シーナの夢 若松,博多,東京,HAPPY HOUSE

  • 西日本新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784816709234

作品紹介・あらすじ

1978年結成のロックバンド、「シーナ&ロケッツ」ボーカルであり、ギタリスト鮎川誠の妻でもあるシーナが2015年2月14日、この世を去った。
 2015年3月、悲しみ冷めやらぬ四十九日に、福岡県北九州市若松のシーナの実家でロングインタビューが行われた。鮎川が旧友たちだけに語ったのは、亡き妻シーナへのあふれるほどの愛の言葉。
 『偉大なロックの師匠ちいうか、同志ちいうか。ロックの心をほんとに教えてくれたのが、一番身近におる、シーナやったんよ─』
『「私も自分の歌ったレコードを、自分で聴いてみたい」っち、シーナが、ぽつりと言うたんよ。その言葉にね、俺、すごい素敵な夢もろたんよ』
 地元かつ旧友相手のインタビュー。だから、素の表現満載。地元出版社だからこそ、あの鮎川弁がそのまま活字に!ファン垂涎!待望の書籍化。

感想・レビュー・書評

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  • シーナ&ロケッツのシーナさんが亡くなって、旦那の鮎川誠へ、シーナさんとの思い出をインタビューした本。

    鮎川誠のロック人生は、シーナとの人生であり、ロックへの愛情=シーナへの愛情なのだと思う。インタビューは「ロック」「シーナ」という言葉で溢れかえっている。
    鮎川誠のしゃべる久留米弁が、その愛をピュアな形で表現する。

    子どもができ、結婚し、シーナの実家にやっかいになる中、シーナのお父さんに、東京に出て試してこい。と言われる。
    普通は、娘が職業=ロックンローラーなんて旦那連れて来たら、勘当ものだと思うけど、シーナのお父さんは器がでかい。
    孫たちの面倒みてるから、ロックで自分を試してこいと娘の旦那を送り出す。お父さん、相当痺れます。

    以前、テレビでCharと鮎川誠がギターでセッションしている番組を見たが、大御所の二人(鮎川とChar)は少年のように楽しそうにギターを弾いている。ギターが好きでロックが好きで、いつまでも演奏をしていられる。
    そんな人なんだなと思った。

    ロックを本当に好きで、一番好きな人とバンドをやる。
    こんな幸せなことはなかったのだろうな。

    そして、ロックの中には目に見えないなにかがある、ロックにシーナを感じるという話をすっとできる鮎川誠もかっこいい。

  • その昔、大みそかにやっていた今は亡き内田裕也プロデュースのニューイヤーロックフェスに毎年のように行っていて、毎年出演していたシナロケの「Happy House」や「レモンティー」を聴いて飛び跳ねていたころを思い出しました。僕らロック好き男子たちはギターをビンビンに弾きまくる鮎川誠にしびれていたけど、その一方で確かに多くはなかったロック女子たちはエネルギッシュにシャウトするシーナのことをキラキラした目で見ていたんだろうな思う。
    地元福岡の親しいインタヴュアーだからこそ、さらけ出したロック、家族、仲間、福岡、若松への想い、シーナと二人だからこそ作れた世界。飾りのない生の言葉にグッときます。
    シーナはいなくなったけど、「心の中にはまだ生きている」とシーナのためにもシナロケの活動を止めないことを決意した鮎川さんは本当にカッコいいです。
    読んだら、久々にシナロケの曲を聴きたくなりました。

  • あれから2年が経つんだ。今でも信じられないんだよね、シーナが
    亡くなったなんてさ。日本を代表するロック・バンドであるシーナ&
    ロケッツのボーカリスト、シーナの訃報にはしばらく固まっていた
    もの。

    思い返せば前年2014年9月の日比谷野外音楽堂のライブに行った
    のが、シーナを見た最後だった。あの時もシーナはキラキラ輝いて
    いたのに。

    本書はシーナの四十九日の法要の為に、夫でありギタリストである
    鮎川誠氏が彼女の実家である福岡県北九州市若松を訪れた際に
    行われたロング・インタビューをメインにまとめた作品だ。

    なんだろう、この溢れるほどの愛。仕事でも私生活でも最高のパー
    トナーであったシーナを失ったことの喪失感は途轍もなく大きかった
    と思う。喪失感が大きいのに比例するように、シーナへの、ロックへ
    の愛が「これでもかっ」って溢れている。

    ずっとずっと、シーナは「格好いい女」として私の憧れだったし、
    鮎川さんとふたりでいる姿はとっても素敵なご夫婦で、理想だった。

    上京前、シーナの実家で暮らしていた時の話とか、シーナのお父様
    が「東京へ行って来い」って背中を押してくれた話とか、実家にいる
    頃にシーナと一緒に散歩をした町の風景とか、貴重な話ばかり。

    「偉大なロックの師匠ちいうか、同志ちいうか。ロックの心をほんとに
    教えてくれたのが、一番身近におる、シーナやったんよ─」

    鮎川さんの筑後弁がそのまま文字になっているので、文章は鮎川さん
    の声で脳内再生されたわ。

    代表曲でもある「You May Dream」を歌う時、「みんなも夢を持ち続け
    て」みたいなことを言っていたシーナ。私が行けなかったライブでは
    「私の夢はこのバンドでずっと歌い続けることです」なんて言ってたの
    だね。

    「シーナ&ロケッツというバンドは、「シーナとロケッツ」ちいう、そういう
    関係ではないんです。「シーナ&ロケッツ」ちいう、一つの素敵なロックン
    ロールバンドの名前だから、シーナがいなくなっても、シーナはいるんで
    す」

    ステージ上にもうシーナはいないけれど、鮎川さんはじめメンバーと
    ファンの心の中にはずっとシーナはいるんだ。

    そうさ、またライブに行かなくちゃ。シーナ&ロケッツのライブにね。
    大好きだよ、シーナッ!

  • 家族に勧められて読んだ。シーナが亡くなったことも知らなかったが、その四十九日の法要時に、近しい人たちが鮎川誠にインタビューした内容が一部始終収められている。最愛の人を亡くした悲しみと感謝の気持ちが、心の底から素直な言葉で綴られている。シーナ&ロケットおよび鮎川誠のファンにとってはたまらない本だろう。

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著者プロフィール

1978年結成のロックバンド、「シーナ&ロケッツ」のボーカル兼ギタリスト

「2016年 『シーナの夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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