その「一言」が子どもの脳をダメにする (SB新書 633)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815622350

作品紹介・あらすじ

脳科学×心理学×教育学でわかった認知力、自律力、思考力を奪う言葉、伸ばす言葉25子どもの脳を伸ばす科学的に正しい言葉がけ「もっとしっかりしなさい」「あなたのためを思って言ってるんだから」「大丈夫だよ」「頑張って偉いね」――いずれも、親が我が子につい言ってしまいがちな言葉である。しかし、このような、親が良かれと思って発した「一言」が子どもの脳に深刻な悪影響を与えてしまう。子どもの認知力、自律力、思考力を伸ばすために親がすべき、正しい言葉がけとは?

感想・レビュー・書評

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  • 子どもに対する一言一言がとても重要な意味を持つ。
    親が子供を育てるなんていうのはおこがましい話で、親も子どもに成長させてもらっているのだ。
    子どもでも1人の人間として接していくことで自立し、自分で考えられるようになっていく。
    親が子どもの成長する環境を作ってあげることが大切である。
    考えさせられる一冊でした。

  •  児童の悪いところをつい注意してしまう癖を、改善したいと思い、この本を手にしました。

     著者の豊富な経験をもとに、科学的根拠も分かりやすく書かれているので、納得することが多かったです。悪い言い方とよい言い方を挙げ、それにまつわるエピソードにそって書かれてあるので、すっと頭に入ってきました。
     また、2人の素晴らしい人間性が本から推察できたので、より共感できました。
     子どもを「信じる」ことの大切さを、改めて認識できました。

     【心に留めておきたいことば】
    ・子育てとは、「心配100%/信頼0%」の子どもを、日々の家庭生活の中でコミュニケーションを取りながら成長させ、「心配0%/信頼100%」の状態にして社会に送り出すこと
    ・大人は子どもより「一枚上手」の「知恵者」になる
    ・子どもが不安になっているときには「オウム返し」
    ・子どもに話せる自分自身の経験(フィクションでもよい)をストックする

     【覚えておきたい知識】
     子どもの脳は、生まれてから3つのステップを経て、大人の脳へと育っていく。
     〈ステップ1〉(0歳から5歳ぐらいまでの間に育つ)
     からだの脳(間脳・脳幹)
     呼吸、寝る、食べるなどの生命維持装置を働かせる。
     「からだの脳」を育てるためには、太陽のリズムに従って規則正しく生活し、十分に睡眠を取ることが最も重要である。0歳から5歳ぐらいまでの間に育つ。
     
     〈ステップ2〉(6歳から14歳を中核に育つ)
     おりこうさんの脳(大脳新皮質)
     言語機能、知能を発達させる。
     「おりこうさんの脳」を育てるためには、学校での学習や運動はもちろんのこと、そのほか様々な経験をして、脳にたくさんの知識・情報を入れていくことが大切。
     
     〈ステップ3〉(10歳から18歳に最も盛んに育つ)
     こころの脳(大脳新皮質の一部である前頭葉と間脳・脳幹をつなぐ神経回路)
     問題解決能力や想像力など高度な機能をつかさどる。
     前頭葉は、「おりこうさんの脳」にある情報の中から不要なものを刈り込んで、必要なものを速く処理できるようにするための太い神経回路を築いていく。つまり、「おりこうさんの脳」に、質のいい刺激を多く与え続けることが「こころの脳」育てに役立つ。 

  • 子どもを信頼する。
    子どもに自信を持たせる。
    子どもに失敗から学んでもらう。
    そんな言葉がけが必要。

    子どもの自主性とかやる気とか、モチベーションを上げて色んなことに挑戦する手助けが出来るように努力したい。

  • 色々と勉強になりました。
    私は日頃ぐちぐち小言を言いすぎていたことを反省。もしかして、私は毎日に子どもの脳にストレスを与え続けていたのかもしれない。
    子どもを『心配0%、信頼100%』で育て上げるのは程遠い未来だ。。。でもこの本を読んだことで不安なことがあっても信頼100%になるための過程だ!!と思えるかもしれない。

  • 教育者必読の一冊。
    教育学部の学生は読んだ方が良い。
    保護者にもかい摘んで情報を伝えたい。

  • 脳科学✖️心理学✖️教育学の3つの視点で書かれた教育本。
    子育てのあるあるシーンで、言っちゃいがちなワードを言っちゃ駄目だよ。と脅される感じの表紙が目にとまり、購入。

    言葉がけはフルセンテンスで具体的に。ポジティブワード、認知。内容自体に目新しさは無いがこの手の本を読んで考える機会にはなる。とはいえ、その感情もいつも一時的になってしまう私にはこの本も子育てを変えるほどのインパクトはなかった。

    後は、筆者のところに来るカウンセリングの対象者をケースに出している事が多いが、ちょっと特殊?全ての子供に当てはまるのかハテナだなと思った。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000067036

  • 納得できる部分もあるが、古い考えもちらほらあった。今時の学校教育は昔と違う。
    あと、子供はそんなに単純な生き物でもなく、そんな理想的な効果は出ないのが目に見えてる。著者は子育てをしたことがないのかもしれない。
    同意できる部分もあるのでメモして売る。

    ・ネガティブな言葉、否定的な言葉ばかり言うのはダメ
    …脳は繰り返し入ってきた刺激を重要なものと認識し、その神経回路を太くする

    ・セロトニントランスポーターが少ないと神経質でイライラしやすい性格になる。遺伝的なもの。
    まずは規則正しい生活で、朝しっかり起きて朝日を浴びると良い。家では基本的な生活リズムを体に染み込ませる。

    ・脳は育てる順番がある。
    〜5歳は英才教育よりも、規則正しい生活で健康な体を作る。
    6〜14歳は言語機能や手足の細かい作業。知識や情報のインプット。
    10〜18歳は上記2つを繋ぐ神経回路。周囲の状況を判断する力や論理的な判断をするのに必要。質のいい刺激を与えると良い。

    ・子供を信じる、認めることで子供の自信につながる。自信を持つと些細な悪いことを、大丈夫と思えるようになる。

    ・小学生に「ちゃんと」「しっかり」「きちんと」というあいまいな表現は判断できない。「ちゃんと片付けなさい」ではなく「本棚に片付けなさい」とわかりやすく伝える。子供が自分なりに「ちゃんと」片付けている≠親が見てちゃんと片付いている、とは限らず、叱ってしまうから。そうなると、子供から見ると理不尽に怒られたように感じる。

    ・ゲームやYouTubeに夢中になっていても、くだらないと否定しない。同じものに興味を持ってみる。子供はそんな大人を歓迎する。
    子供の好きなものを否定せず、コミュニケーションのきっかけにする。
    子供の好きを認めつつ、良い方向(面白い動画だけど、もう寝る時間だよ、と時間を守らせるなど)に導く。子供は認められることで親を信頼できるようになる。

    ・子供が落ち込んでいるときは共感、傾聴する。雑な「大丈夫」は要らない。
    自分で次はどうすれば失敗しないかを考えて学ぶチャンス。

    ・家庭は子供を評価する場ではない。成長を喜び、認める場。
    そうすることで子供は不安を感じにくくなる。

    ・意見やアドバイスを差し挟まず、子供の話を傾聴する。オウム返しで相づちを打って、感情を吐き出させる。あなたにも悪いところがあるんじゃない?という否定はダメ。吐き出させて自分で気づかせる。

    ・子供に「好き」なことをたくさん持ってもらう。それが自分の今や将来を支えてくれる。人生を豊かにしてくれる。

  • 「デジタルネイティブである子どもたちは、それなりのITリテラシーを持ってメディアに接しています。」には共感できなかった。実際にネットで知り合った他人に会いに行ってしまうケースがあった。子どもの実態をよく把握して、適切にネットの世界へ踏み出して行けるようなサポートは必須だと思う。

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著者プロフィール

成田奈緒子(なりた・なおこ)

発達脳科学者。小児科医・医学博士。公認心理師。子育て科学アクシス代表・文教大学教育学部教授。
1987年神戸大学卒業後、米国セントルイスワシントン大学医学部や筑波大学基礎医学系で分子生物学・発生学・解剖学・脳科学の研究を行う。2005年より現職。臨床医、研究者としての活動も続けながら、医療、心理、教育、福祉を融合した新しい子育て理論を展開している。著書に『「発達障害」と間違われる子どもたち』(青春出版社)、『高学歴親という病』(講談社)、『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』(共著、講談社)、『子どもにいいこと大全』(主婦の友社)など多数。

「2023年 『改訂新装版 子どもの脳を発達させるペアレンティング・トレーニング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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