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- Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
- / ISBN・EAN: 9784832967410
作品紹介・あらすじ
本書は、民法と憲法、民法改正、民事特別法制の意義、サブリース契約、遺言という民法学の重要論点を網羅した論考集である。
1990年代以降の日本は、法システムの大きな変動期に入っている。変動を主導している価値は、大きくは2つに整理できるであろう。1つは市場の価値である。とりわけ市場の自由が称揚され、法は、市場の自由を支援するところに自己の役割を限定すべきものとされる。そのようにして、事前規制から事後規制への転換が語られ、規制緩和が法政策を主導する重要な理念となる。もう1つは人格の価値である。法は、現代社会における多様な個人に関わる多様な価値を考慮することを要請される。自由もまたそのような価値として重要な意味を持つが、それだけでなく、平等や生活・生存の価値も重要である。1990年代以降の日本法システムの変動は、これらの多様な人格的価値を法が支援するという要請にも主導されている。
本書は、このような法システムの変動と2つの価値の相剋という問題状況を念頭に置きつつ、1990年代末から2000年代にかけて公表してきた諸論考から一定数のものを選び出して一書に編んだものである。
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