もっと知りたいラファエル前派 (アート・ビギナーズ・コレクション)

著者 :
  • 東京美術
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784808711313

作品紹介・あらすじ

伝統的な西洋美術に対抗して生まれた新しい芸術「ラファエル前派」、その革新性と次世代への影響を平易に解説する入門書。図解や年表、ブックリストなども充実させる一方、作品を拡大してヴィジュアル的に見せ、画集としても楽しめる。

感想・レビュー・書評

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  • 「50の傑作絵画で見る 神話の世界」にウォータハウスの絵もあって、改めてラファエル前派の絵のモデルを把握したいと手に取った。

    95ページと薄い本で絵はすべてカラー。26cmとやや大判なので絵のみごたえはある。クローズアップギャラリーとして、ミレイ、ロセッティ、バーン=ジョーンズ、ウォーターハウスの絵が1点見開きで紹介されている。

    ずっと知りたかったのは、表紙下のロセッティの絵のモデル。ロセッティの絵にはこの、あご線の女性(と勝手に命名している)がよく出てくる。この絵は「白日夢」1880年という絵で、モデルはジェイン・モリス。1860年代末からたびたび描かれるとある。

    「ベアタ・ベアトリクス」はロセッティが愛した同名のイタリアの詩人ダンテが愛した女性に、やはり早世した自らの妻シダルの面影を託している、とある。ジェイン・モリスともやはりあごが似てると感じるのだが。

    ラファエル前派の女性関係は複雑だとあるのを別な本で読んだことがあったが、すっきり図示してくれたサイトがあった。なるほど6すくみ。ジェイン・モリスはウィリアム・モリスの妻だったんですね。

    「大人の美術館」ラファエル前派の女性たち!画家とモデルの愛憎劇が名画を産んだ! ビー玉さんのサイト
    相関図
    https://kaigablog.com/pre-raphaelite-brotherhood/

    ラファエル前派の主な画家の生没年と同時代の動き年表が見やすいです。
    フォード・マドックス・ブラウン 1821-93
    ジェイムズ・コリンスン 1825-81
    トマス・ウールナー 1825-92
    ウィリアム・ホルマン・ハント 1827-1910
    ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 1828-82
    ジョン・エヴァレット・ミレイ 1829-96
    エドワード・バーン=ジョーンズ 1833-98
    ウィリアム・モリス 1834-96
    ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス 1849-1917

    2019.3.30初版第1刷 図書館

  • どんな風に纏めているか興味津々です。。。

    東京美術のPR
    ラファエル前派全体をとりあげた一冊が、人気の「もっと知りたい」シリーズに登場。麗しい女性たちが印象深いラファエル前派の絵画ですが、その根底には「新しい芸術」を生み出そうとする若き芸術家たちの野心と挑戦がありました。時に切磋琢磨し、時に恋敵として火花を散らした芸術家たちの波瀾万丈の生涯からも目が離せません。本書はラファエル前派の主要な作家と作品をとりあげ、同時代だけでなく後世にも大きな影響を与えた美術運動の軌跡をわかりやすく紹介します。
    http://www.tokyo-bijutsu.co.jp/?act=book&op=detail&bid=392

  • PRB、ラファエル前派の美しい画家たち。まさに、唯美主義(耽美主義)の萌芽の集合体とも言える。重要なモチーフとされるファム・ファタームにアンテナが立つ。そして、大好きな画家であるウォーターハウスも厚めに掲載されているものと思っていたら、ミレイやロセッティらとは少しだけ世代が異なることを初めて知った。大好きな世界観。

  • 借りたもの。
    ラファエル前派の軌跡を簡潔にまとめた一冊。
    美術史の中でどのような考えに基づいたグループだったのか――反アカデミズム、ルネサンス期のラファエル以前の素朴な作風の見直し――から、前期、後期(第2世代)での美意識の違いなど、時系列的にその偉業を理解する。
    影響を与えたルネサンス期やそれ以前の写本など参考になるものも一部掲載。
    また、ラファエル前派の特徴――雄弁な額縁、アーツアンドクラフツ運動など総合芸術への波及――を指摘。

    B5サイズで持ち運びしやすい。印刷も綺麗。

  • 説明と絵の比率がよいと思う。他の本に比べて説明が多く、理解の助けになる。単に絵と説明の羅列ではなく、テーマや時代の変遷に沿ってまとめられているのがよい。

    あと、もっとどろどろした人間関係についても書いていいんじゃないかと思う。そういうのも作品に影響するのではないかと思うので。影響しないかもしれないけれど。

    そしていつも思うのだけれど、ミレイは天才。2019/6/9まで三菱一号館美術館で開催中のラファエル前派の軌跡展に行って、その才能に打ちのめされてほしい。

  • T図書館
    1848年若者20才位がロンドンで結成された芸術集団
    「メエメエ羊さん」
    フォードマドックスブラウン
    バーミンガム美術博物館

  • ラファエロ前派とはラファエロ以前への回帰を目指した1850年ころから長く続いた運動だが、ここでいう”ラファエロ以前”とは、歴史上のある特定の時代に立ち戻るというよりも、普遍的なアカデミズムの枠を超えて、より純粋で真摯な美術を探求しようとする、汎ヨーロッパ的な動向を指すものであったそうな。・・・観念はわかった。ミレイとロセッティを覚えておこう。

  • 最近知ったイカロス哀悼がとても好きでハーバート・ジェームズ・ドレイパーについて調べたところラファエル前派だとのことだったので、他にも好きな画家を見つけることができるかもしれないと思って。
    全体的に植物が美しく好きでした。
    あとは、フレデリック・レイトンのオダリスクに描かれてる白鳥なんかが好みでした。

  • 大きなくくりの場合、情報の過多過少が気になる場合が多いのだけれど、この一冊に関しては必要十分で満足感が非常に強い。まさにシリーズ名の通りだと思う。
    同シリーズの個別ではバーン・ジョーンズのみだったはずなので、是非ロセッティやウォーター・ハウス、少し離れるけどビアズリーのものも読んでみたい。

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著者プロフィール

法政大学教授 イギリス美術史

「2018年 『デザインとデコレーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

荒川裕子の作品

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