SHI-NO-シノ- 君の笑顔 (富士見ミステリー文庫 76-10)

著者 :
  • 富士見書房
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本棚登録 : 89
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829164150

作品紹介・あらすじ

僕らは、どうしようもなくひとりだ。でも、だからこそ誰かが必要なんだね。そんなことに、今更ながら気づいた僕だけれど、志乃ちゃんには最初から全部分かっていたことなのかな。僕らは決して一つになれないし、全てを分かりあうことなんて出来ない。だけど-。だからこそ、僕は君に思いを届け続けてみせるよ。志乃ちゃんと一緒に、いつまでも歩き続けていたいから。大学生の「僕」と小学5年生の志乃ちゃんとの純愛系ミステリー。信じ続けることだけが、未来への希望。

感想・レビュー・書評

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  • 最終巻を最初に手にとってしまって、予備知識がないだけに少々難解というか覆しすぎ。それに主人公以外の主要登場人物の抱えているものが暗く重い。それだけに最後の志乃の笑顔は値百金。

  • シリーズ完結編です
    この作品は信者なので補正ありまくりですが、最初から読んで中だるみしないならきっと気に入るはずです。
    作者が考える死生観、生き方と、中高生に受けそうな内容です。
    ラノベの武器である『イラスト』が、致命的な武器になっている、そんな作品です。
    哲学に興味があって現代文で読みたいのなら気に入るのではと。
    ミステリメインでは…ないよなあこれ

  • “「支倉さん……貴女以外の他人、必要ですか?」
    「……………」
    「断絶の向こう側に、あの人の姿を望みますか?」
    「……分からない」
    「あの人の元へ駆けつけたいと、そう思いますか?」
    「……………」
    志乃はハッキリと頷いた。
    小さく、ではなく。
    明確な意思を持って。
    「その感情を、恋と呼ぶんですよ」”

    最終巻。
    正直に言うと、まだよく分かってなかったりする。
    いや、事件のほうじゃなくて、『一人』とか『私』とか。
    ただただ、最後の志乃ちゃんの笑顔にほっとした。
    あと、メインキャラが誰も亡くならなかったことに。

    “お互いの意思で望んだ。
    だから、これが僕らの物語の終わり。
    ここから先にあるのは平凡で平坦な日常で、人様にお見せ出来るような大層なものじゃない。事件は起こるが、僕らはそれを二人の力で乗り越えて行く。これがお仕舞い。名探偵にだって文句は言わせない。その先を望むなら、勝手にやってくれ。止めやしないし、邪魔もしない。
    僕が、志乃ちゃんが望んだ生活がここにあるのだから。
    この世界のすべての他人にだって、それは否定させない。
    「……ご馳走様でした」
    「早いね。もう出るの?」
    「待ち合わせしてるから」
    食器を流しに置いて、志乃ちゃんは学校指定のショルダーバッグを持った。幼い彼女の身体には幾らか大きいそれを重そうに肩に掛ける。
    (中略)
    「……………」
    酷く納得いかない表情だったが、根負けしたらしく志乃ちゃんは覚悟を決めた。
    口が何かを咀嚼するように動く。わざわざ準備体操をしなければならない程、筋肉は固まっていた。長い間……ずっと昔から。
    それでも―――――
    「い、行ってきます」
    その笑顔は、僕が見て来たどんな光景よりもずっと綺麗で――光に満ち溢れた、未来そのもののようだった。”

  • ニコ生

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