京都のデザイン

制作 : 日経デザイン 
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822264666

感想・レビュー・書評

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  • 最後の章で載っていた、「操作することそのものが心地よいインターフェイス」というのに納得。
    他のテレビゲームに比べてファミコンが、他のモバイルデバイスに比べiOSが、なんだかんだ言われても売れている(売れていた)ことの説明がつく。
    車の操作そのものがつまらなくなったからクルマ離れが加速し、そもそも車の運転が楽しいという意識を持つ人が減ってしまいさらに…というのが、クルマ離れの一因かも、というのもありうる仮設かも。

    こういう、「かんのう」的な良さは、論理化、数値化できないからこそ差別化できる要素になっていくのかも。
    「かんのう」には、官能、感応の両方を入れてください。

  • 日本文化の持つ豊かな資源、デザインと文化によって生まれたプロダクトがどう優れているかを知りたくて購入。

    京都のどの会社も生き残りをかけて必死に資源を最大限活用しつつ新しい時代に適応するように商品を改良している点が非常に面白い。

    例えば

    洋菓子と京都の宇治を融合させたマールブランシュという会社は、色と素材で和を表現し、現代的な西洋のモダンなデザインで書きあげることで融合を図っている。
    元々は「お手土産」という京都の風習からこのようなお菓子のビジネスが生まれていることは自明であるが、意外と気付かないものであった。


    日本茶の会社である一保堂茶舗という会社では、
    海外からの発注に対応するために、製品に英語の表記でお茶の入れ方を記載しつつ、現代の多様化した顧客に対して、デザインをそれぞれ変えることで多様な商品パッケージを提供しつつそ統一したブランドイメージを作る工夫をしている。

    またオムロンヘルスケアでは商品のデザインを外部委託する中で年に1回役員を交えたデザイナーの技術交流会を設け、意見交換をしながら役員達にデザイナーの重要性を認識させている。

    また一澤信三郎帆布という鞄会社は
    企画、製造、販売の垣根を越えてひとつの製品を作り、販売店員がデザインや仕様について意見をすり合わせる形態をとっている。
    商品の開発から販売まで自社ですべて行う形態で、個人的には最近売上を伸ばしている企業形態と考えている。
    ここにも当事者意識で一ヶ月使用してから問題点を洗い出し販売している点に細かい気遣いの心が表れている。

    極めつけは任天堂についての対談(猪子寿之×坂井直樹)。
    キーワードは「独創性」、「遊び心」、「気持ちよさ」。

    自然科学で発生する事象から自然科学で評価されるアウトプットを行う時代から、デジタルテクノロジーによって人間の事象から人間に評価される時代に変化していること。
    そこに客観的な評価ができないのは当たり前であり、気持ちよさでしか評価することができないことが生き残っている時代であることを猪子氏は語る。
    ゲームはコンテンツ自体が楽しい場合もあるが、iphoneの例も同様に操作すること自体が快感である場合が多い。
    任天堂が持つオリジナリティは惹かれるものがあるし、彼らが持っている価値観を貫く姿勢が個人的に好きです。

    なぜ猪子氏の発言はいつもこう府に落ちてしまうのか分からないが(きっと過剰な猪子信者である)

  • 町家、唐紙などのいかにも京都な素材から、京セラ、任天堂まで。デザインという切り口と、京都の考え方がとらえられている。個人的には、マールブランシュと一保堂はもともと好きなブランドなのでおもしろかったかな。あと、任天堂のマリオのゲームデザインと日本画の考え方のとらえ方は興味深かった。

  • これは読みたい。絶対に肥やしになると思う。
    日本の古き良き伝統、デザインには素晴らしい物が溢れてる。

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