- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784813316992
作品紹介・あらすじ
『葉隠』は、江戸・元禄時代を生きた佐賀藩の元御側役・山本常朝が隠棲中に口述し、後輩の田代陣基が筆録した語録、回想録である。「武士道の聖典」とされており、激烈な狂気を礼讃している一方で、きわめて常識的な処世の知恵をも教えている「人生の指南書」でもある。現代に活きる百四十篇を選び、テーマ別に整理した上で、現代語訳・注・原文の順に配列。
感想・レビュー・書評
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元御側役:山本常朝から聞いた話を19歳年下の元御側役:田代陣基が筆記した1343項目に及ぶ語録。
1711年~1717年程度の間の聞き書き。
1904年日露戦争から110年後が現在くらいだが、この語録は、関ヶ原の戦い1600年から110年後くらいの元禄時代に書かれている。武士が戦をする事がなくなって久しい時代の武士の心得。
「葉隠」は公然と教えられたことはなく、藩士が自発的に筆写して伝えられたという。
佐賀藩校・弘道館教授の古賀精里は以下のように評している。「葉隠の影響で藩士が儒学を軽視し、狂気に走るのは困ったものだが、軟弱となった時代に無気力な儒者に対する警告の書としてなら読んでも良かろう」
狂気な事ばかりではなく、普通の道徳的内容が多い。
現代人の感覚からすれば、付いていけない価値観もあるが、実はじっくりと味わえば今こそ光りだす内容である事が分かる。
現代人の感覚からすれば、付いていけない価値観もあるが、実はじっくりと味わえば今こそ光りだす内容である事が分かる。
鈴木大拙「無心ということ」などを先に読んだほうが良いと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
現代に通じるところも多く、面白かった。
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新渡戸稲造の「武士道」とあわせて読むと一層効果的。