- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784813802587
作品紹介・あらすじ
◎翻訳家・金原瑞人さん推薦
とても大切なもの、とても素敵なもの、ほかにはないもののことを、英語で、オンリーワン、といいます。
「みなさん、こんばんわん。月曜夜九時、『レディオ ワン』の時間です。」
思いがけず言葉を話せるようになった、いぬのジョン。
そんなジョンが、リスナーからのお便りを読んだり、曲をかけたり。
フリートークも「いぬの気もちがわかる」と大人気。
物語は、ジョンと「にんげんたち」とのエピソードを追いかけながら、大きく広がっていきます。
感想・レビュー・書評
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みなさん、こんばんわん。月曜夜9時。〈レディオ ワン〉の時間です。今夜も、ぼく、DJジョンがお送りします。
動物翻訳機を使って、本当の犬がラジオで喋る。びっくりだけど、微笑ましい。
「きみはきっと今、せかいには敵しかいないって思ってる。でもせかいの外には、必ずちがうせかいがある。だから、辛かったら外に出ればいい。でも、もし外に出ても、、辛くて、この世の人間のだれひとり、自分の味方なんかいないってそう思ったら、それでもだいじょうぶ。
ぼくたち(犬)が、いる。」
処分されそうになったことのある犬のジョン。
犬ならではの目線で、リスナーからのお手紙に答えながら、面白い小話をする。
散歩していた時、犬はそんなこと思ってたんだとはっとしたり、クスッと笑えたり、とにもかくにも、犬がさらに好きになる。
斉藤倫さんの本は、以前、『ポエトリー・ドッグス』を読んだ。犬がバーテンダーになり、お客に、その人に合った詩をプレゼントするお話。詩の理解がなかなか難しかった。その点、このお話は、一応児童書で読みやすい。やさしい文で書かれてはあるけれど、内容は深く、子供によりより大人に響きそうだ。
疲れた心にパッと花を咲かせてくれるような、とっても素敵な一冊でした。
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みなさんこんばんわん。
月曜夜九時、「レディオワン」の時間になりました。
お届けするのは、世界唯一の犬のDJ、DJジョンです。
すっかり春になりましたね。ぼくも飼い主と一緒に散歩に行ったときに…
リスナーも知らない、飼い主も知らない、ほんの一握りの人しか知らない極秘、犬を自称するDJジョンは、本当の本当に犬が動物翻訳機を使って喋っているのだ!
人間の視聴者から寄せられるお悩みや世間話に、犬のジョンは犬の気持ち、犬からの目線で語る。その声は、人々にしっかり届いているますよ。
「自分の周りが敵だらけだって思ったら、外に出ればいい。それでもこの世に誰も味方なんていなくても、それでも大丈夫、ぼくたちがいる。」
人間がどんなに苦しくなっても、人間だけではどうしようもなくなっても、この世には人間だけじゃない。誰かが寄り添ってくれる。
いぬには、愛しかないからね! -
言葉を話せるようになった犬のジョンが、月9のラジオのDJを務めるという楽しいお話、として幕を開けるのですが、回を重ね季節が巡るうちに、犬の本音、ジョンの身の上と名前の由来、ジョンを取り巻く人間たちのいろいろ…が見えてきます。
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言葉を話せる犬のジョンによるラジオ番組レディオワン。
リスナーからのお便りに答えつつ語るは犬の日常。ほんわかとしているけど、それだけじゃない。
心のどこかちくりとするような。それでも明日はいい日になるといいなと思える。そんなジョンのラジオ番組。 -
犬が主人公。
犬がDJをしているラジオ番組の話し。
何故、犬が喋れるのか⁈
一応理由があります。ちゃんと犬が喋ってる。
犬が喋っていることをリスナーは知らない。
リスナーもラジオ局の人間も飼い主も知らない。
知っているのは番組プロデューサーと、ディレクター、AD、限られた数人だけ。
DJジョンが話しているラジオ番組聴いてみたいー。
子供から大人まで楽しめる本です。
fmcocolo DJ野村雅夫さんオススメ本です。 -
面白くて、切なくて、愛に溢れて、ドキドキして、イッキに読んでしまいました。(飛ぶ教室の連載中も読んでたけど、また違う印象で…)
これは、ぜひとも中学生くらいの子たちに読んで欲しい。
きっと届くと思う。絶対に薦めたい!薦めます。
私が中学生だったら、これを読んでジョン・レノンってどんな人かな?とか、ライカ犬ってなんのこと?とか思ってさ、そうだな今どきの子はググるんだろうね、それもいいよね。そして保護犬について考えて、彼らにたどり着いたりするのかも。
「ひとは、だれかが、だいじなことをかくしてるってしったら、それをだめにしようとするんだよ。ひっぱりだして、いためつけて、なんの、かちもないものになるまで_。」
今の自分にぐっと沁みました。
ミツビ女子中のあの子、どうかあの女の子も、世界中のどうぶつたちも、神さまでも天使でもジョンでもいいから、誰かが見守っていてくれますように。。
きらきらホログラムの表紙は、ジョン・レノンの「LOVE」の前奏のピアノを思い出しました。
「いぬには、あいしかないよ」
倫さんは、どうしてそんなに、いぬの気もちが、わかるのですか。
素敵なお話しです✨ -
家族が借りてきたのをサクッと。
「いぬはね、いろいろ事情があるの」
「ほんとの誕生日なんて、わからない子のほうが、おおいんだよ」
犬は好きです。でも一緒に暮らすことは難しい。一緒に暮らせる人はワンコを幸せにして欲しい。
ほのぼの幸せそうに見えたとしても、悩みとか秘密は持ってる。主観はイメージに過ぎないということ、深追いすることなく伝えてくれてる。大人にもおすすめ。 -
本物の犬がDJのラジオ!
聞きたいなぁ、どんな声なんだろう。
ほのぼのと読み始めたのだけど、さすが斉藤倫さん、痛ましいこと、辛いことも逸らさず描かれている。
それを受け止める、犬のジョンや周囲の人々の温かさ。
ふかふかの毛布にくるまれて、だいじょうぶだよ、いっしょにいるよ、と言ってもらっているような気持ちになったし、私も誰か(人でも犬でもその他でも)をくるんでそう言いたくなるような作品だった。
装丁・挿絵もとても素敵。