突破するデザイン あふれるビジョンから最高のヒットをつくる

制作 : 八重樫 文(監訳) 
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822255251

作品紹介・あらすじ

愛される商品・サービスの開発には常識の枠を突破したアイデアが必ずあった!
ヨーロッパから世界へ――心を揺さぶる商品を生み出すとびきりのアプローチ

高性能なのに簡単でしゃれたサーモスタット、リラックスできる画像診断装置、
5本指アウトドアシューズ、ハイファッションレンタル、リビングベッドルーム……
固定観念を覆し、生活を一変する斬新な製品やサービスはこうやって生み出された!

企業や組織におけるリーダーシップやイノベーションの専門家である著者が、
アイデアが多すぎて迷いがちな時代に、最高のヒット商品・サービスを生み出す
新たな開発手法「意味のイノベーション」を、豊富な事例とともに明かします!

◆最高のヒットをつくる大原則◆

・HOW(手段)でなく、WHY(目的)から始める
・ユーザーの意見でなく、自分のアイデアから始める
・たくさんのアイデアはいらない、1つを大事に育てる

◆最高のヒットをつくる手法「意味のイノベーション」のプロセス◆

1. 自分:ストレッチ 自身の仮説を、批判精神を持って、深め、広げる
2. ペア:スパーリング 信頼できるパートナーとペアを組み、疑問をぶつけ合う
3. ラディカルサークル:衝突と融合 複数のペアが集まり、異なる仮説を比較、融合する
4. 解釈者:問いかけ 共通のビジネス戦略を持ち、異なる視点を持つ専門家から意見をもらう
5. 顧客・人々:実践 プロトタイプをつくり、実際に使用してもらう

◆本書で紹介している世界のヒット商品・サービス◆

・フィリップス(オランダ)AEH(リラックスできる画像診断装置)
・ビブラム(イタリア)ファイブフィンガーズ(5本指アウトドアシューズ)
・アルファ ロメオ(イタリア)4C
・IKEA(スウェーデン)シーズン家具(季節ごとに家具や布製品を変える)
・ヴォックス(ポーランド)リビングベッドルーム
・ネスト(米国)サーモスタット(デザイン性が高く、自動学習で設定要らず)
・ヤンキーキャンドル(米国)香りつき高級ロウソク
・インテュイティブサージカル(米国)da Vinciサージカルロボット
・レント・ザ・ランウェイ(米国)ハイファッションレンタル

その他、Airbnb、Uber、アップル iPhoneとスナップチャット、STマイクロエレクトロニクス MEMSアクセラレーターと任天堂 Wii、インテュイット クイックブックス、イータリー グローサリーストアなど

感想・レビュー・書評

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  • アイデアをたくさん出してその中からよいアイデアを絞っていく考えも大事だと思うが個人の尖ったアイデアが埋没する恐れがあると感じていた。意味のイノベーションでは一人の人が熟考したアイデアを出発点として、そのアイデアを育て上げるプロセスを大事にしている。個人的に好きな考え方。

  • イノベーションにおけるデザイン思考が叫ばれて喧しいが、その限界を議論し「意味(なぜそれをやるべきか?)」から考えるビジョンドリブンに焦点を当てた著。近年のこの手の書籍では群を抜いた傑作。

  • 端的に言うと、『ヒットする商品を作るためには「シナリオを再定義」する必要がある』ということを説いた書籍。

    「言うは易し行うは難し」であることを筆者も重々理解されているからだと思いますが、成功事例が沢山描かれているので、とてもイメージがつきやすかったです。

    以下、所感で内容を簡単にまとめました。

    ◾️製品・サービスのイノベーションは、常に2種類しか存在しない。
    ①既存の問題解決を目指すイノベーション
    ②意味の創造を目指すイノベーション

    ①とは、延長線での「今以上」。
    ②とは、問題自体の再定義。(本書の骨子)

    ◾️意味のイノベーションでは、2つが重要
    方向性は「内から外へ」
    アイデア作りではなく「批判精神」

    ー抑えるべきポイントー
    内から外へのプロセスは、個人としての自分自身から始める。
    アイデアを数多く出すよりも、数少ない仮説をしっかりと描き出す。
    外部に優れたアイデアを求めない。
    問題解決にはニーズがあるが、意味のイノベーションにな明確なニーズはない。
    まず私たち自身が気に入っていて、他の人の人生をより良いものにすると心の底から信じているもの。

    (例)iPhoneの登場
    iPhoneは価値の物差し(意味)を変えた。
    当時市場で支配的だった既存の価値からすれば劣った製品だった。
    電池の持ちは悪く、入力にも時間がかかった。
    しかしiPhoneは、「楽しさ」という新たな解釈を提案した。

    ◾️意味を作り出す手筈
    新しい意味を作り出すには、ソリューションから考えるのが良い。
    抽象的に考えるよりも実用的なことの方が把握しやすい。

    ソリューションを考えた後で、どんな意味がそのソリューションを支えているのかを問う。
    なぜ人々がそれを愛するのかまで掘り下げる。

    『◯◯◯◯(意味)と言う理由で、●●●(経験)することができる××××(ソリューション)が好きである』
    →これを逆から考えていく。

    ◾️意味のイノベーションには時間をかける
    ・量よりも深さが大切。
    ・暦の時間を要する。
    ・思考を休ませ、距離を置いて寝かせて、また新たな視点で再考する。

  • 機能から意味の時代にヒットするモノ、コトを、生み出すアプローチやプロセスの内容。これまでデザイン思考で当たり前とされてきたブレストのルールを覆す内容で驚いたが、実務で感じていた感覚に近くて納得した。但し、同じ感覚の人間を見つけないと変な奴扱いされてしまうほどいつものブレストルールが浸透してしまっている。

  • PMは読んでおく。意味のイノベーションのやり方を書いている

  • デザイン思考などを学ぶ人の必読書.

  • 勉強になる。
    前半は、「問題解決のイノベーション」と対比しながら、「意味のイノベーション」の概念、重要性を説明しています。「意味のイノベーション」が「価値の新たなものさし」を提示することであること、それがブルー・オーシャンの創出に有用であること、ユーザーが全て知っているわけではなく、「意味のイノベーション」は自分の中から出発すること、などを理解できました。
    後半では、「意味のイノベーション」の実践方法が説明されます。こちらは、私の理解力等の不足で、正直なところ腹落ちには至りませんでした。

  • 人生をこんなんでなくチャンスと捉える人のための本。意味のイノベーション。人間は外せなく目的によって評価されていると信じる人のための本。生活のソリューションでなく贈り物である。意味の探索についての本。
    意味のイノベーション、ジョブ理論とも言ってることは共通しているように感じる。
    デザインとついているが、いわゆるデザインの本ではなく、企図するという意味のデザイン。

    メモ
    ・意味のあるビジョンが一つあれば良い。
    ・批判精神と自分自身から始めることが重要
    ・問題解決のイノベーションと逆で内から外、批判精神からイノベーションを生み出すのが意味のイノベーション
    ・ヤンキーキャンドル。蝋燭はあかりから香りへ。温もりの提供に価値が感じられるように。               
    ・人は理由に心を捕われている。方法以前に。
    ・新たな意味の発見が重要になっている理由
    経済的な豊かさ、機会が多様にある世の中(選択肢が多すぎるが故に理由を求める)、変化の激しさ。
    ・新しい意味を描くべきタイミングを見極めるための問い
     市場の動きに大きな変化はあったか
     業界で重要な問題解決のイノベーションが起きているにもかかわらず、
      製品に興味を失っている顧客の不満を感じたことはないか
     市場で新しい動向を見せ始めている分野があるか
    ・メンバーに共通する特性
     既存の状況に満足していないこと
     変化を恐れず期待を持っていること
     批判と熟考を楽しめること
    ・メンバーの組み合わせ
     思慮深さと冒険的
     経営トップと社員
     多様な個人の組み合わせ
     コアと周辺

  • #意味のイノベーション の本と言えばこれである。

    いくつかのヒット商品においてこれまでの常識が通用しないものの解釈として「意味」により説いている。実例と説明がリンクしているのでわかりやすい。

    また「意味のイノベーション」のために大切な「批判精神」「解釈者」という概念も取り上げており、単なるアイデア本ではなく実務に使える深みを与えている。

    イノベーションに関する他の本を読んでいる人ならすぐに読み終えられるし、その際に受ける視点変化による気づきも深い良書である。

  • ソリューションのイノベーションが増え選択肢が増えたことにより、私達は選択が困難になりつつある。だからこそ、私達がその商品を選択すべき理由・ストーリーが必要。意味のイノベーションには、自分自身の批判的な思考と内省、正しく選択した他人との衝突と融合が重要。
    批判的な思考を磨くためには、なによりも自分自身が多様な物に触れ、豊かな経験をすることが必要だと思う。でないと批判的思考は磨かれない。

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著者プロフィール

イタリア ミラノ工科大学教授。専門はリーダーシップ論、イノベーション論。大学でマネジメントとデザインのコースを担当する一方で、経営者に対してデザインとイノベーションのマネジメント教育を行う研究組織であるMaDe In Lab を指揮する。マイクロソフトやボーダフォン、アレッシィや任天堂など、100社以上のイノベーションプロセスとその課題を調査している。著書に『デザイン・ドリブン・イノベーション』(クロスメディア・パブリッシング)。ウェブサイト www.verganti.com

「2017年 『突破するデザイン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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