すべてを可能にする数学脳のつくり方

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  • ビジネス社
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784828418780

作品紹介・あらすじ

理系頭の中身を全公開!ビジネス、お金、人生の問題に100%役立つ、夢を叶える数学的思考のすべて。巻末附録・秘蔵の博士論文収録!

感想・レビュー・書評

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  • ゲーテルの不完全性定理により「システム単体でそのシステム自身が無矛盾であることを証明できない」ことが証明された為、「全ては双方向の関係性で出来ている = 単体で存在するカントのアプリオリ(全知全能)な存在はいない」

    この世に確定的なものはなにもない。

    「私」について突き詰めて行くのがオントロジー(存在論)。論理を突き詰めていくのがメタフィジックス(形而上論)。

    ほとんどの人間は利益よりも損失を恐れる。これを損失回避性と言う。

    人は利益を目の前にするとリスクを回避し、損失を目の前にするとリスク追求を選考し始める。

    人はリスクの2倍の利益があればギャンブルに出る。

    人間は合理的が好きなのではなく、矛盾している事が怖い。

    デンプスターシェーファー理論、、、全ての事象は独立事象ではありえない。従い、現実世界ではベイズ理論よりも正しい。

    限定合理性、、、人はもともと不合理で、つじつまの合わない意思決定をする。合理的でも論理的でもない。

    数学の宇宙も辻褄が合わない、わけのわからない事がたくさんある。数学的思考とはそういったもの全てを含めたもの。

    論理的思考、合理的思考は論理宇宙、合理宇宙の中の思考であって、数学的宇宙の一部でしかない。そして、人間の思考は論理的なものに頼れば矮小化する。人間的思考も数学的思考も壮大な宇宙を持っている。

    アブダクション(ヒューリスティック)、、、近似解。インダクション(帰納法)でもディダクション(演繹法)でもない、人間的な推論。そして、これはあくまで近似解であり、しばしば間違えるが、これによって宇宙は広がって行く。

    思考とは情動に対する再認識。

    人工知能の思考は物理空間にいるが、人間の思考は情報空間にある。だからこそ、余計なものを切り捨て、時折不合理なものも挟み込みながら判断していける。

    巨大多国籍企業や先進国の言う「フリー」は自己の行動のフリーであり、自らの欲望の解放だけを意味する。

    コンピューターは、複数の矛盾するプログラムがあると、お互いをけん制しあって動けなくなる。

    我々は、選挙で国会議員にふさわしい人物を選びたいのであって、国会議員にふさわしいと主張するのが得意な人物を選びたいわけではない。ところが実際には、自己主張が上手い人間ばかりが選ばれている。弱肉強食、プレゼンの世界が日本社会に導入され、日本は歪んでしまった。

    知識のカオスの中からゲシュタルト(統合的感覚)が生まれ、ヒットの予感が立ち上がる。大切なのは知識のカオス。新しいものは混沌からしか生まれない。なぜなら、整理すると必ず過去の視点を入れる事に繋がるから。

    「新しいもの」とは、常にイメージが先にあり、そのイメージを現実化させる時に物理空間の制約に準したもの。

    閃きは混沌の中からしか生まれない。より良く閃く為に必要なのは、イメージを縦横に広げる能力であり、混沌を混沌として受け止める力である。不条理や不合理も当たり前に飲み込みながら、公理には従う。

    自分の目の前の世界について、常に豊富な知識を使って立体的なイメージとして捉える事。これを数学的思考という。

    イメージの訓練は、あるもの、ある事象を他人に解るように一言で喩える事。一般的な言葉、日常会話で言い換える。これを繰り返せば発想は飛躍的に高まる。

  • 難しいが、問題を見つけてそれが入れこのようになっているだけで、一見複雑に見えるものも単純な問題解決の積み重ねだと分かった。が、それしか記憶にない(笑)

  • 私には難し過ぎた。
    数学は問題を解くための道具ではなく、その反対に問題を見つけだすものだ、というのは理解できるが、その後の文章がこれに続いているのか???でした。
    また、最後の三割が論文に割かれてしまっていたのも勿体なく思います。

  • 内容はけっこう難しい。なんとなく言いたいことはわかった。

  • 難しかったけど何と無く分かったこともある。
    人が物事を伝えようとしても、伝える人と受け取る人とでは、積んでる歴史も価値観も興味の矛先も違う限り、正確な意味で伝えることはできない。

    そう言った背景を全て無しにして記号化?図式化?する事で伝わるようにする事ができるのが数学脳の考え方。

    世の中にあふれる事柄を他人軸やましてや自分の思い込みで解釈していませんか?
    それを意識するだけでもニュートラルな意見を導き出せますよ。
    世の中はいたってシンプルなのですよ、と伝えてくれているのだと解釈した。

    苫米地氏楽しいわ。

  • 文字がスカスカで後半は論文なのですぐ読み終わる。内容はなかなか面白い。著者が人工知能の研究者なので人間の思考回路とAIの思考回路の違いを比較しながら数学的な思考について考えていく。囲碁で人間に勝利したアルファ ゴという人工知能は強化学習のために数千万回の対局をしているが その中で囲碁のルールを破った対局は一回もないという表現が面白かった。著者によると人工知能はただの高性能な計算機で人間の知性を持つことはまずないそうだ。

  • 分かりにくいことを分かりやすく翻訳して伝えてくれる良書。著者の情報空間を感じられるのは、新しい世界を見る感覚に通じる。考え方が変わる本である。

  • 新しい分野について書くときは、著者の言葉で書いているので読む価値がとてもある。
    問題を見つけること、エレガントな解を見つけること、それを分かるだけでも十分生き方が変わる。
    数式は無いが数学について深く知ることができる、著者ならではの一冊。

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著者プロフィール

認知科学者(計算言語学・認知心理学・機能脳科学・離散数理科学・分析哲学)。
カーネギーメロン大学博士( Ph.D)、同 CyLab フェロー、ジョージメイソン大学C4I&サイバー研究所研究教授、公益社団法人日本ジャーナリスト協会代表理事、日本外交政策学会会長、コグニティブリサーチラボ株式会社CEO 兼基礎研究所長。マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、三菱地所へ入社、財務担当者としてロックフェラーセンター買収等を経験、三菱地所在籍のままフルブライト全額給付特待生としてイェール大学大学院計算機科学博士課程に留学、人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。同認知科学研究所、同人工知能研究所を経て、コンピュータ科学と人工知能の世界最高峰カーネギーメロン大学大学院博士課程に転入。計算機科学部機械翻訳研究所(現 Language Technologies Institute)等に在籍し、人工知能、自然言語処理、ニューラルネットワーク等を研究、全米で4人目、日本人として初の計算言語学の博士号を取得。帰国後、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、同ピッツバーグ研究所取締役、通商産業省情報処理振興審議会専門委員、早稲田大学研究院客員教授などを歴任。また、晩年のルー・タイスの右腕として活動、ルー・タイスの指示により米国認知科学の研究成果を盛り込んだ最新の能力開発プログラム「 TPIE」、「 PX2」、「 TICE」コーチングなどの開発を担当。その後、全世界での普及にルー・タイスと共に活動。現在もルー・タイスの遺言によりコーチング普及及び後継者として全世界で活動中。一般財団法人サヴォイア王家諸騎士団日本代表、聖マウリツィオ・ラザロ騎士団大十字騎士。近年では、サヴォイア王家によるジュニアナイト養成コーチングプログラムも開発。日本でも完全無償のボランティアプログラムとして「PX2」と並行して普及活動中。

「2023年 『新・夢が勝手にかなう手帳 2023年度版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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