エキストラバージンの嘘と真実 スキャンダルにまみれたオリーブオイルの世界

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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822249281

作品紹介・あらすじ

エキストラバージン・オリーブオイルの大半は偽物!?「イタリア産」を信じてはいけない。苦味、辛みは一級品の証し。精製オイルには抗酸化成分もない。瓶詰め直後から劣化が始まる。-本書が明らかにする驚愕の事実の数々。

感想・レビュー・書評

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  • 紀元前5000年から現在に至るまで、人々の生活、宗教、政治、戦争と深く関わり続けてきたオリーブオイル。最近では健康・美容に良いとして注目され、世界各地の食卓に浸透している。ところが、このオリーブオイルの品質が危機に瀕している。オリーブオイルの最高グレードである「エキストラバージン」の名が冠されていながら、中身は精製オイルやオリーブ以外の原料からつくった安いオイルが混ぜ込まれているケースが相次いでいる。エキストラバージンオリーブオイルが置かれている危機的な状況がなぜ起きているのか、歴史、文化、宗教、政治などから多面的に紐解き、丁寧に解き明かす。

    私は料理でしばしばオリーブオイルを使用しているが、この本を読んで私が知らなかった真実が次々と現れ、衝撃を受けた。なにより「オリーブの果実風味」「苦み」「辛み」がエキストラバージンの証であるという、本当のオリーブオイルの味すら知らなかったのだ。つまり私は瓶のラベルを見て中身を判断していたことになる。ラベルなんて貼り替えてしまえば、中身がどんなに低品質のオイルであったとしてもわからないというのに。
    日本でも食品偽装が取り沙汰される昨今だが、オリーブオイル偽装の歴史は古く慢性化しているそうだ。時間とコストをかけて誠実にオリーブを育てる農家、高い品質を保ったままエキストラバージンを製造・販売する業者がいる一方で、安いオイルを混ぜ、エキストラバージンと偽る加工業者もいる。さらに悪質なのは偽のオリーブオイルと知って、それを加工業者から仕入れて何も知らない消費者へ売りつける販売小売業者がいるということである。

    質の高さは価格と比例するが、私のような無知な消費者はラベルに同じ「エキストラバージン」の文字が書かれていれば、もちろん価格が低いものを購入するだろう。だまされたくないのであれば、消費者も賢くならねばならない。もはや売り手だけに誠実な商売をする責任を押し付ける時代ではないのだろう。本物を見抜く目を身につける、本物を手に入れることができる場所を知るといった、ラベルや価格にだまされない術を身につけなければならないのである。

  • エキストラバージンオイルはその名の通り最高品質のものであるはずなのに、スーパーに行くと最高品質がずらっと並んでいる。エキストラバージンじゃないオリーブオイルを探すほうが難しい。しかも高い最高品質と安い最高品質の商品がある。なんなんだこれ、という思いがすっきりした。でもちっともすっきりしない。オリーブオイルをめぐるあれこれが、ここまでひどいことになっていとは。

    消費者が区別がつかないんだから、という言い分はもっともらしくはある。だが、そのために真面目に高い品質のものを作っているひとたちが立ち行かなくなるという現状が正しいわけはない。それは世界を成り立たせるための非常に重要な要素なんだから。オリーブオイルに限った話ではないのだ。
    本物を知るということは、贅沢をすることなのではなく、そういう人たちを応援することなんだろうと思う。
    というわけで、早速オリーブオイルの専門店に行ってみたぼく。

    著者の勇気に拍手を。これがジャーナリストの仕事だ。

  • 読了後、家のオリーブオイルを嗅いでみる、舐めてみる。本にあるエキストラバージンのオリーブオイルの特徴は何も無く、自分は人生で一度も本物のエキストラバージンを味わった事が無いであろう事を実感する。是非本物を味わってみたい。
    それと同時に、政府の市場・制度設計が誤っていると、如何に市場が歪み、正常に機能しなくなるのか(フリーランチが発生するのか)を考察する事も出来るので、経済学に興味がある人はその一例を見るつもりで本書を手に取るのもいいかも。

  • オリーブオイルの西洋社会における位置付けの重要さと、品質担保の杜撰さがよくわかる。本構成があまり構造的でない(取材記述と客観的現状分析が混在)のが好みじゃないけど、オリーブオイルについて詳しく知れる。現在の状況は気になるところ。

  • オリーブ油が、相当に食品偽装のはびこった世界、ということにぐったり。
    選択眼を養いたかったけど、なかなか難しいな、という気分。

  • 原題は「Extra Virginity」アメリカで2011年に出版され、ベストセラーになったとのこと。勝間和代さんが紹介していたので知った。
    内容はおもしろかった。日本でもオリーブオイルの価格はピンキリ。ラベルをみて何となく選んでいたけど、製造元に原料が納入される段階で偽装されていたらラベルも信頼できないとのこと。我々は、信頼できるブランドもしくは小売を選ぶ以外にはなさそう。
    現代の偽装や検査や良識的生産者の話と、古代の寓話的な話が唐突に混在するので、文章としてはちょっと読みづらかった。

  • ヨーロッパの殆どのエキストラバージンのオリーブオイルがそうでなかったことが衝撃的でした。
    昔から、偽装が繰り返され、業界内で正そうという動きもあるけれど、儲け優先でなかなか実現しない現状もわかった。
    日本のやつはどうなんだろうか?
    イタリアに旅行に行ってもエキストラバージンオリーブオイルは買ってはいけない。ちなみにスーパー
    に置いてあるエキストラバージンも殆ど偽装されたものであるらしい。
    最後の章に本物のエキストラバージンの見分け方も書かれていたので参考にしたい。
    オリーブ独特の苦味と、ピリッとした辛みがある。らしい。

  • ノンフィクション

  • 【由来】
    ・北大図書館でたまたま目についた。

    【期待したもの】
    ・おいしいオリーブオイルについての基礎知識を得たい。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

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