作品紹介・あらすじ
2007年度版を見直し、さらに充実。とくに、ヒューマンエラーに関する事例や製造現場以外の事例を紹介している。
感想・レビュー・書評
絞り込み
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会社の研修読本。製造管理の人達は使えるんだろうな。
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なぜなぜ分析をするときの定石10件について(タイトル通り)。
原則は少ないのだけど、なぜなぜ分析そのものが、実践・定着の難しいプラクティスなので、読んだあとが大変なのは変わりない。
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タイトルは少々チープではあるが、内容は意外に良いと思った。課題に対して再発防止策を見つける為の著者のノウハウが凝縮された一冊だと思った。分析に入る前段で、問題とすべき課題を抽出して、モノゴトの見極め・絞り込みをし、分析対象事象の表現に気をつた上で原因追究すべき対象を把握し、前提事項を明確にしてから「なぜなぜ分析」に入りなさい、という。これは以前読んだ「イシューからはじめよ」にも通じる話でまさにその通りだと思う。そして、やっと「なぜなぜ」の10則を踏まえた分析に入る。薄めの本だか内容はなかなか奥深い。欲を言えば、現実に起こった実例のプロセスを含めた分析事例あると良いと思った。
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仕事で勉強しなければならなくなったので、研修用テキストをちゃんとまとめてみる。
著者は製造部門を主に技術的および構造的な問題解決を担当してきたコンサル。
言葉だけでは難しい説明を系統図を用いることによって、顧客に理解してもらった経験からスタートしたなぜなぜ分析。
■なぜを5回繰り返す理由
⇒多くの企業が5回のなぜを繰り返す事を標準にしているが、どのテキストにもなぜ5回なのか、という論理的な説明がなかったという。そのため、5回にこだわり過ぎて、本来の目的を見失っている会社が多い。
⇒著者の経験談だが、車などの製造関係で、5回繰り返すつもりで分析せよ、という精神論から一人歩きしたと推測
■なぜなぜ分析の進め方
①課題の抽出
トラブルの課題は1つではない。「起こしてはいけない」「起こしてもすぐ対応できる」ものは何か、職務から考える。
→さらに、自分の責任範囲に基づいてしぼる
②課題を見極めて、絞りこむ
そもそも課題が沢山あり、系統がバラバラの場合、まとめられず、なぜなぜが空中分解する。
→目の前のひとつに絞って取り組む
③事象の表現に気を付ける
分析はだいたいトラブルがおさまってから。
熱が冷めてから思い出すので、当時の情景がわからなくなったり忘れたりする。
→◯◯ミス、◯◯不良、といったふわっとした書き方はNG。定量的に。
→◯◯し忘れた、は裏とりしているか?先入観で書いていないか?できるだけ発生地点は絞った状態で、5W1Hのどのポイントかも絞る。
④原因追求すべき対象を把握する
→分析するために、配置、時間、発生時の条件、人数等、前提情報が必要だが、作業内容や構造を把握していなければそもそも深掘りできない
・順序、業務プロセス
・発生までの時系列
・図で表す
・動きに影響する条件
・部品の構造
・人の役割(作業者、監督、管理者の役割)
⑤不具合となる要件外のものを把握する
→間違っていなかったからといって、分かりやすかったかは別
■なぜなぜ分析の分析と検証の実施
①動作、事象はワンカットにする。
だらだら長い一文にせず、起こった事象を書く。
「~ので」「~から」の文は次の「なぜ」の分類に入れる
②なぜ1は発生部位(形態)に着目する。
発生部位に絞ってじっくり考える。
最初のなぜを①で切り出す
→発生源、発生箇所がはっきりしない場合、事象の動詞に着目
EX.
③なぜ、が逆に読み返せるくらいつながってるか
A製品が割れていた ---トラックで運んだから(非論理的)
∟トラック輸送中に割れた(○)
⇒説明が端折られていることに気づきやすい。話が飛躍していることがないかチェックできる
④なぜが発生しなかったら、前のなぜは起こらなかったか考える。
1つ目のなぜは事実
⇒以降は推測
⇒ただし、もれなく挙げるには、技能や知識が不可欠。
⇒ベテランがメンバーに必要
⇒ベテランに確認してもらうこと、説明してもらうことで、周囲に技能伝承される。
⑤分析ねらいをふまえた「なぜ」を展開する。
なぜの原因に「作業者が新人だった」はNG。ただの言い訳。
⇒作業者が見間違えた、などが正解。なぜに書くことは「改めるモノゴト」でなければならない
⑥誰もが同じイメージできる「なぜ」を表現する。
「~が悪い」「~不十分」⇒ ~の何が悪かったのか?
「しなかった」のか、「できなかった」のか「しづらかった」のか、人間の行動面の不具合を表現する言い回しを正しく使う。
人間は機械ではないため、ミスは起こりうる。再発防止策が大事であり、責任追及は含まれない。原因追及に全員の考えを切り替える。
※個人的にはそんな理屈言われても、自分のミスで職場に迷惑をかけたって自分を責めてしまったり、後悔する感情もあるので、そのフォローも皆に浸透させてほしい。
⑦形容詞を使う場合は比較対象を明確にする。
○○が少なかった、××が大きかった ⇒ 何と比べて?
iso9001の取得に乗り出す企業が増えた
⇒審査員の言われるがままに現状の状況を省みずルールを策定。
⇒ルールだけ押し付けて、根拠を教えずにISOに取り組ませた結果、実行できないルールが多すぎて守れない。
挙句の果てにルールがあるから何事も変更できない、という社員や、ルールがないからやらない、という社員も増えた。
ルールとは、時の流れに応じて変えなければならない。
ルールの根拠を知らない、または教えない状態でルールありきで仕事を進めていくと、会社の対応力が鈍化してしまう。いざという事態に変化についていけない。
ルールが間違っていることもあるという意識も必要。
⑧個人的な話(臨床心理面)にはふみこまない
作業者がぼーっとしていた、落ち込んでいた
⇒個人的な要因であり、それはカウンセリングの範囲で、全員の役に立つ再発防止策にはなりえない。
⇒上記の場合は上司と一対一で会話をし、プライバシーに配慮する
ヒューマンエラーは分類すると、やるべきことをやっていなかったか、やったが間違っていたの二択である。
職場に長くいると体が覚えてしまうため、そのリスクに気づかない。
⇒ヒューマンエラーは複数人が関係することも少なくない。
○指示内容、判断内容、伝達手段、入手情報内容
⇒日本語そのものがあいまいな表現が多く、リスクも高い、根の深い問題。
EX.見落とすと見逃すの違い →ミスの内容としては同じ
⇒日本語があいまいだからこそ、仕事の役割分担や伝え方を直しておく必要がある。
⇒書かれたその動作をやってみて、確認しながら進めていく必要がある。
※Aさんがファイル名を言い間違えたのか、Bさんがファイル名を聞き間違えたのか、
そんな詳細な記憶残ってる??もう判断が付かないのでは???
⑨再発防止策を見いだせるところまで繰り返す。
再発防止策は「暫定処置ではないもの」
→事故を発生させないもの、発生しても最小限でリカバリ可能なもの
EX.商品が届かない → 再送する(暫定)
→ なぜ届かなかったか検証する(再発防止策)
⑧であるように、自分で実施することが大事。
改善を実施していない人たちは、考えるのは容易だが、実行、維持していくのは難しい方向に持っていきたがる。
他社、他部所が関係する場合は、いきなり、分析・改善依頼を要請するのは難しい。→管理者や統括者の出番!
⑩現場・現物で検証する
現場で発生した出来事に、そんなことあるわけない!と確認せずに判定してしまう人たち
→わかっているつもりのベテランに多い
ハード面設備が関係する場合は数字でとらえることが大事
○観察、聞き取り、分解、計測、再現実験を正確に
→必要性、効果、コスト、難易度でマネージャーが判断する
■職場の基盤を整えるために
・なぜなぜ分析は、なるべく様々な人たちが取り組みやすくするために、難解なルールや複雑なフォーマットは用意しないこと
→使用するのも、実践するのも当事者たちであるのに、難解なやり方を押し付けて拒否反応を起こされれば、現場の正確な情報や意見を入手しづらくなってしまう。
・すぐれた論理力だけではできず、「観察力」を向上させることが必要である。
・観察力と論理力をしっかり身に着けると、直観力が研ぎ澄まされてくる。
※パワーポイント上に文字びっしりの説明や、PCの画面上に表示しきれないくらいの横長フォーマット。
さらには分析に必要なんだろうが作業自体には全く不要な複雑なチェック資料の提出と期限。そのくせ自分達で設定したルールを理解してない下の人間がチェックやるもんだから、これって何を見てるんですかと逆に聞いてくるお粗末さ。。。
PMOが押し付けてくるルールが作業者の負担になっていることに作業者以外はなぜ気づかないんだろうと思ってる。
無駄にチェックリストや報告書を求めるより、フロアに来て作業内容を自分でやってみろと言いたい気持ちがすごく分かる!ここで愚痴っても仕方がないんだけどさ。
コンビニの店長が、本社の人間は、お客様の為になるから、の一言で無理難題を現場に押し付けて、とうとう反旗を翻させられたというニュースを見て、本社配属にはコンビニかグループ系列会社でバイト経験があることをルール化すればいいのにな。と思ったり。
現場の経験がある上の人って本当に貴重。
たたき上げの役員がいてくれた時は本当に現場の意見が通りやすくてよかった。。。
初代はいつだって一から実践してきたパイオニア。だけど、店の後継ぎ二代目三代目とかはその経験があるかないかで店の今後の質が変わってくるんじゃないかなと思う。
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なぜの分析には分析する事象の表現の仕方が最も大切
なぜを鍛えて、どうなるの思考を養うことがその後の気づきや直感につながる
なぜを分析するのは、起こさないための原因究明と再発防止、また起きたときの迅速対応という使命を念頭におくこと
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改善の手法の1つ「なぜなぜ分析」の解説書
よくわからなかった。言葉の定義でだれでもできるわけではなさそうなのが辛らそう。
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これを読んだだけでは、なぜなぜ分析力は身に付きません。
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同僚が、この人のセミナーを聞きに行って感激して帰ってきたので買った本です。
「解決したい問題があったら、なぜなぜを繰り返して原因を探ってそれをつぶしこめばいいんだよ」と、ただそれだけのことなのに、実際にやってみると案外難しいのが「なぜなぜ分析」です。
テーマ自体が不適切だったり、解決の前提条件を理解していないといった、なぜなぜ分析を始める以前の問題から、ツリー状になぜなぜを展開していくMECEのやり方、展開終了判定基準の問題等々があるからです。
本書は、それらについて、実例を交えながら丁寧に解説しています。
たとえば、
> 原因追及の矛先をすり替えてしまう「なぜ」や、言い訳的な「なぜ」に
> 惑わされることなく、「なぜ」の矛先を再発防止策が導ける方向に
> 向けていかなければならない。
といった言葉は、知っているだけで役に立つと思いました。
また、
> 「しなかった」(did not)、「できなかった」(could not)、
> 「しづらかった」(be hard to)をしっかりと分けて表現しなさい。
というのも正しい再発防止につながるポイントだ!と勉強になりました。
特に、ヒューマンエラーでは、「やるべきことがされていなかった」のか、「(やるべきことをやったが間違って)されていた」のか、どちらなのかを明確にして展開することというのも重要です。
ということで、なぜなぜ分析をして、なんか上手く行かないなぁと思っている方は読むといいですよ。
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参考になる。もっと踏み込んで分析できるようになりたい。
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なぜなぜ分析と聞いて何となく思いつく方法論のままだった。
著者プロフィール
1985年東京工業大学工学部化学工学科卒。デュポン・ジャパン(現デュポン)合成樹脂事業本部入社。エンジニアリング・プラスチックス事業部の技術営業として各種プラスチックに関する技術課題の解決支援(設計、加工、検査)に従事。1992年から日本プラントメンテナンス協会でトータル・プロダクティブ・メンテナンス(TPM)などの指導に従事。2005年より独立し現職。著書は『なぜなぜ分析 実践編』『同 管理編』(ともに日経BP社)、2013年2月に『問題解決力がみるみる身につく 実践 なぜなぜ分析』(日経ビジネス人文庫)が発売された。
「2014年 『クイズで学ぶ なぜなぜ分析超入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」
小倉仁志の作品