「教えて考えさせる授業」を創る: 基礎基本の定着・深化・活用を促す「習得型」授業設計 (教育の羅針盤 1)
- 図書文化社 (2008年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
- / ISBN・EAN: 9784810085105
感想・レビュー・書評
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流し読み。
考えさせる授業。が一概に良いとは限らない。
教える授業。も時には必要。
子どもに自己評価をさせる点は良いと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
p.10 「自ら学び、自ら考える子どもを育てる」という否定しようのないスローガンの中で、「知識」は自ら考えることの妨げになるものであり、「教えることを手控える」のがよい教育であるかのような誤解が生まれてしまったのである。
子どもが、初めから自ら学び、自ら考えられるはずもなく、それを目標に指導していけばいいはずなのに、どういうわけか教育というのは極端な方に走ってしまい、じゃあ教えない方がいいだろう、とここ何年か「ゆとり教育」は進んできたわけです。
それに対して筆者は、まず教えるべきことは教えましょう。その上で、必要なことは考えさせるという教育もあっていいのではないか、と提案する。
筆者の主張が素晴らしいのは、どちらか極端な方に走っているわけではないこと。
即ち、p.13の図にあるように、教えるべきことはまず教える「習得サイクル」と、それこそ自ら学び、自ら考えていかせる「探究サイクル」の両方が必要である。学習内容によってより適切な方を選んでいい、とバランスよく主張しているところが好感がもてる。
本に影響されやすい私ではありますが、至極もっともな主張だなあと感じました。これからの教育の主流になっていくか!? -
普通の授業のこと。教科書が無償で使えるなら,それを使って基本を理解・定着した上で,ちょっとチャレンジングな(応用,発想)活動でその理解と定着をさらに深めていく。
講義法だけ,グループ活動だけ,○○だけ,という方法教条主義ではなく,学習者(子ども)が到達する姿をイメージして,その姿へ変化していくためのアプローチをどうしていくのかを教師は考える。それが一番面白いと思う。
公教育における教室の中は多様であり不確定なものだからこそ,限られた時間をどう活用し,短期的な目標だけでなく,長期的な目標を達成できるよう働きかける方法を持っておくべきだし,その方法論を理論で裏付けておき,効果検証を絶え間なくつづけていく。がんばれ教師。 -
習得サイクルと探求サイクル
知識の基盤 考える 確認 -
これからの授業のスタンダードになるといいな。
実践もあるし、その後のデータの蓄積も気になるところ。
まずは自分の授業に取り入れたい。 -
図書館で借りた。
教育方法論で使用した参考文献 -
「いきなり考えさせる授業」には無理がある。
基本的なことを教えてから考えさせる授業へ。
子ども同士で教え合うほうが理解がすすむ。
実際の授業の進め方は、映像で観るほうが理解が早い。
各教科ごとの授業のDVDが用意されている。 -
基礎基本の習得のためには教師が積極的に教えて,そのあとで理解を深化させるために考えさせる授業が効果的である-著者の市川氏はそう述べます。学校現場では「教えずに考えさせる授業」があまりにも多く,それが成果を上げているとは思えないことから提起された授業です。
確かに,一部の「予習組」と「ひらめきのいい子」が新しい問題の「解決法」を思いつき,そのペースに乗って進んでいくという授業が多いような気がします。教えるべきことはさっさと教えてしまい,それを使って友だちに話をしたり,新たな問題を解いたりする中で,基礎基本は定着するのかもしれません。
本書の提起に沿った内容の実践本も出ているようです。 -
タイトルの言葉を見ると『何当たり前のことを言っているんだ!』と
言いたくなるが、実際教室にいる30数名の生徒に新しい事項を教えて、
考えさせ、新たなものを発見・獲得させていくというのは非常に難しい。
本書はそういう難しさの中でどう授業を構成していくかについて示唆を与えてくれる。教員採用試験の小論文で書いたことも、この本にあったことがベースになった。