ハッピー社員: 仕事の世界の幸福論 解決!組織で働く悩み (PRESIDENT BOOKS)

著者 :
  • プレジデント社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833450058

感想・レビュー・書評

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  • もう中年か

  • 著者は、
    経営学のなかに常備されるべきテーマとして「幸福」というものが必要だと思ったため、
    この本を書いたそうだ。

    それは、リーダーシップだけでなく、職務満足も、
    人事制度も、組織変革も
    すべて働く人びとの幸福にかかわっているからだからという。

    ▼仕事の中のスピリチュアリティー

    ビジネスパーソンの中でも「仕事の中のスピリチュアリティー」がある人は幸せだという。

    「仕事の中のスピリチュアリティー」というのは、
    「誰かのために」というのをすべて消してもこの仕事をやりたい、という気持ち、
    例えば家族のために、お金のために、というのを全部捨てたときにまだ残っているもののことだ。


    そのような「自分の内面」を見つめるための質問は下記の通り。

    ●あなたがこれまで仕事をしてきて、
    いちばん嬉しかったことは何ですか。

    ●どんなに信頼している上司に頼まれても、
    あるいは、断ると自分に不利になる可能性があっても引き受けられないことは何ですか。

    ●仕事を選ぶ、あるいは続けるときに大切なものを3つ挙げてください。
    その中で、どうしても譲れない1つは何ですか。

    ●今の仕事を辞めようと思ったことがある場合、まだ辞めていないのはなぜですか。

    ●どうしても犠牲にしたくなかったものは今までありますか。


    ▼活き活きした人ってどんな人?

    神戸大学の加護野忠男先生たちがやっているAPO研という研究会が、
    「いちばん活き活きした人」をノミネートしてもらってインタビューしています。

    「活き活き」の要因の1つとして目立ったのは、
    自分なりに折り合いをつけて、ぶっきれることだったんです。



    ▼リーダーシップとは

    力のあるミドルなら、営業ならまったく新しい営業のやり方、
    開発なら画期的なイノベーション、
    さらには、まったく新しい事業に着手し、実現していく。

    顧客にも自社にも、ひいては社会からも評価されるような
    営業革新、画期的開発、新事業を立ち上げるには自分から夢のある絵を描く必要がある。

    このときに、マネジャーからリーダーへの移行期をくぐる。

    ハーバード・ビジネス・スクールの
    ジョン・P・コッターは、会社のような複雑なシステムに予算などの仕組みを使って人々を束ねるのがマネジメントで、

    今ある仕組みを組み替えたり破壊したりして
    新しい変革を導入・実現するために
    人々を動員して巻き込むのが
    リーダーシップだと定義している。

    彼の言葉を借りれば、「複雑性への対処」がマネジャーの、「変革への適応」がリーダーの課題ということになる。


    ▼サラリーマンへのメッセージ

    企業の寿命は30年だが、
    人間の労働寿命は50年。

    知的労働の時代には、企業の寿命より自分の労働寿命のほうが長い。

    ということは、自分の仕事を創っていかなければならない。

    四十代はその時期なんです。

    それに気づかなければいけないし、
    四十代でも遅すぎない。



    40代でその気付きを得るため、自分の仕事を創るために、
    いまはいっぱい仕込み(質<量)をしたいと思います。

  • マズローの5つの欲求階層のうち自己実現の欲求だけ他とは異質で「付ける」ことで満たされない欲求であるという切り口は面白かった。

    『世の中には病院があったり、会社があったり、財団があったり、いろんなものがある。どれも存在意義があって生まれてきたはずなのに、何年かしたら、「なぜ」とか「誰のために」ということを忘れてしまうから、しばらくまったく意味がないのに存在しているものがあると。』
    という本文にはドキッとさせられる。

    ちょっと自分には読みにくい本だった。

  • ■概要
    「いいゴマすり」してますか? 「出世より自己実現」ですか?
    リーダーシップ論、部下の幸福論、キャリアの問題、中年論などに
    組織行動論の立場からアプローチした一冊。

    ■仕事に活かせる点
    「最初の上司との関係でキャリアが決まる」とのこと。
    以前、育成に関するインタビューをした際、そういう意見を聞いたことがある。
    例えば、OJTトレーナーの任命には、もっと配慮してもよいのではないか。
    OJTトレーナーの役割はいかに重要なものなのか、もっと強調/意識付け
    した方がよいのではないか。

    「これは嫌だ」という気持ちはエネルギーが大きい。
    「あなたの目指すところは」と聞くよりも、「あなたが絶対に目指して
    いないところは」と聞くほうが、本当に進みたい方向が分かったりする。
    「○○は嫌だ」、「○○はごめんだ」と言っているほうが、案外やりたいことが
    はっきりしてくるとのこと。なるほどなと納得。
    研修/ワークショップの演習やアンケートの質問項目等に、問い方の工夫として
    取り入れられると思う。

    (山)

  • 「上司がダメでどうしようもない・・」「部下が使えなくて困っている」
    会社における身近な人間関係で悩んでいる人は、
    読めば少し前向きになれると思います。

    よりリアルに「会社組織」「組織内の上司部下関係」について、考えることができます。
    雑誌の対談をまとめたものなので、非常に読みやすく、普通に読み物として面白いと思います。

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著者プロフィール

神戸大学大学院経営学研究科教授

「2012年 『実践知 エキスパートの知性』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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