眠り王子にキスを (SHYノベルス313)

著者 :
  • 大洋図書
4.08
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本棚登録 : 361
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784813012818

感想・レビュー・書評

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  • 受けさんの、痛くて、つらくて、さびしい世界を、年下攻めくんのあたたかさ、優しさで包み込んでぜんぶしあわせに変えちゃう、そんなお話でした。攻めくんのおおらかさ、でもそれだけじゃない、がっつり下心もあるとことか、ギュンギュンきました。
    攻めくんに会うたび好きだなあ、好きだなあ、ってときめいてる受けさんがすごくかわいくて、過去のトラウマを攻めくんと乗り越えて幸せになってほしいと心の底から思いました。
    作中、ぼろぼろの受けさんの手にクリーム塗り込めてあげるシーンがありますが、万事そんな感じで、攻めくんは受けさんのさびしさの特効薬でした。続きが読みたいなあ……
    つらい、痛いところのある話なんだけど、とても優しい文章で、見守るように書かれていて好きです。二度目の実家のシーン泣きました。受けさんにはずっと笑っていてほしい。

  • 月村さんらしいお話です。つらい過去を抱える主人公が恋を得て幸せになっていく話。自己評価の低い受けは月村さんの本領発揮ですが、最近はそうではない話が続いていたので却って新鮮でした。不幸な受けがだんだんと幸せになっていく話。読後感のよいお話でした。

  • 月村さんらしい良作。宮村と宮村母がすごくあたたかくて、宮村家一同と篤史さんが出会えて本当によかった。今までがしんどかった分、篤史さんには宮村と末長く幸せになってほしいと心から思います。

  • ★4・5
    漫画の方はコミカルだったから、堀さんがこんなに抱えてる人だったとは。後ろ向きでいじらしくてそんな我慢しなくていいのにって、なんかたまらない気持ちになりました;;宮村さんと恋人になれて本当に良かった!!宮村さんのお母さんにカミングアウトしたところはもうウルウル;;;;とっても素敵なお母さんでした。月村さんの書かれるこういうタイプの受けのお話絶品だな~。番外編漫画の赤ずきんちゃん可愛かったです。

  • おおぉ、良かったよ(T_T)漫画版に出てきたデリオーナーの堀さんのお話でしたけど、ほんと良かったよ(T_T)ゲイである事から過去傷ついて、一生恋はしないと決めていたのに、常連客で教室の生徒でもある宮村に恋するお話。堀さんが宮村にどんどん惹かれて行くのを抑えなくちゃってなってるのがほんとツラくて。そんな堀さんを優しく包む宮村は本当のイケメンだわ。宮村もお母さんも、周りの家族が本当温かくてじんわりしました。堀さんはこれからどんどん宮村に甘やかされていけばいいと思うよ!!!木下さんの挿絵も素敵だし、巻末の漫画がまた良かったです。ペーパー付

  • もうなんていうか、ふんわりした雰囲気なんだけど、篤史の薄い氷の膜に包まれているような心の傷や自分への嫌悪、宮村への恋心につきまとう後ろめたさ、個人として壁を作って自分を律する頑なさ。
    人との距離を掴めずに苦しむ姿が切なかった。

    宮村は真っ直ぐ篤史に向き合ってくれて、優しい強引さを持ち出してくれる。
    なんて素敵なんだ。

    自分に悲観的だけど、だからこそ一人で生きる術を持ちただ静かに時間が通り過ぎるのを待つ受け、強引に、でも真っ直ぐに心を開いて向かって受けを愛する攻め。
    やっぱりこの図式が好きだと改めてと思った一冊。

    宮村のお母さんが受け入れてくれた時には涙がでた。
    過程には辛い事もあったけど、暖かなハッピーエンド。
    読み終わって、ポッと心に火が灯るそんな柔らかい話でした。

  • ぼろぼろ泣きました。はー。月村さんの真骨頂というか。できる限り空気のように、自分の存在をひたすら消そうと生きてる人を書かせたら月村さんだなぁと思います。
    コラボ漫画はラブコメだった分こっちはセンシティブ全開でした。漫画では穏やかな優しい笑顔の良いお兄さんに見えた堀さんの真実。最後の一行がとても良かったです。タイトルはそういう事か。
    白和えの話、家族の暖かさに胸がつまったのかと思ってたら予想外の話で辛かったです。そうやって子供の頃からずーっと家族や周囲に刷り込まれてきた考え方を変えるのは難しいですよね。でも間違ってる。と正しい事を言うだけじゃ、ただ主人公が辛くなるだけなんだよなぁ。と宮村が実際にそう言った場面で思いました。違う家族の在り方もあるって経験で教えていくしかないんですよね。宮村に重い程愛されて少しずつ変わっていくといいなぁと思いました。20年でも30年でも。幸せになるといい。
    宮村母との場面は堀の心情を思うとかなり辛かったけど、本当に良かったです。泣きました。良かった。

  • 小説とコミックスのコラボ作。木下けい子センセの「いつも王子様が」にも登場する、デリのオーナーの恋物語です。
    ある理由から恋はしないと決めているデリのオーナーシェフの篤史。そんな彼の店に通ってくるリーマンの宮村。篤史は宮村と会えるのを密かに楽しみにしていたのですが、彼に料理を教えて欲しいと言われて。

    臆病で内向的だった篤史の封印していた恋心が、やさしくてポジティブな宮村によって目覚めていきます。
    それにしても、篤史はずっと周囲から傷付けられて生きてきたんだなぁと心が痛むとともに怒りを感じました。
    学校の先生が思いやりの欠片もなく、親もまた我が子を守らずに排除しようなんて鬼畜。弟も許せん。
    そのせいで、これ以上迷惑をかけまいと頑ななまでに恋を遠ざけている篤史が不憫です。
    そんな篤史の心をゆっくりじっくり、時間をかけて溶かしていく宮村の包容力の大きさ、そしてどんと構えて動じない男らしさに惚れました…!
    後ろ向きな篤史の言葉に、いつでもさりげない優しさを込めて答え返す宮村です。
    宮村だからこそ、というのが随所に滲み出ていてよかったです。できた男なのは、その生まれ育った家庭からも伝わってきました。宮村のお母さん、心の広い人でじーんとしてしまいました。

    篤史の臆病な気持ちが宮村の粘り強いやさしさで、どんどん溶かされていく様子がじっくり描かれています。恋する気持ちがリアルに伝わってくるんです。ストーリーに入り込んで思わず切なくなったり、ときめいたり。
    じんわりと心が温まるストーリーでした。

  • 堀さんがマンガとはちょっとイメージが違いました。しれっとした顔でこんなに後ろ向きだったとは。

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