- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784815810351
作品紹介・あらすじ
世界政治の焦点――。強勢外交と権威主義政治は切り離せない。グローバル大国化した中国の内政と外交を同時にとらえ、国家資本主義から「周縁」問題まで、両者のネクサスに照準を合わせつつ、革命後の70年をふまえて現在の姿を浮き彫りにした、第一人者によるエッセンシャルな一冊。
感想・レビュー・書評
-
毛里和子さんという中国研究者の集大成のような本。内政や外交といった切り分けをせずに丸ごと中国を分析する。
東洋学から始まる日本の中国研究の評価、政策決定過程について特に天安門事件の新旧資料を踏まえた検証、対外政策や強勢外交、国家性問題として香港、台湾、新疆、チベットの考察など。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【読み終わって感じたこと】
論文執筆のために読み始めたが、非常にわかりやすく興味深い内容だった。今後、中国はますます台湾・香港・チベット・新疆ウイグル自治区などの領土問題に悩まされるようになるだろう。それらの問題に対する姿勢を、中国は今一度考え直すべきなのではないかと思った。
【印象に残った内容】
中国は基本的に対立する国に対して過激な発言をしているが、実際の行動は冷静である。その建前と本音を見分ける必要があるということを知って難しいなと思った。中国の根底の目的は「自国権威の安定・維持」であることを念頭に置かなければならない。
【こういう人におすすめ】
・中国の内政・外交について知りたい人
・中国が抱える領土問題について興味がある人 -
著者の今更の教科書的概説書ではなく、幅広いテーマの中から個別の着眼点に絞った、という感じの本。序章にある、スハルト期ゴルカルと中国共産党の類似性はなるほどと思う。
他の指摘として、党・国家・軍の「三位一体体制」の一方、党のエリート化。「中国的国家資本主義」。国際認識、中国中心の空間認識などにおいて現代の中国外交は「中国的」。朝鮮戦争から中越戦争まで、国境を越えた軍事行動は外交・政治の延長。21世紀のグローバル大国化と「強勢外交」、アフリカへの進出、エネルギー企業や軍需企業という新たなアクター。チベット・新疆・台湾・香港の問題。 -
東2法経図・6F開架:312.22A/Mo45g//K