地政学が最強の教養である “圧倒的教養”が身につく、たった1つの学問

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815617684

作品紹介・あらすじ

●地政学1つで、“圧倒的教養”が身につく
あらゆる教養の中で、地政学こそが「最強の教養」である――。
その威力は、一般に言われている「世界情勢がわかるようになる」だけにとどまらない。

「地政学が最強な理由」を挙げたらキリがないほどだが、その際たる例が「“圧倒的教養”が身につく」点だ。
経済学、哲学、歴史学、宗教学、文化人類学、政治学、地理学……。地政学にはあらゆる学問が詰まっている。地政学を学ぶということは、同時にそれらすべての学問の知見を一気に身につけるに等しいのだ。

いま世界のビジネスエリートたちが、こぞって地政学を学んでいる。
それはなぜか?
まさしく、「地政学が最強の教養である」ことに気付いているからだ。

日本、アメリカ、中国からロシア、アジア、中東、欧州まで。
基本も最新情報も、地政学を全網羅。

ビジネスエリートになるための入門書、登場!

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに手に取った田村さんの本。
    今はシンガポールの大学で、地政学を教えられていて、
    本家本元の地政学の本が出たので、読んでみました。

    以前は、こんな本が出ていて、
    当時はとても好きだったのを思い出しながら、読みました。

    ※君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4838724462#comment

    ※君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4806145734#comment

    地政学のアウトラインを知るには、結構参考になる本だと思いますし、
    レベル感も簡単すぎず、難しすぎずで、
    ビジネスマンが知っておくべきレベル感として
    ちょうどよい感じです。

    特に自分は、ランドパワーとかシーパワーとか
    地政学の言葉は聞いたことがありましたが、
    ちゃんと理解できていなかったので、
    この本を通じて理解することができて、有意義でした。

    所々に、どうでもよいと思われる著者の自慢が
    たまに本の中に出てくるのが不必要ですが、
    それでも役立つ情報源になり得る一冊かと思います。

  • 相手の立場で考えるということを、地政学やでも使える、むしろ必須ということが目から鱗だった。
    プーチンや習近平の立場で執務室にいるというロールプレイングをすると、意外にも彼らの焦りや恐怖、名誉心、攻められる前に攻めるという思考が分かるような気がする。
    もちろん正当化はしないが。

    中国と日本の位置関係を逆さから見た地図という図表8にも目をみはった。
    確かに中国から見た日本は、まさに中国の海洋進出をブロックする海上の万里の長城!邪魔に見えて仕方ない。そして尖閣諸島が、海上の万里の長城が途切れている場所というのも頷ける。
    逆にアメリカからすると、日本は中国の海洋進出を抑える防波堤に見えるのが面白い。

    世界史、地理、気象、国際関係、政治、経済など様々な部門の知識は地政学のためにあるかのよう。非常にためになり、知的好奇心をぐりぐりされた。

  • 【星:4.5】
    巷で「地政学」というワードをよく目にするようになったので、この本の前に何冊か基本書を読んだのだが、「結局地政学ってなに?」とうい感じが残ったままだった。

    この本を読んで、「なるほど地政学とはこういうものか」という輪郭が掴めた気がする。
    結局は、「地理的条件」を定数項として設定し、そこを起点として色々物事を考えていく学問ということなんだと思う。

    この本に書かれてはいないが、元の来寇を例にとると、日本が海という強固な防壁に守られているという地理的条件を起点に置けば、神風が吹かずとも日本が勝つ可能性は極めて高かったということが導ける。

    言われてみると当たり前なのだが、地理的条件ほど動かし難く、かつ様々なことに強い影響を及ぼす定数項はそうそうないだろう。

    この「地理的条件」という当たり前の定数項をしっかりと教えてくれたこの本は、結構な価値があると感じた。

  • ◆地政学を学ぶ意味
    ・視座を高くもてる
    ・国際情勢への解像度があがる
    ・未来予測の最高のツール
    ⇨ビジネスパーソンに必須である、相手の立場に立って考える力がつく


    ◆島国(日本、アメリカ) シーパワー
    ・島国は他国から攻められにくいが、兵糧攻めには弱い
    ・日本は明治時代他国の文化を積極的に取り入れた弱肉強食の資本主義社会時代があった!
    ・シンガポールは日本ビジネス(製造業の鍵)
    ・島国根性は日本の自然に恵まれた地理的環境が生み出したものであるが、昨今はパンデミックや人口減少、高齢化などから、強いリーダーシップや自分で道を切り開く力が求められる

    ◆リークワンユーから日本へメッセージ
    日本のリーダーは危機待ち
    優秀な人ほど、危機が来れば自分の番だと待っているが、波風を立てるのはきらい。
    課題も解決策もわかっているのに誰も行動を起こさない日本を変えないと、日本は終わる。

  • 東2法経図・6F開架:312.9A/Ta82c//K

  • キーワードは何といっても『騎馬民族』。ユーラシア大陸に座するランドパワー大国は、生粋の戦闘集団である騎馬民族から文明を破壊され、再発防止のためにも中央集権体制を敷く必要があった。それゆえに資本家が生まれず産業革命以降世界の潮流に乗り遅れた。

    国は引越しできないが、人は引越しできる。
    気候変動により、地理が変わらずとも環境が変化する可能性がある。
    唯一の普遍は変化するということ。
    リスクを考えるうえでも、世界のニュースを読み解く上でも非常に参考になった。

    その他、勉強になった点を下記の通り箇条書きしておく。

    ①海洋国家(シーパワー)や山脈などの自然防波堤がある場所(インド亜大陸、イタリア半島、イベリコ半島)は騎馬民族からの攻撃をうけていない。

    ②中国は一人っ子政策の影響で、子供を溺愛している。そのため戦争で死者を出そうもんなら暴動レベル。習近平は失敗できないため確信できるまで戦争には持ち込まない。

    ③台湾は崖がちなので攻めるのは大変。

    ④インドは戦後の印パ紛争で、ソ連に支援してもらったり、武器提供を受けているため、現在のウクライナ侵攻も批判してない。一方で、QUAD(アメリカ、オーストラリア、日本)に参加。バランスを取った非同盟国のポリシー。

    ⑤イスラエルは古代パレスチナの地に国があったが、エジプトに逃れた。奴隷にされたため再度元の場所に戻ったが、内紛し二つの国に分裂(イスラエル国、ユダ王国)し共に滅ぼされた。

    ⑥日本は自然が多い。山が多く雨が多い。

    ⑦中国が南シナ海が欲しい理由、抑止力として原子力潜水艦を移動させられる深い海が欲しい。また、資源、漁獲量も豊富。またシーパワーとして打って出る際に日本が防波堤となっており、台湾海峡を通りたい。

    ⑧北極海ルートで釧路が栄える可能性。そのためロシアは北方領土を返したくない。中国、ロシアが津軽海峡を通るのもそのため。

    ⑨北極、南極の氷が溶けると、NY,LA,リオ、東名阪、その他の沿岸都市が沈むため、内陸高地が栄えてくる。氷海とともに凍っていたウイルスが溶け出す可能性も。

    ⑩中国、ロシアといったランドパワー大国は、国境を接する国が多く、恐怖が多い。そのため領地拡大する。そうすると多くの少数民族を抱えることになり、抑圧するための治安維持費もかかる。

    11.中国はステップ気候で乾燥がち。植物が育たない。騎馬民族的な移動式生活スタイル。
    ロシアは領土の6割が永久凍土で、人が住んでいるのは2割の部分。

  • いま読むべき

  • 地政学とは?という疑問に対して、定義、学ぶ意義、現状などの説明によって的確に答えてくれた本だったと思う。
    日々のニュースを見るときの解像度が変わった。

    それにしても、内容がしっかりしているだけにあまりに俗っぽいタイトルだと思っていたら、出版社に任せたと記述があり納得した。

  • 地政学について勉強したいと思いつつ、なかなかできていなかった。ようやく読んだ一冊。
    明快に、ポイントを絞って解説されていて読みやすく、また面白かった。
    それぞれの国の立場に立って状況を捉えてみる必要がある(ロールプレイ的な視点)というのは新鮮で学びがあった。
    より深く理解するためには、各国の歴史や教育、文化などについてさらに学びを深める必要があると感じた。

  • 分かりやすくて面白い。わりと初級な本だった。
    小説以外を読もうと思ったらこれから初めても良い。ランドパワーとシーパワーは興味深い。
    こういう知識は定期的に更新しようと思った。

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著者プロフィール

田村耕太郎(たむら・こうたろう)

国立シンガポール大学リークワンユー公共政策大学院 兼任教授
米ミルケン・インスティテュート フェロー/一橋大学ビジネススクール 非常勤講師

早稲田大学卒業後、慶応大学大学院(MBA)、デューク大学法律大学院、イェール大学大学院各修了。オックスフォード大学AMPおよび東京大学EMP修了。

証券会社社員、新聞社社長を経て、2002年に政界入り。10年まで参議院議員。第一次安倍政権で内閣府大臣政務官を務めた。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。

その後、イェール大学研究員、ハーバード大学研究員、世界で最も多くのノーベル賞受賞者(29名)を輩出したシンクタンク「ランド研究所」で唯一の日本人研究員を歴任。他、米国、シンガポール、イスラエル、アフリカのベンチャーキャピタルのリミテッド・パートナーを務める。

「2023年 『地政学が最強の教養である』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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