コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった 増補改訂版
- 日経BP (2019年10月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822289935
作品紹介・あらすじ
■ビル・ゲイツの推薦の言葉
「二〇世紀後半、あるイノベーションが誕生し、全世界でビジネスのやり方を変えた。ソフトウェア産業の話ではない。それが起きたのは、海運業だ。おそらく大方の人があまり考えたことのないようなそのイノベーションは、あの輸送用のコンテナである。コンテナは、この夏私が読んだ最高におもしろい本『コンテナ物語』の主役を務めている。コンテナが世界を変えていく物語はじつに魅力的で、それだけでもこの本を読む十分な理由になる。そのうえこの本は、それと気づかないうちに、事業経営やイノベーションの役割についての固定観念に活を入れてくれるのである。」
世界経済とグローバル貿易を飛躍させた「箱」の物語として、国際物流の生きた教科書として2005年の刊行(日本語版は2007年)以来、版を重ねてきたロングセラー、レビンソン『コンテナ物語』の最新情報を加えた改訂版。前回から10年以上を経て、コンテナ船の巨大化が進み、世界の港湾も巨大化・自動化が進んできた。米中貿易戦争の激化もあり、コンテナの将来は予断を許さない。解説・森川健(野村総研)
感想・レビュー・書評
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配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01427566 -
コンテナについてほとんど全てのことがわかる本。コンテナのことはわかったんでもういいです〜ってなるぐらいの情報量なので、少し物流や貿易をかじりました程度の人にとってはボリューム的に若干苦痛かも。ただこれって日本のことを考えるきっかけにはなっていて、港で見かけるどでかいコンテナをJR貨物に積み替える作業ってどこでやってんだろうね?それとも基本はトラック?ググったりYouTubeだったり調べればそこら辺いくらでも分かるだろうから、知的好奇心がある人の知りたい欲をかきたてる一冊には間違いなくなると思う。あと港町特有の気性の荒さの理由が少しわかった気がする
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コンテナがシームレスに運ばれること、規格化に伴い大量に輸送できることで、世界的なサプライチェーンを可能にしたんだね。
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示唆深い本でした。イノベーションがいかに生まれ、抵抗する既存勢力と向き合い、政府や顧客の支持を取り付けてルールをつくり、新しい市場を切り拓いていくのかの様々なエッセンスが詰まったとても読み応えのある内容ですね。
コンテナというシンプルに思えるものが、グローバリゼーションを一気に加速させて産業史、我々の生活を大きく変えたことがとてもわかりやすく、データも交えて示されています。
この本の主人公といえるマルコム・マクリーンの人間模様を描いたドラマとして充分楽しめます。日本の高度経済成長もコンテナのグローバル化に寄与し、さらに日本の成長にもドライブがかかったという相乗効果もよくわかる。
構成もよかったなあ。
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コンテナが普及していく過程と影響の一端を知ることが出来て勉強になった。
トラック運送会社、鉄道会社や船会社などを巻き込んだコンテナの導入・規格化は世界の物流を効率化させ、結果的にグローバル化を推し進めた。
港での荷揚荷卸をはじめとした物流費用が低下したことで、企業にとっては生産地と消費地の距離という制約から自由になり、労務費の低い場所でモノを製造することがトータルコストを押し下げることとなった。 -
第1章 最初の航海
第2章 埠頭
第3章 トラック野郎
第4章 システム
第5章 ニューヨーク対ニュージャージー
第6章 労働組合
第7章 規格
第8章 飛躍
第9章 ベトナム
第10章 港湾
第11章 浮沈
第12章 巨大化
第13章 荷主
第14章 ジャストインタイム
第15章 付加価値
解説 激化するコンテナターミナルへの投資競争 森川健(野村総研上級コンサルタント)第1章 最初の航海
第2章 埠頭
第3章 トラック野郎
第4章 システム
第5章 ニューヨーク対ニュージャージー
第6章 労働組合
第7章 規格
第8章 飛躍
第9章 ベトナム
第10章 港湾
第11章 浮沈
第12章 巨大化
第13章 荷主
第14章 ジャストインタイム
第15章 付加価値
解説 激化するコンテナターミナルへの投資競争 森川健(野村総研上級コンサルタント) -
読了。コンテナの導入によるグローバルなサプライチェーン革命の話は刺激的だ。かつて在来船が主流の時代は輸送効率、荷役効率が悪く、企業の生産拠点も港の近くに設置せざるを得なかった。コンテナの導入により、生産に必要な部材の調達が低コストかつ計画的に行うことができるようになり、生産拠点は港から離れた、土地や税金が安い場所へと移ることも可能となった。在来船の頃は航海中のコストよりも、埠頭に到着している間に発生する荷役等のコストの方が全体の大半を占めたそうだ。コンテナ化によって荷役のスピードは格段に上がり、品質も担保され盗難の恐れもなくなった。そして大幅なコスト削減が実現した。当然ながらコンテナ導入時には沖仲仕や労働組合の猛反発があったそうだが、時代の流れには逆らうことができない。コンテナ化によって誰も想像できなかったレベルでの港湾の合理化が進み、かつて沖仲仕、港湾労働者で溢れていた港から人々が去り、今では最新鋭の設備とコンピュータシステムによる荷役作業が主流となってきている。
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コンテナ内の点検はむずい
→麻薬とか爆弾とか移民とか運べちゃう
1.輸送技術の進化
2.イノベーションの重要性
今日重要なのは
→イノベーションに、よって資本や労働者をどれほど効率的に使い、より多くのものやサービスを生み出せるか」
→イノベーションは最終的に最も適した用途に応用されるにしても、初期段階ではうまく適用できないことが多い
→→新技術は最初金にならない
発明の経済効果を生み出すもの
→発明そのものではなく、それを実用化するイノベーション
→組織や制度の変革
→→エジソンが電球を発明して20年後でも一般家庭での普及率は3%だった
■埠頭
サンフランシスコ、モントリーオール、ハンブルク、ロンドン、リオデジャネイロ、ブエノスアイレス
一航海にかかる総費用の半分は沖仲仕への賃金だった
→人力だからダメ -
アメリカ牛を日本ですき焼きにするのも
仏デザイナーがベトナムで服を縫製させるのも
トヨタのjust in time方式も
日本家電がアメリカを席巻したのも
コンテナのおかげ。
こんな話知らなかった、面白かったー!