妹たちへ2

著者 :
制作 : 日経WOMAN 
  • 日経BP
3.68
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本棚登録 : 199
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822268053

作品紹介・あらすじ

今、プロフェッショナルとして輝く女性たちにも、焦り、悩み、ときに自信を失った20代、30代があった。それぞれの経験を振り返り、喜びや痛みから学んだ「仕事の意味」「愛すること」「挑戦する勇気」…。人生で大切な真実を惜しみなく伝える、17人のエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 「妹たちへ」の続編です。

    ほほ〜ぅ。勝間和代氏と香山リカ氏が収められています。対談集も出しているお二人ですからどんなエッセイが読めるのかと楽しみにしておりました。

    私が帰国していた、2011.12月の時点では「妹たちへ2」は文庫化されておらず、書店員さんも「判型そろえたいですよね、前作の単行版はもう取り扱っていないので、2の文庫化をお待ちになりませんか?」なんて親切に勧められてしまって、一度は店を出たものの、進路にキャリアに新しい家族のことに迷う20代後半の今こそ本書を読むために、単行本で買う価値があるはずだと思って翌日改めて買い求めた次第です。

    本書も前巻に見劣りする事なく、十二分に楽しませていただきました。成功している女性の手記は楽しいです。男性の自叙伝にはもちろん感銘を受けるのですが、男性の武勇伝はいくら波瀾万丈があったとて、「仕事に熱中」して成果をあげることに重点が置かれているのです。男性にも、両親を看取ったり、妻に先立たれたり、子どもが大病を患ったりということがあるはずなのですが、その為に仕事のペースを調節しながら... といった紆余曲折まではなかなか記されていないものです。

    子どもの頃から優秀で、進学、就職、と苦労する事なく進んだ姉が、二十代後半で会社で肩たたきに遭うのを見てきて、「この日本では、女性は素手で社会に出てはいけないのだ」ということを学んだ。

    というスタートに、さすがの勝間氏も少し趣の違う柔らかいエッセイを書いてくれるのではないかと期待していたものの、案の定、次ページで「統計的差別」やら「ジェンダー・エンパワーメント指数」やら「ジェンダー・開発指数」がわらわらとでてきて、心ならずもげんなりしてしまった一幕もありました。とは申しましてもこの頑に理路整然とした姿勢こそが彼女の魅力。百花繚乱個性豊かな語り口のなかでもひと際、本書に鮮やかな色を添えてくれているようにも思えました。

    カイロ大学へ留学、アラビア語通訳を経て「ワールドビジネスサテライト」のメインキャスターへ。そして政界へと進出した小池百合子氏の手記は、舐めるように一字一句何度も読みました。

    彼女は得意な英語で社会に出たいと考えていたものの、アポロ11号の月面着陸を伝えるニュースで、宇宙船とNASA地上基地との交信を鮮やかに同時通訳する日本人の存在に衝撃を受け、自分の英語など「趣味の範疇」だと気づいたのだそう。そこで日本では学習者の少ないアラビア語に目をつけた、という件には鳥肌がたちました。第四次中東戦争まっただ中にカイロに留学し、学割を利用してレバノン、シリア、ヨルダンを旅行し土地鑑を身につけたのですから、よほど肚の据わった女性に違いありません。英語が話したい!バイリンガルになりたい!という一心でアメリカに飛び出してきてしまった自分が恥ずかしい思いです。

  • 現在私、色々あって真面目に「この先」について悩み中で・・・男性上司にドラッカーとかカーネギーとかをもらったんですがなんかこう・・・もちょっと違うんだ・・・今は「吸収モード」じゃなくて「頷きたいモード」なんだ・・・そう、「人生相談できるバリキャリの姉が欲しいんだ!」とかわけわからんことを呟いていたそうなので(同期・談)、ちょうどいい本だったのかも。(あ、ドラッカー及びカーネギーはちゃんと読みます、脳が「吸収モード」になったら)
    各界の著名な「働く女性」が、20代、30代の頃の生き方を振り返る、軽いトーク本。作家、メイクアップアーティスト、政治家、教授と職業は様々、そして皆さん生き方も様々。「それはないだろ(香●リカ)」とか「これはエッセイじゃなくただの政治家の自己アピールでは(小●百合子)」とか突っ込みどころはあるけれど、タイトル通り姉の人生談議聞いているような軽さと暖かさには、気持ちが軽くなりました。
    あー私も今それ感じてます、とか。ね、「頷きたいモード」の需要は満たされ気分が落ち着いたので、「吸収モード」に移行できるわけだよ。

    読みながら、幅広い業界、年齢層の方と知り合うことの重要性、を認識しました。特に女性とのつながり。元々の性格もあって、気付くとどうしても男性に囲まれて仕事もプライベートも過ごしている気がするし(華やかな意味ではなく)。
    今みたいに悩んでいるとき、consultできる人の存在は大きいよね。ロールモデル、とはまた違った意味で。

    惑ってばかり、周り道をしているようで焦りばかり感じているような今を、振り返って「誇り」に思えるかは、今の踏ん張りと姿勢次第だなぁ。今までだってそうだったよ確かに。
    悩むことを自分に許そう。後退さえしないなら。

    あと山本浩未さん(メイクアップアーティスト)の本が読みたい。
    以下メモ
    ・仏教の三毒追放
    ・T字型の生き方:ジェネラルな横軸と、専門性で掘り下げる縦軸
    ・五年刻みの年表
    ・自分探しより人探し

  • 働いてると、女性ならではの壁にぶつかることがあって、迷うんですよね。何が正解なんだろう?って。そういう迷いや、抱いた夢にバリキャリな17名の「姉御」的人生の先輩たちが、経験済なよろこびや焦り、痛みから答えてくれます。『日経WOMAN』での連載エッセイでした。

    上野千鶴子さん、佐伯チズさん、夏木マリさん、林文子さん、山本浩未さんなどの人生談義はうなずけるところも多く、ピンチをチャンスに変えられている力などは「それでこその第一線」とも思うし、ロールモデルとしての役割も大きいのでしょう。
    ※2015年の読後感です。
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    【本文より】
    ・「重要なのは、したいことが見つかったら果敢にチャレンジする勇気」 --勝間和代さん
    「後悔ばかりの30代もまた、おもしろい」 --香山リカさん
    「20代はやり直しがいくらでもきく。だから恐れずに一歩踏み出して」 --林文子さん
    「かっこ悪くてもいいじゃん、だって私の人生なんだもの。とようやく腹をくくった」 --山本浩未さん

  • ボリュームもあり、結構読みごたえがあった。夏木マリさんの20代時代の話が意外に感じた。今とは全然キャラクターが違うように思えて。

  • 2017.11.6
    ここに寄せられた女性が揃って言われる「20代、30代は悩め、足掻け、それで大丈夫。40代になったら実になるよ」というメッセージ。
    私の尊敬する女性も同じことを言っていた。
    私は今、30代の入り口にいて、はっきり言って悩んでいる。未来が見えなくて毎日モヤモヤしている。自分に自信がなくて焦っている。
    でもそれで大丈夫なのかも、と思わせてもらえた。
    努力をやめず、悩むのをやめず、地道に日々を過ごす。
    一旦はそれでやっていきます。

    収録されている方の若い頃は、今の時代では労働基準法に引っかかるというか、完全にアウトな働き方をされているのですが、今後日本の働き方が変わっていった時にこの経験談たちがどう扱われていくのだろうか、ということも気になった。ので星は3。
    今は働き方改革の過渡期なので、がむしゃらに働くことの大切さや面白さも分かるし、同時に「いやそれじゃ体壊して当たり前だよ…」というツッコミもした。

    あと佐伯チズさん、あさのあつこさん、勝間和代さん、香山リカさん、今をときめく小池百合子さん…
    おもしろかった。

  • 日経ウーマンでの連載をまとめた本。それぞれの半生はそれぞれだが、言葉に表しきれない努力と運の積み重ねが彼女らの今日の活躍となったことがうかがえる。
    ただ、シリーズ2作目となると、ちょっと飽きたかな…

  • 本当にためになった。
    日経ウーマンで、たまに読んではいたが、まとめて読めるのがすごく良かった。

    今、同じ現代をを生きている「人生の先輩」である女性たちの、人生観や体験談を実際に聞ける機会は、非常に少ない。

    本で、ひとりひとりの自伝的な本を読むのは時間がかかるし、どの人の本を読みたいかも分からない。

    興味のある人の本を読んだとしても、読み手が「妹たち」である女性に限定されていることは、ほとんど無い。

    そう考えると、この本は、「妹たち」にあたる女性たちが、「成功した女性たちはこのコトについてはどうしているのだろう」とか「どう考えて生きているんだろう」ということが、答えが一つではたくさん用意されている。

    いい本だと思った。

    ここから、自分が学びたいと思う方の本を、じっくり読んでみようと思う。

  • 状態:貸出可
    ※利用対象者:本学の教職員と学生に限ります。

  • やはりエッセイ集は良いな

  • 2が出ていたことを知らず、この機に読んだ。上野千鶴子さん、むかし著書を読んだ時は、自分が精神的にも思想的にも生意気盛りでどうも自分より上の人にこうだ、と言われるのがイヤだった記憶。でもあらためて読むと偉大な先輩でした。ほかの著書も読んでみたい。人生の指南書的なものは好きじゃないけど、この手のエッセイやインタビューものは好き。

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