事業創造のロジック ダントツのビジネスを発想する

著者 :
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822249878

作品紹介・あらすじ

今、注目のダントツ企業の強さの秘密を解き明かす企業分析の本。取り上げる事例は、アマソンの「キンドル」、セブン-イレブン、DeNA、ソフトバンク、玉子屋、サウス末スト航空など。それらの会社のビジネスモデルに埋め込まれたロジック(考え方)に注目し、「どういう発想で、勝つための仕組みを作り上げたのか」を解説する。事例を分析するだけでなく、ビジネスモデルの設計や革新に役立つ理論を紹介しながら章が進み、ダントツに強い企業の共通点を浮き彫りにしていく。

感想・レビュー・書評

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  • ビジネスにおいて、創造的な戦略を立てるためには何が大切なのか。斬新なビジネスモデルで成功している会社は、何か特別なことを知っているのか、あるいは特別な能力があるのか。そういう問いに答えることが、この本の主要なテーマです。

    ビジネスモデル=経営者の頭の中にある「事業の構造に関する意図」をまとめた設計図

    ビジネスモデルというと「儲ける仕組み」と説明していることが多く「どうやって収入を得るか」ということに注目することが多いが、もっと広く定義したほうがいい。それは、収入に関する「意図」を実現するためには、収入の面だけでなく事業構造全体を考えなければいけないからです。

    ・ダントツに成功する企業は、ロジックが明確です。

    新しいビジネスを立ち上げるときには、数字を作ることが絶対に必要です。自分がやろうとしているビジネスにリアリティがあるかどうかをチェックするには、数字が不可欠で、直感だけで済ませてはいけない。関係する数字を作り、妥当性をチェックする。それをしないビジネスモデル設計はあり得ません。

    ビジネスモデルを設計するうえで重要な要素は、①顧客にとっての魅力を高めること、②ライバルが追随できないようにすること、です。

    コストの検討では、何が固定費で何が変動費で、それがどう決まるかということを見極めることが重要です。

    頑張り主義では他社とはあまり差をつけることができません。なぜなら、他者も頑張るからです。だから価格競争をしてはいけない。

    ノイジーマイノリティ:あるお客様から届いた声が、全体の声と一致とは一致していないこと。

    経済性原理:経済性を向上させることができる方法
    ①規模の経済、②経験の経済(学習効果)、③範囲の経済(多品種化でコスト低減効果)、④ネットワークの経済(参加者が増える)

    アドバンテージマトリックス 特化事業、規模事業、分散事業、手詰まり事業

    妥当性と正当性 ①合法・誠実、②合法だけど、不誠実、③支持されるけれど違法性がある、④アンダーグラウンドビジネス

    模倣困難性 差別化、資源、活動 仕組みをつくっている部分システムを洗い出して、模倣困難性の分析を行う

    発展性 ①自己強化ループで発展する ②発展シナリオをつかって新ビジネスの資源として再投資をする

    目次は以下です。

    はじめに
    第1部 出発点
     第1章 「ジョブの再定義」と「制約外し」
     第2章 戦略モデルと収益モデル
    第2部 因果関係
     第3章 突き抜けるロジック
     第4章 クリエイティブな作成
     第5章 原理を逆手に取る
     第6章 データ経営と経済性原理
    第3部 妥当性と正当性
     第7章 ビジネスモデルのコンテキスト
     第8章 妥当性
     第9章 正当性
    第4部 模倣困難性
     第10章 競争優位の活動システム
     第11章 活動システムの部分化
     第12章 「今日の強さ」と「明日の不安」
    第5部 発展性
     第13章 「次」の設計
     第14章 非連続的な進化
     第15章 勝ち続けるロジック

  • 第4部の模倣困難性の章がとてもためになった。差別化システム理論は初めて触れたがとても興味深い。
    前半の3つの部は少し冗長に感じたので少しもったいないように思う。

  • 特に目新しいことは言っていないが、整理されている事は良いこと。

    教科書として、新人や部下に勧める本。
    顧客が誰か、を突き詰め考える。ビジネスモデル。


    http://www.realkw.jp/archives/818

    第一部 出発点
    第二部 因果関係
    第三部 妥当性と正当性
    第四部 模倣困難性
    第五部 発展性

  • WBS教授による戦略論。昔習ったことがあるが、記憶にない。
    久々にビジネス書を読んだ気がする。

    非常にたくさんの事例が出てくるので、読んでいて面白い。
    特に、玉子屋というお弁当屋さんは初めて聞いたが、よく出来ている。

    正当性については、すごく共感できる。また、ロジックは大事だが、
    ロジックだけだと誰にでも発想できるものになるという点にも納得できる。

    会社の蔵書。

    [more]
    (目次)
    第1部 出発点
     第1章 「ジョブの再定義」と「制約外し」――キンドルを発想する
     第2章 戦略モデルと収益モデル――顧客をど真ん中に置いて考える

    第2部 因果関係
     第3章 突き抜けるロジック――玉子屋を発想する
     第4章 クリエイティブな作戦――原理を「利用する」「裏切る」「創出する」
     第5章 原理を逆手に取るロジック――ホワイトプランを発想する
     第6章 データ経営と経済性原理――パーク24を発想する

    第3部 妥当性と正当性
     第7章 ビジネスモデルのコンテキスト――「前提」は正しいか?
     第8章 妥当性――ネットスーパーを発想する
     第9章 正当性――新しいビジネスモデルの罠

    第4部 模倣困難性
     第10章 競争優位の活動システム――サウスウエスト航空を発想する
     第11章 活動システムの部分化――ポーターの理論を改造する
     第12章 「今日の強さ」と「明日の不安」――サウスウエスト航空のコンテキスト

    第5部 発展性
     第13章 「次」の設計――「不整合」が進化のタネになる
     第14章 非連続的な進化――ディー・エヌ・エーを発想する
     第15章 勝ち続けるロジック――セブン-イレブンを発想する

    解説1 経済性原理――一般的な因果関係を主張する「法則」
    解説2 コンテキスト――人の認知・決定・行動を支える前提

  • 儲かる事業を創りたい方に読んでほしい。
    新規事業担当者にもお勧め。

  • 【要約】答えはないがヒントはある、そのために定石(ビジネスモデル)を学べ
    【所感】とてもいい先生だと思う
    【メモ】
    ・ノイジーマイノリティ、あるお客さんから届いた声が必ずしも全体と一致している訳ではない。
    ・玉子屋モデル
    ・規模創発的
    ☆規模(単位あたりコスト低下、規模創発的効果、クリティカルマスに達するまで効果は無い。換言すれば意図的に狙う)、経験(経験蓄積にる単位あたりコスト低下)、範囲(製品拡大、シナジー)、ネットワーク(利用便益の拡大) の経済
    ・ソフトバンク初期のホワイトプラン、セブン銀行の
    ・自己強化のループ、例トヨタ
    ☆利益率よりも資源蓄積を優先、CSKのおおかわさんはシステム受託の会社にするというつぎの構想を持って意図的に取引先を選んだ。
    ・楽天のM&Aは範囲の経済の意識的追求
    ・マイクロソフトはサイド間ネットワーク効果狙い(利用者と補完製品開発業者に働くネットワーク効果)
    ・SNSの会社はサイド内ネットワーク効果狙い(利用者間に働くネットワーク効果)
    ☆意識の3層構造(byアンソニー・ギデンズ):言説意識(行為主体が言葉で説明できる)、実践意識(言語化できないが主体が知っているのは確かな暗黙知。うまく説明できなんだけど、どうすればいいか知っているような事。社会の構造はこの実践意識の中に取り込まれれている。コンテキスト分析とは実践意識の言説意識化を図るもの)、無意識

  • ◯顧客が誰かによって、顧客が求める価値は違います。ですからターゲット顧客を決めないビジネスモデル設計はあり得ない。だからまずは顧客を決める。そしてジョブを定義する。(34p)

    ◯今のビジネスを回すだけならば、利益率が高いお客さんを選んだほうがいいわけです。だけど大川さんは、次の資源蓄積を図るために自分を育ててくれるお客さんを選んだ。(209p)

    ◯POSというのは死に筋、つまり売れないものは何かわかるけれど、何が本当に売れるかということは分からない。(250p)

  • 参考として読んだ。

  • 最新の経営学のコンセプトを事例を用いてわかりやすく紹介してくれている。一般的なビジネス書よりは難しいが、専門書程は難しくない。おすすめです。

  • 非常に分かりやすいけれども、内容としては「ストーリー・・」の方が腹落ち

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著者プロフィール

早稲田大学ビジネススクール教授。京都大学文学部卒業、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。鉄鋼メーカー、文教大学などを経て2001年より現職。この間、英ハル大学、米カリフォルニア大学バークレー校などで在外研究。早稲田大学IT戦略研究所所長、早稲田大学大学院経営管理研究科長、経営情報学会会長、CRM協議会顧問などを歴任。著書に『集中講義デジタル戦略』『プラットフォームの教科書』『ビジネス思考実験』『事業創造のロジック』(いずれも日経BP)、『代替品の戦略』(東洋経済新報社)など。

「2023年 『ハッキング・デジタル DXの成功法則』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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