- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784816709111
感想・レビュー・書評
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借りたもの。
お孫さんであるまさきさん(まーくん)の視点から、祖母・みつえさんとの交流と長崎の街の人々の面影をみる。
4コマならぬ3コマ漫画。
それは著者の母と息子の関係とはまた一味違ったものだった。老いで身体が思うように動かなくなりつつある姿をゲームコントローラーで動かすロボットに例えたりと、コミカルさは少年らしい視点。
みつえさんの中でまーくんは、小学生くらいのままだった。祖父母と孫の関係というものは、そういったものなのだろう。
成人したまさきさんの顔は四コマの欄外にあり、またみつえさんは認知症が進み、夢うつつの中にいる状態が多かったためか……
描かれたケアマネージャーさんの、みつえさんが正面から顔を捉えられる姿勢をとっている姿に『ユマニチュード入門』( https://booklog.jp/item/1/4260020285 )、『家族のためのユマニチュード』( https://booklog.jp/item/16/29287936 )を思い出す。
みつえさんが認知症を発症する前、認知症になって老人ホームに入っている友人のお見舞いに同行するまーくん。
そのみつえさんが、同じく老人ホームに入っている。
老いの中で「今」が次第に失われ、過去と現在が去来し、過去(戦時中)の強い思いが残る。世代的にもどうしても戦時下の記憶が、亡霊のように出てくる。不本意に目の前で失われた、身近な人たちの姿……
ランターン・フェスティバルは春節を祝うものだが、盂蘭盆を想起させ、幻想的な雰囲気に、死者の魂に失われた記憶や想いが再び戻ってくるようだった。 -
胡蝶の夢のような読後感。みつえばあちゃんの夢であったとしても、幸せな夢ならそれでいい。
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「ペコロスの母に会いに行く」「ペコロスの母の玉手箱」に続くみつえさんの三冊目。
今回は孫のまーくんとのお話。
母と子の関係ではないので、前二作よりも感情移入がしづらくなったのは少し残念。
それでも、最後には泣かされる。
歳を取るということは、一体どういうことなのか。
生きるということは、一体どういうことなのか。
人間とは、人と人の繋がりとは、一体どういうことなのか。
僕の父も今、認知症と戦っている。 -
なんだかファンタジーな感じさえする まーくんとみつえばあちゃんとのお話
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ペコロスの母みつえさんと、孫のまーくんとの大切な時間。
夢と現実とを行ったり来たりしているみつえさんの記憶。じいちゃん、まーくん、お友だちのみどりさん、まーくんの好きなちーこちゃん。
お父さんのペコロスはあまり出てこなかったけど、こんまか頃のまーくんの目線で描かれた話が、懐かしくて嬉しくて時々泣けてくる。 -
ばあちゃんの話は現実と夢が交互に行き交う。
まるで時空を旅する絵本のようだ。
「老いは失うばかりではなく、得るものもまた多い」と、
人生の先輩に気づかされる。