ざけて山に登る"サバイバル登山家"は、さらなる「手応え」を求めて、古の山人や明治の登山家の足跡をたどりはじめた。股引、脚絆にわらじという出で立ちで-。自由と野性に溢れる紀行文集。

感想・レビュー・書評

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  • 文章に残ってる行程でその時代と同じ装備で行く山というので面白かった。
    地図も持たずって、、、真似したらダメやん。
    山や自然に対するリスペクトが表れてて気持ちいい。

  • サバイバル登山でおなじみ!?の服部さんの本。ゴアテックスのシェルもテントも寝袋もバーナーもなかった百年前。その時代の山にのぼるとはどういうことだったのか?を自ら実践するという話。バーナーの発明は火をいつでもどこでも化を実現しテントの発明は居住空間のいつでもどこでも化を実現しそれによって南極、北極、ヒマラヤといった極地で人が生存しながら行動できるようになり極地冒険が誕生。テクノロジーによって人ができることが大幅に増えたということの好例です。一方で、テクノロジーによって人ができなくなってしまったことがある。星や空をみて方角や天気をしり、ハイマツをナタでぶったぎって火をおこし、釣った岩魚を自分でさばいて食べるとか30kmくらいは気にせずにあるくといった力。技術は人を豊かにするけど人のもってる潜在能力を失わせるところもあるなと感じた。サバイバル登山はまねしてみたいけどさすがに絶対に無理。

  • 登山ブームと言われている昨今では、
    いろいろな登山ガイドブックや紀行文などが書店に出ています。
    どの本も山に想いを馳せることの出来る本ばかりなのですが、
    今回は「山登りの原点」を考えさえてくれる一冊に出会いました。



    今日ご紹介するのは服部文祥さんの「百年前の山を旅する」という一冊。

    服部文祥さんは学生時代から山岳会に身を置いて、
    8000m級の高山に登ったりクライミングやバックカントリースキーを行ったりと、
    オールラウンドな登山を行っている方です。
    また、銃を担いで狩猟を行い食料を得ながら山を歩くなど、
    サバイバル登山家として有名な方なんですよ。

    その著者が明治の登山家の足跡をたどったり、
    古い絵地図を元に江戸時代の山行を再現したりするという、
    他の登山関連書とはまったく異なった視点で山を巡った紀行文なんです。

    【目次】(「BOOK」データベースより)
    ・過去とシンクロする未来
    ・一〇〇年前の装備で山に入る─奥多摩・笹尾根縦走
    ・日本に沢登りが生まれた日─奥秩父・笛吹川東沢溯行
    ・ウェストンの初登攀をたどる─北アルプス・奥穂高岳南稜登攀
    ・鯖街道を一昼夜で駆け抜ける─若狭〜京都北山・小浜街道針畑越
    ・「ある登攀」を追いかけて─北アルプス・白馬岳主稜登攀
    ・黒部奥山廻りの失われた道─北アルプス・小川温泉〜鹿島槍ヶ岳
    ・火を持ち歩くということ─北アルプス・鹿島槍ヶ岳北壁登攀〜八峰キレット縦走

    目次を見ただけでも、
    登山が好きな方にとってはワクワクする山名などが並んでいるのではないでしょうか。

    タイトルが「百年前の山を旅する」となっていますが、
    すべての山行を百年前の姿で行っているわけではなく、
    時には江戸時代の調査山行の絵地図を元に急峻な山を登ったりしています。

    著者は本の中で「昔の人は今よりも登山の技術が劣っていたと思いがちだった」と語ります。
    そして「昔の人にとって徒歩での山越えは当たり前の交通手段だった」と気づきます。
    装備が進歩している現代では「山の弱点を見つけて登る」ということが無くなったため、
    現在難ルートと呼ばれている登山道も、
    山の弱点を見ながら登ると重い荷物を背負っても登れるんだと結論付けます。

    また、古い灯油ストーブを持参しての登山では、
    「探検隊が成功するには火を携行出来たことが大きい」ということも書いています。

    単なる昔の登山道を辿る紀行文ではなく、
    時代を遡って昔の人の視点で山を捉えたこの本は、
    南極探検の顛末まで出てくるような実に深い内容だなと思いました。

    山好きの方もそうでない方も、
    ぜひ一度読んでみてください。

  • 昔の登山記を参考にして、当時の装備とルートで登るという発想が面白い。私も昔の装備で登ってみたい!でも自分には絶対にできない登山スタイルなので、本で読めて良かった。
    ただ文章が単調で読み進め難かったのが残念。

  • 本文中に書かれている著者の考え方、特にあとがきの内容が素晴らしい。

  • 昔の古道や装備を調べ、当時のルートを探りどういう心境だったかを考えているので読んでる方もどうなんだろうと考える事ができる。
    地図を見ながら読むとより面白かった。

  • 永遠の中二病、服部文祥が100年前の装備で登山黎明期の登山家に想いを馳せる本です。最近の装備は使わず足袋脚半、着物で天幕も無しで登る無謀っぷりを展開しています。とても興味深いのですが文献を読んでもいない状態で色々書いてあっても頭に入らなかったです。これは筆者が悪いわけでは無く読み手の資質の問題であります。すみません。

  • 『サバイバル!』のほうがおもしろかった。写真で初めて著者を見れた。

  • 昔の人の知恵を伝承しようとする時、最新の道具が邪魔になることがある。本当に生きる知恵を身につけるということは何かについて考えさせられる。随筆、読み物としての文章や表現力には疑問を感じるが、筆者が伝えたいことはよくわかるし、共感を覚える部分が少なくない。土地勘が無いので、関西以外の箇所はいまひとつ実感がわかないが、鯖街道については自身も歩いてみたいと思った。

  • 2012/10/27購入
    2014/3/1読了

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著者プロフィール

登山家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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