「超」怖い話 怪牢 (竹書房文庫)

著者 :
  • 竹書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784812491119

作品紹介・あらすじ

過去の怪奇体験がトラウマとなり、その時の恐怖から逃れられないでいる者。血と地の因果、祟りともいうべき影に付き纏われ続ける者。はたまた己の内から這いずる恨み、憎しみの念に縛られ、自らが異形と化してしまう者。彼らはすべて、怪という名の牢獄に心を囚われてしまった犠牲者だ。数々の戦慄譚を発掘してきた久田樹生が満を持しておくる最凶実話怪談23話。

感想・レビュー・書評

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  • 怪異はいつでも貴方のそばにいる。貴方がそれがそうだと認識していないだけで、今も貴方の隣に寄り添っている。そして、一度それが怖いものだと分かってしまうと、いつまでも、ずっと恐ろしい側面を見せ続けるのだ。





    久しぶりの怪談本。小説もいいが怪談本は、気楽に読めていい。作者が収集した嘘とも誠ともつかない怖く、不気味な話が32話収録されている。それぞれ、怖さの度合いに差があり、読んでいて胸焼けのするような話もあったが、全編を通して面白かった。結果として、自分たちの家族がめちゃめちゃになってしまったのだから、目も当てられないというのはこういうことを言うのだろう。「菓子舗」は死してなお繰り広げられる人間同士の確執によって、もたらされた後味の悪い結末に、思わずしかめっ面になってしまった。人の念というのはどうにもしつこく、恐ろしいものだ。「かすてぃら」はただひたすらに気味が悪く、気持ちが悪い。 何も真相は分からずじまいなのだが、何もわからなかったからこそ、より一層不気味さを醸し出していた。そして、読んでいて非常に背後が気になったのが本書の最後を飾る「慈悲」 家族を立て続けに亡くした語り手が続発する怪奇現象に襲われる。その起こり続ける怪奇現象も怖いの一言だが、普通ならば何も持たず逃げ出すほど怪奇現象が起きているのに、恐怖を感じず淡々と受け入れている異様さに鳥肌が立つ。読んでいるだけで背後が気になったり、尻の座りが悪くなるほど怖かったのに……。最終的に、語り手は家を離れることができるのだが、その後も良好とは言えず最後まで黒い何かがまとわりつく様な話だった。

  • 怪談の基調は因縁話である。
    実話系怪談にはよくわからない事に巻き込まれる話も多い。

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著者プロフィール

久田樹生 Tatsuki Hisada
1973年生まれ。実録怪異ルポ、映画、テレビ、ラジオなどのノベライズ、他にて活動中。代表作に『牛首村〈小説版〉』ほか東映「村」シリーズ、近刊共著に『「超」怖い話 卯』『職罪怪談』(以上、竹書房)などがある。

「2023年 『仙台怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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