ひだまりが聴こえる-リミット-2 (Canna Comics)

著者 :
  • プランタン出版
4.36
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本棚登録 : 958
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829686157

作品紹介・あらすじ

難聴を患い周囲と距離を置くようになってしまった大学生の航平は、
底抜けに明るい同級生の太一と出会い、
少しずつ変わっていく。そして、両思いになったふたり……。
リミット編では、自分のやりたいことを見つけ社会人になった太一と、
学生生活を送る航平の新生活がスタート。
しかし、想い合うほど二人の気持ちはすれ違っていき――。

感想・レビュー・書評

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  • 自分は、聴覚障碍についてあまりにも無知なので、聴覚障碍のある方が普段どんな事で困っているのか、どんな苦労をなさっているのか、この漫画を読んで初めて知る事がたくさんあります。
    そういった機会を与えてくれたことに本当に感謝しています。

    今回も、「聴こえる人と聴こえない人が、どう関わって生きていくべきなのか」ということを非常に考えさせられました。
    航平と太一の恋愛関係だけでなく、ヤスとマヤ、千葉さんとリュウ君(兄弟)、航平と母親(親子)、犀さんと昔の彼女など、様々な関わりが描かれて、聴覚障碍に対して偏見を持って接してくる人や、利用しようとする人、健聴者には分からないだろうと手話でバカにしてくる人...他にも色んな人が出てきます。
    これだけ沢山登場人物が出てくるBLも珍しいのかなと思います。

    好きな人を笑顔にしたい、力になりたいと思う太一と、太一の負担になりたくないと距離を置こうとする航平。
    お互いに想いあってるからこそ生まれるすれ違いが、とても切なかったです。

    リュウ君の言うように、分けて生きる方が楽なのかもしれないけれど、太一のように歩み寄る努力をすることが間違いだとは思わない。
    私にもまだ答えは分かりせんが、二人がどんな答えを出すのか、見届けると共に、太一のように、私も周りの人に優しくしたいと思いました。

  • リュウが周りにされてきたように、リュウもまた偏見で凝り固まっている。
    彼の言葉で太一との関係が太一に負担をかける事だと呪いをかけられなければ良いが。

    初対面でも耳が聞こえないと言われても自分が手話がわからない部分があっても
    全く物怖じしないで話しかける太一は本当に凄い。
    千葉さんも、航平にすぐに謝れるところが凄いな。大人が子供にちゃんと謝るだけでも珍しいのに、
    言葉を尽くして丁寧に謝罪している。

    航平の為にと思って、愛情表現に近い思いで告白したことを
    悪く取られるのはきつい。
    しかし航平としては、太一が大学を辞めてしまったのは自分のせいということかとショックを受けるのも分かるのだ。

    スカウトの人、しつこく声をかけてきておいて
    耳が悪いならいいや、は酷い。
    そういう経験が降り積もれば、嫌気が差して諦めもはやくなってしまうと思う。

    リュウのゲームお披露目会でも物怖じしない太一が好きだし、
    失礼なことを言われて怒ってくれる航平も、
    糺そうとするユミさんも、暴力はいけないものの殴ってくれるリュウも
    みんな優しいのに、
    すれ違ってしまう太一と航平が悲しい。

    むしゃくしゃして誰でもいいからぶん殴りたいの問題発言から、お祭りで太鼓を叩くことになるのがなんだか微笑ましかったし
    友達と話して色々気づけたようではあったが。

    リュウと航平、千葉さんと太一の会話はそれぞれ良かったのに
    結局会社まで来て距離を置きたいと言ってしまう航平、
    それに戸惑う太一で終わってしまうのがしんどい。

  • 6〜10話

    本当に千葉さんの教育方針が素晴らしい。
    そしてすれ違う太一と航平。わかるよ航平、わかるけどそうじゃないんだ。。。辛い。
    すれ違いはあれど、2人でデート。太一の唇のソース指で拭いてそのあと舐める航平1000点満点ですね。

  • いつも読んだ後に考えさせられるこのシリーズ。
    今回も太一と航平のすれ違い。

    太一は航平との出会いを通して視野も広がり、航平たちのような人の〝ために〟という気持ちと自分のしたい事としていまの職業を選んですごくやりがいを感じているけど、航平にとっては自分の〝せいで〟と感じている。
    航平は自分のハンデのせいで相手を不快にさせたり傷つけたくないから必要以上に気を使ったり過保護になり、太一ともめたり。

    お互いがお互いのためを思って思いやりで接していることがすれ違ってしまっていて焦ったいしとても切ない。
    この二人意外の場面でも相手のためにと思ってしていることが相手の負担になっていないか、自分の行動も振り返る機会になりました…

    次巻では誤解とすれ違いが解消してくれますように!

  • 無印→幸福論→リミット1→リミット2→

  • 【あらすじ】
    難聴を患い周囲と距離を置くようになってしまった大学生の航平は、 底抜けに明るい同級生の太一と出会い、 少しずつ変わっていく。そして、両思いになったふたり……。 リミット編では、自分のやりたいことを見つけ社会人になった太一と、 学生生活を送る航平の新生活がスタート。 しかし、想い合うほど二人の気持ちはすれ違っていき――。

    【感想】

  • すれ違いのまま。でも周りのキャラの話も掘り下げてて読み応えありました。
    『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』という小説を読んで手話の奥深さに触れていたのでリュウのお兄さんの話はちょっと違う角度で読めた。

  • ラブラブがみたい・・・

  • [ふゆ side]
     急いで最新刊を読んでから、考えるところがあって、最初から全巻読み返した。そして、周囲の環境とふたりの変化にともなって、同じ問題を繰り返しているようでいて、それが螺旋を描くように別の形を見せているように感じた。
     主人公ふたりのうちのひとりである航平が難聴を抱えるふたりの関係は、真っ直ぐには進んでいかない(健聴者である太一のほうにも親のトラブルによる家庭の問題があり、太一にとっての困難ではあったけれども、ふたりの関係性のなかで大きくクローズアップはされてこない)。航平が聾者であるリュウと出会ったり、かれを通じて健聴者が主ではないコミュニティに深く関わっていく経緯と、太一が大学を辞めて手話を通じたサポートを得意とする会社で働き始める経緯とのなかで、ふたりのすれ違いが大きくなっていく状況は、なんとも読んでいて辛いけれども、自身が航平や太一と同じ立場にたったとき、そのすれ違いを小さくする行動がとれるかどうかを考えると、かなり頭を悩ませてしまう(太一は他者とのコミュニケーションに関しては魔法使いめいた、いっそファンタジックな人物だけれども、その太一ですら、あるいはそういう太一だからこそ、航平の逡巡には気づけない)。わたしにとっては、冒頭近くでヤスが感じていた疎外感や、後半で出てくる「障碍をもって生きるということは寂しさに慣れる作業だ」という言葉が、近しく思えてしまう(「障碍をもって」の部分を省いてしまってもいい)。そして、その直前の、航平とリュウとの会話のなかで出てくる、航平の差別に関する考え方に、わかると思ってしまう。
     以下は、この話を読んで、個人的に考え込んでしまったこと(物語と関わる部分もありますが、直接的ではありません)。人と人との関わり合いは、単純な部分と複雑な部分とが混ざり合っているものなので、例えばそのバランスをとるのが困難だったり、苦手意識をもっていたりすると、人との接触はとても難しいものになるように思う。線引をして人との密な接触を断ってしまったり、自分と近しい背景や文化をもつ人たちとだけ接触するコミュニティのなかに閉じこもることは、そういう自身が疲労から回復するためにとても大切な時間であるとともに、その外部の人たちとの関わりが疎遠になることもあるのではないかと思う。余計な軋轢を生んで双方が疲弊するぐらいなら、最初から関わらない/交わらないというのもひとつの選択肢だと思うけれども、お互いに強い好意が育っていたときには、その選択は哀しい別れになってしまう。
     最初の巻を読んだときは、こんなに長く続く話になるとは思っていなかったし、リミット編が 3 巻以降に続くことになるとも思っていなかったけれども、個人的にはとても引き込まれる話になっているので、この先も期待して待ちたいと思います。

  • 切なすぎるよ。2人には幸せになってほしいのに。

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著者プロフィール

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「2016年 『オリジナルボーイズラブアンソロジーCanna Vol.48』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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