エッセンシャル版 ミンツバーグ マネジャー論

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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822250454

作品紹介・あらすじ

悩めるマネジャーたち〔社長・部長・課長・現場責任者〕に捧げる福音の書!

「リーダーシップは要らない。」
現場を知りつくした現代経営学の巨匠が「管理職」に求められる姿勢・行動・思考を説く――実践的マネジメント論の真髄をこの1冊に凝縮。

感想・レビュー・書評

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  • マネジャーとは何か、あるいは、マネジメントとは何か、について書かれた本はヤマほどあるが、私としては、ミンツバーグが書いたものが、一番しっくりきて好きだ。
    マネジャーには、多くのジレンマ的な状況が待ち受けている。それに、何とか折り合いをつけて成果を出していくのがマネジャーだと思う。
    マネジャーは、教室ではつくれず、さまざまな経験と試練を通じて、マネジャー自身が仕事の場で、仕事そのものと振り返りを通じて学ぶものである。
    こういったことが、ミンツバーグの論のエッセンスだと理解している。
    まさに、その通り。

  • 『マネジャーの実像』という450ページにもわたる大著を3分の2ほどのボリュームに編集し直し、加筆が入ったのが本書である。

    先日読んだ『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(入山章栄 著)によると、ミンツバーグは経営戦略論の中でもポーターから始まる今主流の"コンテンツ派"ではなく、"プランニング派"に属し、その中でも「考える前にまずはやってみるべき」という学習主義をベースにしている。
    そんなミンツバーグが、29人ものマネジャーの観察を基に、その機能・仕事の仕方などを分類、系統立てた。

    管理をする立場の者にとっては大きくうなずけるであろう内容が多く、「マネジメントとは『いまいましいことが次々と降りかかる』仕事で、永遠にひとときも開放されることがない」「電話や会議や電子メールを終えて『仕事に戻る』のではなく、こうしたコミュニケーションこそがマネジャーの仕事である」といった文を読んで、世のマネジャーは皆同じ悩みを抱えているのだと勇気をもらえる方も多いのではないだろうか。

    だからといって、特効薬的な解決策が示されているわけではない(当たり前だが)。マネジャーという仕事と実際の現実、管理の次元や枠組みなどを知り、自分はどのようなタイプかを見つめ直し、どのようなやり方をミックスさせて自分らしいマネジメントを行うか。それを考える機会を得る上では、とても良い本だと思う。

    リーダーシップよりも、コミュニティシップに基づくエンゲージメント。
    トップダウンではなくミドルマネジャーによるアップアンドダウン。
    1980年代の日本的経営のファンというミンツバーグらしい主張も印象的である。

    難を言えば、やはりエッセンシャル版。
    よいとこ取りなだけに、頭に残りにくい面はあるかもしれない。

  • マネージャーとは?を自問自答していた時に、常に手元にあり、勇気づけてくれた本。この本に出会わなければ、今のキャリアにたどり着けていないと感じる。

  • 数多くの書籍で組織マネジメントの一見素晴らしい方法が提唱されているが、そのようなone-fits-allな方法では実際のマネジメントはうまくいかない。
    マネジメントは「知識」「経験」「感覚」をバランスよく組み合わせておこなう必要があり、そのバランスは組織によって異なる。さらに、同じ組織であっても状況によって求められるバランスは異なる。
    どのようなマネジメントが適切かは、自分の抱えている問題と取っ組み合って自分自身で答えを見つけていくしかない。

    と言われても。書かれていることはとても腑に落ちるんだけど、読書をするからには何らかの答え(のヒントのようなもの)を得たいところ。
    「誰もがマネジャー」と他人事でない自分自身の問題としてマネジメントをとらえるきっかけとしてはいいかもしれない。

  • 336

  • 2017年12月20日読了。経営学者ミンツバーグによる「マネジャーとは何か」に関する、29人の業種・職位のバラバラのマネジャーの働きぶりの観察を踏まえた考察と議論。「リーダーシップ」とか「マネジメント技法を用いて人々を『マネジメントする』」などの言葉は空虚で机にふんぞり返っていてプロジェクトが成功することはない、現場のマネジャーは長期ビジョンを考えながら常に対外・対内的な交渉・折衝を繰り返し、日常業務に忙殺されながらマネジャー業をこなしているが、それがマネジメントを扱う本では見過ごされている、という指摘は腑に落ちるものに感じる。アート・サイエンス・クラフトのバランス、情報/人間/行動の次元を意識する、これだけでも自分の仕事の仕方に活かせそうだ。

  • 科学的なマネジメントのガイドであるPMBOKを学習しながら、それを業務に用いてきた。しかしそのまま適用することがプロジェクトにとって最善ではない。その知識をどのように適用するか、ここに悩みがある。
    この本は、マネージャとはこうあるべきという視点ではなく、マネージャとはこういうものだということをまとめている。自分にとって、新たな視点を提示し、考えさせてくれた。
    この本の内容を自分の中に落とし込み、また実践することは簡単ではないが、収穫が多い。

  • マネージャーとしての考え方や行動が実例を持ちながら記されており、とても身近に感じられる内容で、とても参考になった。

  • 日々不安を抱えながらマネジメントを遂行している人達にとって安心感を与えてくれる良書ではないだろうか。

    ”成功するマネージャーも欠陥を抱えている。そもそも欠陥のない人間など一人もいない。マネージャーとして成功する人は、欠陥が少なくともその環境では致命的な弊害を生まないのである”

    マネージメント業務は、終わりがなく、忙しい。その中で完璧を目指そうとすると大きなストレスを抱える。その結果全体像が見えなくなり致命的な弊害を生じてしまう。これは、マネジメントとして最悪のシナリオだ。

    そうならないためには、アート、クラフト、サイエンスの三要素をなんらかの形でブレンドさせることが不可欠であると説く。別にマネージャー個人が三要素をあわせもつ必要はなく、チーム全体で三つの要素をすべてもっていれは良い。

    また、優れたマネージャーは振り返りを重んじるケースが多いようだ。どのように振り返るかは、チェックリストも掲載されているので、参考にして実際にやってみることにする。

  • 以下の三つを頂点とする「マネジメントの三角形」など、共感しやすい発想を述べている。
    ①アート、ビジョン、創造的発想
    ②クラフト、経験、現実に即した学習
    ③サイエンス、分析、体系的データ

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