贈り物の心理学

著者 :
  • 名古屋大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815804718

作品紹介・あらすじ

日常生活の場面から神話や昔話の贈り物まで、さらには精神療法の過程で交わされるプレゼントから「命の贈り物」と呼ばれる臓器移植まで、人間社会のさまざまな局面で登場する贈り物の意味について幅広く考察を加え、その背後に働く心の世界を解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 臨床における贈り物を考えるときの基本の書。贈り物の歴史や文化的背景、その意味など、広範な先行研究を整理し、概観する。自身の経験やスタンスも書かれており興味深い(ちなみに成田先生は全部受け取り派だそう)。
    臓器移植を贈り物と捉え一章を割いているのが興味深い。いわれてみれば確かにそうなのだが、そんな風に捉えていなかった。そしてこの分野にも心理臨床は必要だと思わされた。

  • 臨床現場では贈り物はよく登場するものであり、その意味する心理的な意味は多義的なものであるが、意外と精神療法に関する文献では少ないそうだ。そのことを含めて、ギリシャ神話からの贈り物の意味や、著者の専門とする精神分析、特にフロイトがどのように向き合っていたのかを文献的考察を行い、著者の自験例、特に境界例との関わりや腎移植を始めとする臓器移植での贈り物としての意味について考察されている。著者は精神療法の書物が多いが、一つのテーマで掘り下げているものとしては著者の別側面を見る事もでき興味深いものであった。

  • 2-3月
    請求記号:140/Na 図書ID:00168985

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著者プロフィール

名古屋大学医学部卒業。
現職: 成田心理療法研究室室長。日本精神分析学会認定精神療法医スーパーバイザー。

著書に『青年期境界例』『精神療法家の仕事』(金剛出版)、『精神療法を学ぶ』(中山書店)、『精神療法家の本棚』(みすず書房) など。

「2023年 『寄り添うことのむずかしさ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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