- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822279172
作品紹介・あらすじ
「坊主丸儲け」「寺は金持ち」というイメージは強いが、日本のお寺は、かつてないほどの危機に瀕している。菩提寺がなくなり、お墓もなくなってしまった――。こんな事態が現実になろうとしている。
中でも地方のお寺の事態は深刻だ。高齢化や過疎は檀家の減少につながり、寺の経営を直撃する問題となっている。寺では食べていけないことから、地方の寺では、住職の跡継ぎがいない。しかし、寺は地域住民の大切なお墓を管理しなければならないため、簡単に廃寺にしたり、寺を移転したりすることはできないのが現実だ。
一方、都会で働くビジネスパーソンにとって、お寺やお墓は遠い存在であり、お寺との付き合いは「面倒」で「お金がかかる」ばかり。できれば「自分の代からはもう、お寺とは付き合い合いたくない」と、葬儀は無宗教で行い、お墓もいらない、散骨で十分という人も増えている。
経営の危機に瀕するお寺と、お寺やお墓はもういらないと言う現代人。この問題の根底には、人々のお寺に対する不信感が横たわっている。僧侶は、宗教者としての役割を本当に果たしてきたのか。檀家や現代人が求める「宗教」のあり方に応えることができているのか。
地方崩壊の根底に横たわる寺の消滅問題について、日経ビジネスの記者が全国の寺や檀家を取材し、徹底的にルポ。芥川賞作家の玄侑宗久氏らのインタビューを交えてこの問題に迫る。
お寺やお墓、そして地域の縁を守ろうと必死で努力する僧侶たちの姿と、今だからこそ、仏教に「救い」を求めて集まる現代人の姿が見えてくる。
感想・レビュー・書評
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お寺の存続問題をわかりやすく書かれていて、読みやすかったです。
学校がずっと仏教系だったので、よけいに興味深く感じました。
京都の「祇王寺」は行った事があります。「尼寺」としての歴史が
終わりに近づいていると書かれていました。
薩摩藩島津家の菩提寺がないことに、驚きました。
薩摩藩主は、歴代名君といわれていますが、廃仏毀釈の嵐には
屈してしまったようです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
h10-図書館2019.1.13 期限延長2/3 未読了 返却2/3再借出4/6 期限4/20 読了4/12 返却4/14
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2015.06.01 HONZより
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アマゾンお坊さん便がニュースになったかなり前に読み終わったのでうろ覚え。お寺の経営は大変だな~とか、今は昔とは時代が違うから仕方ないよね~とか、工夫で逆境を乗り越えてお寺営業続けてる人もいるのか~とか。事業継承にこんな感想を持ってしまうよじゃ、お寺さんがやっていることってもはや宗教じゃないね。
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なんで日本の仏教は、上座部仏教と違って妻帯者OKなのかなとか、色々疑問があったのですが、本書を読んで結構スッキリしました。そして、お寺さんってどのような経営になってるんだろうとか、税金回避で儲かってるんじゃないかとか、そもそも実態はどうなんだろう、というお寺に関する素朴な疑問もスッキリ解決しました。
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この本で紹介されている過疎化が進む地域の寺院の荒廃ぶりは想像以上だ。ただ荒廃・衰退していく教団事情について述べるだけでなく、このような現代の仏教が直面する問題に対する、僧侶・尼僧たちによるユニークな取り組みについての紹介もある。
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本当に感動する葬儀をやりたい