- Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
- / ISBN・EAN: 9784829163535
作品紹介・あらすじ
「じゃあ、帰ろうか」週に一度の銭湯の帰り。志乃ちゃんは、無言で僕の隣に並ぶ。自然に。ごく、当たり前に。他者との接触を恐れているわけでは無いのに、他者との接触を求めていない-そんな彼女が、どうして僕の傍に居続けているのか-。聞いてみたい気もする。でも、聞いてはいけない気もする。どちらが正解なのかは分からない。だから今は待とうと思う。彼女がそれを語ってくれるその日まで。支倉志乃。無口な小学五年生。僕の妹-みたいな、大切な存在。願わくば、君の見る夢が、この世で最も美しいものでありますように-。猟奇事件に興味を示す、ダークでクールな小学生の志乃ちゃんと大学生の僕との純愛系ミステリー第二弾。
感想・レビュー・書評
-
学校の怪談にまつわる事件
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
“だから、というわけでもないのだろうが。
嫌な、予感がした。
やがて、
「そう――分かりました」
ガキはそう言って、ノートを閉じた。
そして、ゆっくりと顔を上げて、俺を見た。
真っ黒な瞳。吸い込まれそうな、闇色。
これまでだって幾度と無く危ない事に手を出してきた俺でさえも、ゾッとせずにはいられない、わけの分からない圧迫感。いや、違和感。まるでこの世界に在ってはならないものを見てしまったかのような――恐怖。ただ、それは決して汚らわしさの混じった感情ではなく、生理的な嫌悪ではなく、そういう宝石であるかのような美しさだった。
だからこそ、俺はそんな少女の言葉を、真正面から受け止めた。
「貴方が、犯人ですね」”
中心となる事件と、それにそれほどかかわりのない事件の平行発生。
なんでこういう形をとっているのだろ?
もうひとつの事件のほうが、何気に深いし。
「微笑」の顔文字には少し泣ける。
“「アホ。アンタはシノシノに人前でスカートの中身見せるような女になって欲しいんか?」
もちろん、そんな女の子には、断じてなって欲しくないです。
「せやったら、ちゃんと恥じらいちゅうもんを教えとかんとな。シノシノはただでさえ無防備やねんから――いや、ちゃうか。無防御、やねんから、その辺り、アンタもちゃんと気をつけたらんとアカンで」
相変わらず超極論から始まって、人様の人格と尊厳を一方的に傷つけまくった挙句、最後には何故かお叱りを受けてしまった。
なんだろう、この屈辱……。
微妙に的を射ているだけに、なお更、性質が悪い。
「まぁ、シノシノのスカートの中を覗いてみたくなる気持ちは分からんでもないけど」
「だから何でだっ!」” -
心理描写を楽しむ小説だと前回書きましたが、今回はそうでもない。
終盤からの展開は正直唐突すぎの連続。犯人と動機は登場時にわかりました。
これだけ読んでたら確実にきってたんですが……もう一冊くらい根気よく読もうと思って粘りました。
この作品の中で一番評価できないのがこれです。 -
2007.3.3
-
1巻に比べ、パワーが落ちてる感じです。
もっとディープにテーマをすすめても良かったと思いますがね。
やはり言い回しが綺麗なので読んでるとほっとします。
ちょっと雑な文があるとイライラしてしまうヘタレ読者なので。
殺人事件の犯人に関してですが、
作者が言っているように正解率は80%くらいだと思います。
1%とかひぐらしのなく頃にみたいなことはありえません。
普通に考えれば読めてきます。
まあ謎を書きたいわけではないようなのでその辺どうでもいいのですが。
わかるとやっぱり嬉しいのがこの手の小説。
簡単な謎を当ててにやりとしましょう。 -
「ほらね。」何を示すかは原作を読んでください。猟奇殺人が好きな小学5年生の志乃ちゃんと大学生の僕が送る純愛系ミステリー第二段。とりあえず泣きそうになりました。
-
1巻よりもちょっと(?)ミステリーしているシリーズ第2巻。1巻と同じくプロローグ+本編前編+番外編(?)+本編後編と言う構成。過去に起きた奇妙な殺人事件は、1つの怪談―『惨殺アリス』を作り出す。そして、それは、悪夢へと姿を変える。『被害者』『加害者』『共犯者』『復讐者』―全ては、自分の為に。
-
この作品、ミステリーを事件に求めず、人の精神性というものに求めて居るんだと思う。