LEAP ディスラプションを味方につける絶対王者の5原則

  • プレジデント社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833423441

感想・レビュー・書評

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  • 創発的な戦略プロセスの記述のなかで、VUCAの状況下でトップダウンの大きな戦略決定が難しいときには、まずは、既存事業の日頃の業務担当がまずは戦術的に活動すべきとあった。
    既存の事業の延長から軸足をずらしたところに新たなゲームチェンジが起きる場合に、その事業部門下でそのような活動ができるかどうかは、その部門トップの視野の広さが問われると思った。
    リクルートがセルフ・カニバリゼーションを覚悟してオンライン化に取り組むことで、パラダイムシフトを乗り越えたというエピソードが紹介されていた。これはAmazonnがカスタマーからUndifferentiated Heavy Liftingを引き受け、カスタマーを巻き込んだ改善プロセスを回すことで、プラットフォームとして誰も追いつけないサービスを構築していく構図と全く同じだと感じた。
    顧客を巻き込む改善プロセスを構築する際に、人に近づき顧客の困りごとを汲み取るというプロセスそのものが、「正解がコモディティ化し、課題の発見そのものの価値が高まる現代」においては、非常に本質的な企業活動になっていくだろうと強く感じた。

  • 読みやすく主張もわかりやすかったです。著者はスイスのビジネススクールIMDの若手教授として企業のエグゼクティブ向けプログラムにも携わっているとのこと。ハーバード大学でDBA(経営博士号)を取得していることからわかるように、本書もデータ分析というよりは、企業の事例を紹介するハーバード流ケースメソッドになっています。本のタイトルになっているように、ある企業が長期間にわたって競争優位性を保つためには(生存するためには)、LEAP(跳躍)が必要だとのこと。ここでの跳躍とは、高みに飛ぶというよりは別の領域に飛ぶというニュアンスです。

    この本を読んでいて思い出したのが神戸大学の三品和広先生が書いた「戦略不全の論理」「戦略不全の因果」です。詳しくは覚えていませんが、確かこの本では「事業転地」というような概念が提示されていて、長期間競争優位性を持続する企業は、事業グラウンドを転地している、ということが定量的に示していました。これはまさにLEAP(跳躍)ということでしょう。ですから本書は三品理論をケースで分かりやすく示した本という位置づけになるのかもしれません。ただ本書のなかで三品先生の研究については触れられていなかったので、ユー先生は三品理論を知らないのかもしれません。

    本書で紹介されているケースとして、たとえばスイスの製薬企業があります。製薬企業はもともと有機化学分野での競争をしていたわけですが、有機化学分野のオートメーション化が進むと差別化も難しくなりますから、次に微生物学の領域にLEAPし、土壌の中に住む微生物の探索に移るわけです。そして近年ではゲノム解析の領域へとLEAPしているというわけです。変化が激しい時代において他の領域にLEAP(跳躍)することは確かに必須でしょう。しかもこれは企業に限らず人材面でも同様と思います。学生時代に学んだスキル領域だけに固執している人は、今の時代はなかなか価値を生み出せないはずで、個人レベルでもLEAPが必要だと思いました。

  • 新しい事例が多く、読み物としては面白い。ただ、理論構造がシンプルすぎて、もう少し詳細なモデルがあるとよかった。

  • 3つのレバレッジ・ポイント
    1.ユビキタスなネットワーク環境の出現
    2.知的なマシンの止めようのない進歩
    3.人間の仕事の仕方の変化

  • 先ず「LEAP」と「ディスラプション」ってどんな意味だっけ?っと思って直ぐに調べたのですが其々、「跳躍」と「破壊」って意味でした。本の概要なのですが、後発の企業がいかに業界のリーディング企業に追いつき追い越したか、既存の事業で行き詰ってきた企業がどの様に新規事業に進出し成功・失敗したか、人工知能の進歩等について題名のキーワードである「躍進」と「破壊」がどの様に起こったのが書かれております。

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