積木の恋 (プラチナ文庫)

著者 :
  • フランス書院
4.04
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本棚登録 : 672
感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829625163

感想・レビュー・書評

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  • 2作目の最後辺りでもう涙が止まりませんでした…。

  • 発売前からかなり期待してましたが
    この本に出会えたことを感謝したくなるような作品でした。

    宝物です☆5
    涙を拭くのを忘れるくらい没頭して読んだのは久しぶりかもしれない。
    涙腺が壊れたのかあとがきを読んでまた号泣する始末(笑)
    心が揺さぶられるお話しを読みたい時にぜひ。

  • 面白かった。ぼろぼろ泣きっぱなしで読んでたので読み終わったあと目が大変なことに。本編最後は本当に、良かったねと思いました。幸せになって欲しいなと。生い立ちのせいで徐々にまともに働く事がバカらしくなって、生きていくために必要のない情を次々と捨てて詐欺師として生きてきた主人公。が、次の標的にした加賀谷を騙す事が段々と困難になっていくという話。その過程がすごく移入してしまって、気持ちの移り変わりというのがうまいなと思いました。普通なら、単に絆されたんでしょって思うけどそう思わなかった。本当の事を言ってしまいたい気持ち、加賀谷なら受け入れてくれるんじゃないか受け入れて欲しいという気持ち。何をバカな、散々裏切られてきただろう、受け入れられるはずがないだろう早く切ってしまわなければという気持ち。どちらの方に決着をつけるのかと思っていたところへ転がり込んできた真実。やっぱり幸せなんてないんだよって糸が切れてしまうところが哀しかったです。その後の2年間の感情が切なくて切なくて、一生忘れられないんだろうって。ゴミでもいいから思い出して欲しいって。持たない者と持っている者。生まれた瞬間から差があるんだから持ってる者から多少奪ったって平等だろう?ってそうやって詐欺を働いてきた主人公が、加賀谷と出会って手にした答え。納得のいくものだったし、良かったです。そこに辿りつけて良かった。最後は本当に。加賀谷と出会えて良かったねって。幸せになって欲しいなと。
    で、続編。やっぱりそう簡単には幸せにはなれないよね。情を捨ててしまって1人で立って1人で生きる、頼らない、そうやって長い間生きてきたからどうしていいか判らない主人公と、頼って欲しい甘えて欲しいのにそうさせてあげられない自分の歯痒さに苦しむ加賀谷。甘えたら壊れてしまうんじゃないか、この幸せは長く続かないんだろうと、幸せなのに信じる勇気を持てないでいる主人公との溝、歯痒さとか、絶対あるよなという話がしっかり続編で描かれてて、それを超えないと本当には幸せになれないよね。そして、そう甘くはない当然の現実。ただ幸せになった話を読みたい気もしましたが、そこに飛んでしまわないのが良かったです。ぶつかって理解してより強固になるものがあると知らない主人公に、同じく人付き合いの下手な加賀谷が教えるのは難しいだろうなとやきもきしました。でも温和に見えて譲らない加賀谷で良かった。ぶつかりながらずーっと暮らしてけるといいなと思いました。
    最後の短編だけ加賀谷視点だったので慣れずに多少読みにくかった。けど加賀谷が主人公をどう見てるのかが知れて良かったです。主人公視点でも気持ちはとても滲み出てたのですが。
    タイトル。ひとつずつ積み上げていく、しっかりした繋がりになる、そういう意味で捉えてました。あとがきでなるほどなーと。人によって違って面白いですね。その言葉があったからこその続編か。続編が、まさにそういう意味からの話でした。
    口絵見てたので、クライマックスである意味ラストの展開が読めてしまった気も。相変わらずなんか生え際が気になる(笑)けど中の絵は前より人間ぽくて見やすかったように感じました。雰囲気合ってるなーと。

  • 仕事の休憩中に読んだのですが、鼻グズグズで大変なことになりました。
    久々に心がキュッとするBLを読んだような気がします。 
    ワタシ凪良さんのストーリーが好きなんだなぁ…って気がついた。

  • 詐欺師とカモのお話

    このお話、健気な攻め様が良かったです
    ストーリーにぶれがなく、じっくりと読めます

    朝南さんのこれまでにない肌色率の低い挿絵もピッタリでした

  • 初読みの作家さんで、本屋でイラストの雰囲気で買ったのだけど、正解だったな。

    面白かったです。

  • 初出は2007年とちょっと前の作品みたいですが、よかったです。不覚にも泣きながら読了。いろいろな感情が渦巻いてしまって、涙が止まりませんでした。

    家庭環境と愛情に恵まれず生きてきた蓮は、財力ある男たちから金を騙し取ることを生業にしています。病院の長男である医者の加賀谷をターゲットにして詐欺を働いても罪悪感はないうえに、人のいい彼を内心嘲っている始末。でも、蓮に真摯な愛情を向けてくる地味で真面目な加賀谷を知るうちに、未知の感情が彼を揺さぶるようになっていきます。

    リッチで何不自由ないドクターと、男たらしな恋愛詐欺師の華やかな話を想像してはいけません。もっと、地に足のついた恋物語です。
    不幸な生い立ちのせいで人の気持ちを素直に受け止めることができず、かたくなに自分のみを信じて生きてきた蓮は決して誉められた人生を歩んできたわけではないし、性格もかなりねじれているんですが、突き放すことができない愛しさを感じる受です。蓮本人が悪いわけではなく、家庭環境が原因なのが理解できるからなんです。
    一方の加賀谷は家庭環境は恵まれているように見えますが、両親から失望され冷え切った関係にあって孤独です。

    異なるようで似ている二人が惹かれあうのは必然ですが、蓮は相手に対しての罪悪感から加賀谷の愛情に甘えきることができません。
    そして、蓮は加賀谷が自分に惹かれたのには理由があったことを知ってしまいます。

    愛し下手と甘え下手。とても不器用な二人です。
    加賀谷への気持ちを自覚してからの蓮が、幸せを信じられず頑なな態度ばかりとるのには焦れ焦れさせられました。それも、相手のためを思ってのことだとわかるので辛くてたまらなかった。そんな蓮に忍耐強く愛を注ぐ加賀谷は、淡白に見えて実はとても情が深い男だなあと思わせます。
    ストーリーがまた淡々と進行しているようで、中盤以降心にグサリとくるような展開が待っています。冷静に考えれば蓮のこれまでの行いに対して罪を償うのは当然なんですが、心が痛みました。

    ラスト、加賀谷が「親で、友人で、恋人になる」と宣言したのに泣いた。

    書き下ろしが本編と同量くらいの長さで、これがまた泣けてしまって…やばかった。罪を犯した者、マイノリティーな恋愛、そういうものに冷淡で否定的な周囲の眼差しが痛くて痛くて。
    あとがきで重い、とセンセご自身も認めているくらいなので。万里とクーという脇キャラは、確かに明るさを補填してます!両方とも可愛いです。アドベントカレンダーもいいエピです。痛みがあるだけに、近づいた加賀谷と蓮の想いはラブラブなのをしっかり感じさせてくれました。

    久々に涙にくれた作品です。蓮と加賀谷の味方になりたくなります。
    やや心残りは早苗と加賀谷の母親。世間はそんなもんだろうけど、どうにかして。

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著者プロフィール

1973年生まれ、京都市在住。2007年、BLジャンルの初著書が刊行され、デビュー。17年『神さまのビオトープ』を刊行し、高い支持を得る。19年『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で「本屋大賞」を受賞する。同作は、22年に実写映画化された。20年『滅びの前のシャングリラ』で、2年連続「本屋大賞」ノミネート。22年『汝、星のごとく』で、第168回「直木賞」候補、「2022王様のブランチBOOK大賞」「キノベス!2023」第1位に選ばれ、話題を呼ぶ。翌年、同作の続編にあたる『星を編む』を刊行した。

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