蒼空の航跡: 元ゼロ戦パイロットが語る空戦と特攻の記録

著者 :
  • 産経新聞出版
3.67
  • (2)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 20
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784819110600

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 元零戦パイロットの今泉利光氏が語ったことを久山忍氏が書いたもの。特攻隊員の心境が一番うまく表現され、後世に託す、今泉氏の思いがひしひしと伝わってくる内容。とてもいい良書でページをめくる手が止まらない。1日読了。

  • ゼロ戦パイロットであり、後に特攻隊に入るも生き残った今泉利光氏の語る空戦と特攻隊の話。氏が最初に派遣されたのは中国の海南島。既に選挙区は厳しく、グラマンの登場によりゼロ戦が空戦のヒーローだった時代は終わっていた。しかしそれでも「操練」出身の卓越した技術を持つパイロットが残っている時代であり、今泉氏も彼らの薫陶を受け、パイロットの技術を磨いていった。

    しかし、速度でゼロ戦をはるかに上回り、圧倒的な機数を持つ米軍の前で、少しずつ戦死が増えていく。わずか10分の空戦のドラマは圧倒的であるのと同時に、あっという間の死がなんとも言えない気持ちにさせる。

    そして、フィリピンでの戦いから特攻が始まる。海南島の部隊が壊滅した後、今泉氏も台湾で特攻隊に加わることになる。

    いかに苦しい戦いであるとはいっても、空の上では平等な戦いをする空戦に対して、特攻は片道切符。帰ってくることはできない。その複雑な心理はその場に居合わせないと分からないだろう。

    特攻を蔑むのでもなく、褒め称えるのでもなく、彼らひとりひとりの人生を悼むことが必要なのだと思う。

    最後に、本書を読んだきっかけは「永遠の0」を読んだからであるが、この手のものではやはりフィクションよりもノンフィクションの方がずっと読み応えがある。

  • ゼロ戦パイロットだった今泉利光氏(現在86歳)の手記や話を元にドキュメンタリー作家久山忍がまとめたもの。たくさんの若者の命が散っていく中、今泉さんが生きていてくれて本当によかったと思う。特攻の命令が大本営から出ていなかったというくだりは意外だった!所々に入る現代の我々に対しての今泉さんの言葉が身に沁みる。

全3件中 1 - 3件を表示

久山忍の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×