SHI-NO天使と悪魔 (富士見ミステリー文庫 76-3)

著者 :
  • KADOKAWA(富士見書房)
3.42
  • (6)
  • (8)
  • (30)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 116
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829163665

作品紹介・あらすじ

このところ志乃ちゃんの様子がおかしい。もう三日も僕の家によりつかない。普通なら僕のところで夕飯を食べるのが日課なのに。キララ先輩には「倦怠期ちゃうか?」なんてからかわれるけど、僕は心配なんだ。志乃ちゃんが僕を遠ざけるのは、本当に危ない事件に関わっているからなんじゃないかと-。僕の願いは、たった一つ。何時の日か志乃ちゃんが心から笑ってくれるその日まで、ずっと見守っていこうと決めている。だけど、それは志乃ちゃんにとって重荷なんだろうか。僕は志乃ちゃんのことを本当は何も理解できていなかったのかもしれない。1人の少女の誘拐事件に絡む謎が、僕と志乃ちゃんの細くて頼りない絆を変えていく。ダークでクールな小学五年生・志乃ちゃんと大学生の僕が織りなす、純愛系ミステリー第三弾。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 兄の理想(幻想)を叶えるために起こった殺人事件。

  • “「貴方は支倉志乃という少女についてどのように考えていますか?彼女と共にいて、何を感じますか?可愛らしい少女?えぇ、確かに彼女はとても可愛らしいと思います。不思議な少女?それも事実でしょうね。彼女はたとえばお世辞の世界チャンピオンだって普通とは表現できないでしょう。何処か恐ろしい少女?それは真に迫っていると思います。彼女は本当に恐ろしいですから」
    「何を……言いたいの?」
    「簡単な事です。貴方がどのように考えているのかは知りませんけれど、それは本質を捉えていない。わたしが彼女を初めて見た時の、そして今なお変化する事なく感じ続けている感想を言いましょう――『怪物』です」
    怪物、それは凡そ女の子相手に使うには相応しくない単語だ。
    他の誰かに言われていれば、本気で怒っていたかもしれない。
    それはだって、明らかな蔑称なのだから。
    けれど、それでも怒れなかった理由は二つ。
    一つは真白ちゃんの顔があんまりにも真剣だった事。
    そしてもう一つは――僕自身がそれを否定しきれない事。”

    ミステリ要素は今回少なし。
    志乃の本質は未だ鮮明にはならず。

    “「……ま、まず先に、一つ質問させてもらって構わないかな?」
    「はい?もちろん、構いませんけど」
    「……もう会う事はない、とか言ってなかったっけ?」
    人間、不思議だ。驚きすぎると逆に冷静になるらしい。きっと感情のパロメータがクルリと一回転してしまったのだろう。
    「おかしな事を言いますね?」
    けど、そんな僕とは対照的に真白ちゃんはニコリと、それはもう、凡そ世界の何処を探したってそれ以上はないだろうってくらい楽しげに笑った。
    「わたしは『少女』ですよ?嘘くらい、吐きます」
    「―――――」
    何だろう、この説得力。”

  • うーん……
    あいかわらず心理描写やそれにせまる知識のせめぎ合いには目を見張るものがあるのですが、イマイチ突き抜けない。
    トリックやら何やらもいつも薄っぺらい。
    でも読ませる何かがあるのは確かです。

  • 志乃ちゃん愛らしいです。
    彼女がこの先どこへいきつくのか、主人公はそんな彼女を支えていけるのか。
    とても楽しみです。

  • 志乃の可愛さに尽きる。ミステリーもラブ寄せも微妙にしていない気がするけれど問題なし。

  • 2007.3.3

  • 毎回楽しみにしている本作。
    今回も志乃ちゃんは黒いです。
    志乃の設定にはほんとドキドキします。
    すべての犯罪を内包する志乃。そしてそれを支える主人公。
    彼らの未来は・・・

    作者もあとがきで語っているように謎要素は皆無。
    まあ一応あるんですけど、安易に想像できる。
    犯罪心理に触れる作品なのでそういうのに耐性がない方は
    避けたほうがよさげです。
    しかし最近のライトノベルではこのシリーズが一番いいんじゃないだろうか。
    ミステリー傾向な私が言うと当てになりませんが。

  • SHI‐NOの「-」はなんなんだ?まぁそれはそれとして、シノシノの「側にいて」にはやられましたなぁ・・・

  • 総評:中の上の中
     キャラ惚れすれば大抵のコトは許せるとゆー典型かも。紅、円環も含めて最近ちっこい子に弱い風潮がある。ヒロインが完全ダウナーなのに話がまるでダウナーになれてないのは作者側の気質と見た。これはこれで、作風として十分アリだとは思うケド、1歩踏み込んだ救いのない部分も見てみたい気がする。
     お話としては、上遠野のちずるさんシリーズもそうだケド、ミステリで探偵役が無気力系だとモノすっごいカタルシスが萎える。ミステリ色は早めに消した方がよい。

全9件中 1 - 9件を表示

上月雨音の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×