砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない: A Lollypop or A Bullet (富士見ミステリー文庫 38-6)

著者 :
  • KADOKAWA(富士見書房)
3.74
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本棚登録 : 1554
感想 : 250
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829162767

作品紹介・あらすじ

大人になんてなりたくなかった。傲慢で、自分勝手な理屈を振りかざして、くだらない言い訳を繰り返す。そして、見え透いた安い論理で子供を丸め込もうとする。でも、早く大人になりたかった。自分はあまりにも弱く、みじめで戦う手段を持たなかった。このままでは、この小さな町で息が詰まって死んでしまうと分かっていた。実弾が、欲しかった。どこにも、行く場所がなく、そしてどこかへ逃げたいと思っていた。そんな13歳の二人の少女が出会った。山田なぎさ-片田舎に暮らし、早く卒業し、社会に出たいと思っているリアリスト。海野藻屑-自分のことを人魚だと言い張る少し不思議な転校生の女の子。二人は言葉を交わして、ともに同じ空気を吸い、思いをはせる。全ては生きるために、生き残っていくために-。これは、そんな二人の小さな小さな物語。渾身の青春暗黒ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 友達に進められました。
    まだ見てません。
    コレの作者が七竈と同じ作者ならしいので、どうなのかな?と思ってます。

  • 気味の悪い話だったが、だんだん藻屑の正体が明らかになってくるところはおもしろかった。
    …というか、スッキリ&ほっとする。
    なぎさの兄、友彦も、人間ばなれした客観性も、次第に解消されていく。
    結果的には、ハッピーエンド…なのかなあ??

  • 久々に本読んで衝撃を受ける。海辺の田舎町に美少女だけどちょっと変わりものの転校生やってくる…な設定とか、ラノベっぽい文体に舐めきって読み始めたのが、途中から完全に圧倒されて呑まれた感。ものすごいテンションで書き上げられたラストに泣いた。

  • ライトノベルに見せかけてのヘビーノベル。

  • 砂糖菓子を子供の無力さに例えており、思春期ならではの感情が痛い程わかる。
    甘いようで切ない文章が印象的。

  • 火車から連続して、“読後感が最悪な本”として紹介されていた作品を読んでみました。
    これもその1冊。
    地元の図書館に依頼を出してわざわざ県立図書館から取り寄せてもらいました。
    到着したと連絡があったので取りに行くと、ライトノベルで表紙は萌え系。
    借りるときちょっとだけ恥ずかしかった(笑)。
    しかし、その内容たるやかなりショッキング。
    児童虐待とウサギ惨殺事件とバラバラ殺人。
    読後、虚しさだけが残ります。

    最近、色々なジャンルと作家に手を出しているから、色々なタイプの面白い本に出会うなぁ。
    桜庭一樹、要チェック。

  • 最初に、最悪な結末が示唆されてるにもかかわらず、最後まで読んだら泣きそうになった。
    読み進めていくうちに、なぎさと藻屑の二人がどうか救われますようにと祈りながら読んでいた。

  • 世の中の「側」に入ることのできない、これは少女版「タクシードライバー」なのかも。悲しいかな少女が撃ちまくるのは砂糖菓子の弾丸なのだが…。主人公や脇役たち人物の描き方が素晴らしく、こういう性格ならこういう思考や行動をとるだろう、というような点においてほとんど矛盾が感じられない=とてもリアル、な感じがする。文章は叙情に流れずむしろ理知的で、鋭く切り取られた彼女たちの心情、しっかりとした構成のストーリーに加え、主人公たちと同世代の読者層へむけられたメッセージも素晴らしく、作者の識見を感じられる。これはフィクションとして完璧でしょう。

  • 200806読了! ★★

    ん!表紙がはずかしいッ!笑 ろりゆりものっぽいじゃないですか。
    むーーーー、ダメでした、わたし。

    うまいし、世界観の構築には有無をいわさぬものがあるとは思いつつ、もうね、エキセントリック少女的な設定からしてむり。
    ついでにゴスロリ風衣装せっていがもうダメで・・・
    あーもうほんとに自分はラノベ向きではないんですね。

    頭がいたくて熱があるじょうたいでぼーっとして読んだのがわるかったのか、
    えっと、うさぎころしたのだれ?明快なこたえがないままだったような気がしたけど、「わかってんでしょ!」的な感じ?
    それから、どうして藻屑さんには10がつ4にちには嵐がくるってわかってたの?ほんとに人魚だったの? まさかね。

    あと、にいちゃんと藻屑のとうちゃんがもったいない・・・キャラ設定が魅力的なんだから、もうちょっと気合を入れて
    いろんなところで人とからんでいただきたかった。
    まあ、ラノベだからね・・・

    この人、日本海の書き方がうまい!島根出身ですよね。
    わたしが大好きなまんがで魚喃 キリコさんのblueっていう作品があるんですが、その作品はまんがで日本海側の寂しい海をよく表現してある。
    本題よりもむしろそれにものすごく感嘆していたのだけど、文章でいえば桜庭さんだなァ、と思いました。
    日本海の海って、もうやるせないくらい暗いんですよね。晴れて青くても、暗い。そこに海があるだけで憂鬱になるかんじ。
    そーゆーの書くのが、ほんとうまい。


    えっと、これは、大幅に加筆訂正して、ついでに厨房設定をやめて(もうちょっと大人に)めっちゃ手をいれたら、
    すっごく好みになると思います。
    なんか読み終わったあともくすぶる感じ・・・

  • 嫌な話なのに不思議と爽やかな読後感
    大人になってから読んで良かった
    思春期に読んでたら重篤な病を発症していたかもしれない

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著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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