お菓子の家: 〜un petit nid〜 (プラチナ文庫)

著者 :
  • フランス書院
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感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829625385

感想・レビュー・書評

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  • おもしろかった。スピンオフだったのか。
    生い立ちの関係もあって、とてもネガティブなんだけどいろいろな面で足掻いたり(頑張りが変な方向へ向いてる時もあるけれど)、かと思えば不安定になったり、目が離せない加瀬が可愛く思えてきた。

  • 良かった!良かった!
    スピンオフ作品ですが、これ単体で読めます。
    私は前作未読でしたが、とても楽しめました。前作を読むと受けの成長ぶり(?)がより一層解るらしいのですが、今回の作品の雰囲気と二人の関係が好きなので、まあいいかなって感じです。
    本作、受けが元DV男とサイテーな奴ですがDV男になってしまった理由、受けの過去描写やDVをしてしまった弱い自分に対して、次はちゃんと好きな人を愛したいと思う気持ちが、じわりと胸に広がって読むたびに心を締め付けられます。
    世界にたった一人のような受けを受けとめてくれる攻めが、また色々と重たい過去を背負っているわけですが、受けとは違い大らかな人で、でも実は臆病で~っていうのがツボでして、番外編の攻め視点の話が受け溺愛でとても楽しく読めました。
    受けの孤独描写が上手くて、早く幸せになってー!と思いながら読みました。たまにじわりと目頭が熱くなったりもしました。
    素敵な一冊に会えたと思います。

  • 凪良ゆうの作品は出版されるたびに、読めば必ず何かを残してくれる。作品の内容はかなり暗い。というかコメディー以外では、傷ついた暗い登場人物が必ずといっていい程主人公だったりする。けれど、一度として途中で投げ出したくなったことはない。読み出せば最後までヤキモキしながら時にド不幸な登場人物を応援しながら一気に読んでしまう。最後は本当にしみじみ幸せ〜な気持ちになってホッと安心して終わる。加瀬が幸せになってホントに嬉しいです。要との再開シーンもとても嬉しかったです。

  • 良かった!良かった!加瀬が救われるのならもうそれだけで十分です。幸せになってくれ。
    ずるずる泣きました。もう出だしから。「夜明けには優しいキスを」の最後で、もう大丈夫だからって離れていったのですが、大丈夫なわけないじゃん…て。絶対大丈夫じゃないよ、だってまたひとりなんだよって思ってたのですが、やっぱり大丈夫じゃなかった。そんな簡単に変われるなら、好きなのに大事にしたいのに、暴力振るったりしないですよね。ひとりきりで、貰ったシャツだけを支えに、大事にしてて、ぼろぼろ泣きました。
    優しくされて、好きになって、でもまた気持ちを持て余して同じ事を繰り返すんじゃないかと怯えて、苦しんでるのが切なかったです。暴走しかけて、また繰り返してると必死で歯止めかけて、一生懸命適切な距離を取ろうとして。あんなにべったり引っ付かれても突き離さない相手で良かったなと思いました。ゆっくりゆっくり辛抱強く待ってくれる人で良かったなぁ。どこまででもくっついてたかと思えば距離置かれたり、ちぐはぐな態度取ってるのに、見捨てないんだもん。阿木は阿木で傷を抱えてたけど、だからこそ察する事が出来る人で、阿木に拾われて良かったなぁと思いました。ずけずけ言うのに優しい人。ちゃんと見て、察してくれる人。聞かないけど、待ってる。色恋はしないときっぱり断っても、撫でてくれる優しい人。断られても一途な加瀬の願いが切なかったです。ただ側に居たいだけ。
    描き下ろしで阿木も思ってましたが、一度懐くと無防備すぎて、依存しすぎて片時も離れたがらなくて極端さに驚きましたが、裏返せばそれだけ飢えてるという事だよなぁと思うと切なかったです。埋まらない穴。だから前はあんな風になってしまったのだけど。繰り返さないように何とかバランスを取ろうとする姿がまた切ない。
    理央をちゃんと守れて良かったなぁ。守り方も人付き合いの仕方も、なんにも知らないだけなんだよね。知ればきっと少しずつ気持ちをコントロール出来るようになるんじゃないかなと思いました。これからこれから。まだ簡単に不安は消えないけど。最後まで不安は残ってたし、書き下ろしでも「そばに住んで、来てくれるのを待つ」と答えたのを、おかしな方向への前向きさと書かれてるけど、それって切ない答えだよなぁと。二号店の話も。とても可愛くもあり、切なくもある。早く幸せを、自分が好かれてると言う事を、信じられるようになるといいなと思いました。これからきっと甘やかされると思うので!何にせよ良かったです。
    理央がかわいかった。登場した場面では苦手かも?と思ったのですが、とてもかわいい良い子でした。かわいかった。動物園の話がすごく良かったです。
    あとがきでこの2人の甘い話ならいくらでも書けそうとあったので、ぜひそれで1冊出して欲しい。どろどろに甘やかされる加瀬が見たいです。
    挿絵も違和感なくてすごいなと思いました。一応前の話で加瀬も挿絵で出てきてて、そのイメージがついてしまってたので。色々要求をしてしまったとありましたが、苦心されたんだろうなと思いました。でもとても良かったです。


    「アイシングように」はすっごい考えてしまいました。どういう誤植だろうと。アイスのように?予測変換?

  • 「夜明けには優しいキスを」スピンオフ こちらは未読
    非常に読みたいけれど、2009年だそうで、しばらくは手にいれるのは無理かなぁ。

    束縛気質の攻だったが、甘やかしてもらえる受として幸せを手にします。
    心が痛い場面も多いけれど、シリアス気味のお話は、このくらいは無いと半端になってしまうのでしょう。

  • すっごく良かった~!!いいお話でしたっ!「夜明け~」での加瀬がどんな人だったか全然覚えてなかったけど支障なく読めたし、逆にそれが良かったのかも(笑)加瀬は可愛がってもらう側の人だったんだろうな~というのをしみじみ感じました。阿木さんのそばにずっと居たいけど・・・って葛藤してる加瀬がいじらしくてせつなかった;;ほんと、阿木さんと出会えて良かったー!><「甘猫」での甘々っぷりにはニヤニヤww阿木さん視点で書かれてる加瀬がめっちゃ可愛かった~^^クロワッサンとの三人(匹)のシーンはほのぼのしててすごい好きーvイラストもとってもステキでした☆

  • どうやらスピンオフ作品のようです。
    前作を知らずに作者買いしましたが、前作を知らずとも読めました。
    生い立ちのせいで人とコミュニケーションが取れず、どこまでもネガティブだった男、加瀬が、ひょんなことからバン屋の店主阿木に拾われて、周囲の人々とふれあいながら、すこしずつ交流を深めていく・・・。

    主人公・加瀬の不幸っぷりが切ないなあ。
    普段は特に欲もないのに、好きな人ができたら所有欲や独占欲を剥き出しにしてしまうのに、一度失敗しているぶん、今こそはどうにかしようと、足掻いて足掻くのには読んでいて感情移入してしまいました。人に頼れないからなんだよねきっと。
    阿木にそれこそ猫っ可愛がりされるといいよ!!

  • 元攻めのひとなのに、本当に猫みたいでした。

  • 2009年07月刊 白泉社花丸文庫BLACK 「夜明けには優しいキスを」スピンオフ

  • 上手に距離感がつかめなくて、アンバランスに情緒不安定になって・・って、わかってしまって辛い

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著者プロフィール

1973年生まれ、京都市在住。2007年、BLジャンルの初著書が刊行され、デビュー。17年『神さまのビオトープ』を刊行し、高い支持を得る。19年『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で「本屋大賞」を受賞する。同作は、22年に実写映画化された。20年『滅びの前のシャングリラ』で、2年連続「本屋大賞」ノミネート。22年『汝、星のごとく』で、第168回「直木賞」候補、「2022王様のブランチBOOK大賞」「キノベス!2023」第1位に選ばれ、話題を呼ぶ。翌年、同作の続編にあたる『星を編む』を刊行した。

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