メディアの未来 ー歴史を学ぶことで、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、SNSの未来は導き出せるー

  • プレジデント社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833424295

感想・レビュー・書評

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  • 原題は「メディアの歴史」。邦題は「メディアの未来」。未来を知りたい人は11ないし12章から読んでも良いのかもしれない。

    11章まではヨーローパ中心に歴史を俯瞰する。アメリカや日本にも触れている。権力者や富裕層などとメディアがどう歩んできたかを概観できる。記録的な価値もあると感じた。

    イタリアのアッヴィージの話は初めて知ったので引っかかるなあと思っていたら、最後の今後のメディアのあり方でデジタル・アッヴィージを提唱しており興味深かった。筆者はいまのアメリカのテック大手には批判的で、それらに飲み込まれない対抗する力を個人が持つべきだと主張する。総論は賛同する。

    そのための具体的な方策も示されている。いまのジャーナリズムにそれに呼応する覚悟があるのかを問うのがこの本の隠れたテーマだと感じた。

    • echigonojizakeさん
      フランス語の原題は「メディアの歴史」
      メディアとあるが、私たち一人一人の情報との付き合い方を考える契機になる。500ページ強あり当初はたじろ...
      フランス語の原題は「メディアの歴史」
      メディアとあるが、私たち一人一人の情報との付き合い方を考える契機になる。500ページ強あり当初はたじろいだが、意外とさっと読めた。

      いつものように縦横無尽にいろんな情報をさくさく捌いてきて気持ち良い。最後の彼の主張に私は賛同したい。デジタル・アッヴィージ、面白い。
      規制のあり方についてもヨーロッパの知識人らしい切り口と感じるが、一部に独占させる形は危ういとの危機感は共有した。
      2021/11/20
  • ◎こころ:ジャーナリズムの起源は?そして未来は?
    ○ツボ:悲観的な未来、顕在化する危機。それをどう変えられるか。
    ☆問い:医療福祉ジャーナリズムの危機からの回避策のためにまず何ができるか。

  • 361.453||At

  • ずっとGAFAは、自分たちはプラットフォームであってメディアではない、と言い続けてきました。一方、フェイスブックの社名変更に見られるようにメタバースを目指し、WEB3時代の情報生成に乗り遅れないようにしているように思います。じゃメディアってなんだ?ということで本著です。さすがの碩学、ジャック・アタリ、人類とメディアの関係史を三万年前から紐解きます。いきなり書名の「メディアの未来」を知りたい人はイライラするかも知れません。昨日を知ることで明日を知る、というアプローチですから。(そもそも原著は「メディアの歴史」みたいなので、イライラの責任は著者にはない?)
    備忘として目次をメモります。
    第1章 君主のニュース、大衆のニュース~三万年前から近代の夜明けまで
    第2章 使者の時代~一世紀から一四世紀まで
    第3章 印刷革命~一四〇〇年から一五九九年まで
    第4章 近代における活字ニュースの始まり~一七世紀
    第5章 表現の自由、ジャーナリズムと民主主義~一八世紀初頭から産業革命前まで
    第6章 出版、「大衆の自由の大きな盾」~一七八八年から一ハ三〇年ま
    第7章 他人よりも先にすべてを把握する~一八三〇年から一八七一年まで
    第8章 進歩を活かす~一八七一年から一九一八年まで
    第9章 読む、聞く、そして見る~一九一九年から一九四五年
    第10章 三大メディアの黄金時代~一九四五年から二〇〇〇年まで
    第11章 徹底的に、読む、見る、聴く、触る~二〇〇〇年から二〇二〇年まで
    第12章 情報を得て自由に行動する~二〇二一年から二一〇〇年
    第13章 何をなすべきか

    ふー…自分にも明日が見えるか?

  • メディアの歴史を、先史時代まで遡り大観した上で、来るべき未来像、およびこれに対してどう対処すべきかを提言する。
    大半が歴史に関する叙事的な記述であるため、正直退屈さは否めないものの、最後の2〜3章におけるメディアの本質を抉り出す論考、未来予測を紡ぎ出す慧眼は、圧巻の一言。前書きにあるように、退屈で挫折するくらいであれば、ぱらぱら見出しだけでも読み進めていって、最後の数章のみ精読する読み方が正解かも。

  • 資本主義とテクノロジーの進歩によって、ジャーナリズムはどんどん切り崩されていく。政治も大きく混乱するだろう。そんなメディアの未来に警鐘を鳴らし、「何をなすべきか」を提示する、大変まっとうな本ではある。

  • 産経新聞20211031掲載
    日経新聞2021116掲載
    毎日新聞20211211掲載 評者:岩間陽子

  • メディアを限定した遍歴が示した本。
    技術進歩で概念が変化してきた事実を再認識できた。「今の当たり前が将来の当たり前ではなくなる」といった認識を常に持っておきたい。
    また、各世代でどんなメディアに触れていたかで集団的な価値観が形成されてきたのだといった認識も持てた。

  • 東2法経図・6F開架:361.45A/A95m//K

  • 情報を伝える媒体であるメディアの歴史を紐解いていき、現在のSNSの台頭による消費者の媒体に対する時間の変化、さらには未来までの考察を500ページ強で書いている本。
    第10章までは過去の歴史を紹介しており、特にヨーロッパを中心とした、メディア変遷の歴史背景、王族や貴族などのヒエラルキー上位の情報統制の様子などを様々な参考文献から引用したと思われる事実ベースの内容を記載している。
    11章から13章は現在のSNSに関する内容や、今後のメディアのあり方などをまと目てくれており、過去の歴史を紐解いても、現在メディアで起きている内容は技術進歩によって大衆が個のコミュニケーションをできるようになった時間軸の変化以外、大枠が変化していないことがよく理解できる。一読の価値はあると思います。

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著者プロフィール

ジャック・アタリ(Jaques Attali)
1943年アルジェリア生まれ。パリ理工科学校を卒業、1981年大統領特別顧問、1991年欧州復興開発銀行初代総裁。1998年に発展途上国支援のNPOを創設。邦訳著書に『アンチ・エコノミクス』『ノイズ』『カニバリスムの秩序』『21世紀の歴史』『1492 西欧文明の世界支配』など多数。

「2022年 『時間の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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