広島の原爆 (福音館の科学シリーズ)

著者 :
  • 福音館書店
4.31
  • (30)
  • (12)
  • (11)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 295
感想 : 39
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (84ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834012651

作品紹介・あらすじ

本書は、生存者の証言をもとに再現された、広島の町と、そこに暮らす人びとのようすが描かれています。小学校上級〜大人まで。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ぜひ手元に欲しい。小学生からでも読みやすいので、原爆について学ぶには最高のテキスト。大人でも勉強になったし、毎年8/6.9に読みたいと思った。

  • 絵で読むって書いてあるけど、とてもこまかいことが書いてあってびっくりした。絵がこまかく書いてあって、この本を作った人はとてもくろうしてたんだろうなと思った。

  • 「大変な力作です。見開きいっぱいの絵で表された戦前、戦時中、原爆が落とされた時、そして戦後の広島の町の風景を縦糸にして、第二次世界大戦前後の国際情勢、原発が開発されていく過程、原子爆弾の仕組み、原爆による被害の大きさ、原爆症等々をかなり詳しく説明しています。唯一の被爆国である日本の全ての子どもたちに手に取ってほしい本です。」
    (『読んでみない?科学の本 しらべてみようこんなこと』子どもと科学をつなぐ会 編 連合出版 2000  の本での紹介より抜粋)

    「原爆投下によって広島は焼け野原になりました。生存者の証言に基づいて、変化した町の様子を、大きな紙面にえがいた絵本です。」

    私たち大人がまず事実を知ること、それも子どもといっしょに事実を学ぶことで、次世代へと語りついでいくこと。

    1945年8月6日午前8時16分、激しい閃光と爆風が広島の町を襲いました。熱線と放射線、爆風、続いて起こった火災。人々は安全な場所を求めて逃げまどいましたが、そんなところはどこにもありませんでした。原爆が投下された8月6日とその前後を克明に描いた『絵で読む 広島の原爆』は、あの日の広島に居合わせた、たくさんの方々の証言に基づいて制作された絵本です。

  • 修学旅行生たちの事前学習のために作られた本とのことで、市内全体の被爆状況や、原場の原理、開発や投下に至る歴史的経緯、更に被爆以後までを網羅されており、理解が深まりました。絵があることで、読者に迫ってくるものがあり、絵の中の疑問点については巻末に詳しい説明がついているのですごくわかりやすかったです。
    もともと、日本が侵略を始め、その範囲をどんどん広げていったことで始まってしまった太平洋戦争。
    核分裂が発見された9か月後、第二次世界大戦が勃発した。科学界の大発見と世界史上の大事件は同時代に起き、原爆に結びついた。
    平時には考えられないことが不穏な時には起こってしまう。恐ろしい。世界情勢とか政治に自分ごととして関心を持っていることが大事なんだろうな。
    これが伝わってくるのは作者の情熱の賜物だと感じました。

  • 図書館本。読売こども新聞イチオシ100冊から。8月6日を前に。戦争について、どういうアプローチがいいか、悩ましい。

  • 今は戦争のない日本になってよかった

  • 先日、久し振りに息子と絵本を読みました。
    絵本は小学校の図書館で借りてきた『絵で読む 広島の原爆』です。

    原爆が落ちる前の美しい広島の街並みや生活、被爆直後の惨劇、そして復興した現在の姿について、大判のイラストとわかりやすい文書で説明してあります。
    細かい解説のページも交えて解説してありますので、子どもだけでなく、大人も勉強になる作品ですね。

    私の故郷で、約60年前に実際に起きた出来事です。
    息子にも事実をしっかり伝え、平和の大事さを理解させたいですね。

  • 子どもだけでなく、大人にも読んでほしい本です。
    原子爆弾に対して、科学的に書かれていて、初めて知ることが多かったです。
    広島と長崎に投下された爆弾の違いもわかりましたが、消化しきれなかったので、もう一度読み直したいです。


    本文から
    56p
    ・45年7月、米国のアラモゴードの砂漠で行われた最初の核実験以来、核保有国は、何百回となく、実験を繰り返してきました。その数は確認されているだけでも1951回(1993年現在)にのぼります。たびかさなる実験は、周辺の住民にも、深刻な影響与えました。
    ・原爆の材料となるプルトニウムは、原子炉以外からは、生産されないのです。その意味では原子炉は、核兵器と切っても切り離せない関係にあります。
    57p
    ・…世界の被曝者数は、約3,500,000人に上ると推定されています。中でも旧ソ連の2,487,000人と米国の885,000人は群を抜いています。

  • 子ども向けの絵本と思っていたが、もっともっと深いものだった。
    核の傘に身を置く愚劣さに怒り心頭。広島出身の現首相はどれだけ腐った人間か。

  • 科学絵本。
    文の那須正幹は「ズッコケ三人組」シリーズで知られる児童文学作家である。広島生まれ、3歳の頃に被爆している。自身は軽傷であったが、原爆のことはずっと心の中にあり、広島に住む人から原爆について書いてほしいという話もあった。原爆に関する児童書は数多くあったが、個人の被爆体験に基づく者が多く、全貌を描くものではないように思われた。どんな形で書くのがよいのか。迷いの中で、科学絵本『ぼくらの地図旅行』の仕事で組んだ西村繁男の絵を見て、これだ、とピンときた。街を俯瞰する鳥瞰図である。
    西村は広島出身ではないが、長く広島の原爆に関心を抱いており、被爆者との交流もあった。編集者から那須の意向を聞き、乗り気になる。
    被爆者であるが、さまざまな資料から原爆を客観的・多角的に捉えようとする那須。
    証言者を訪ね歩き、戦前戦後の広島の姿を具体的に立ち上がらせようとする西村。
    そして両者をつなぐ編集者。
    3つの力で結実したのが本書である。

    戦前の広島の賑やかな様子。戦時中の徐々に抑圧されていくさま。そして原爆投下直後。焼けただれた街。そこから復興へ向かう街並み。
    地上の人たちが何をしているかわかるくらいの少し上空から、街の様子が細密に描き出される。広島はきれいな街、川ではエビや魚も取れ、温暖で住みやすいところだったという。馬車で荷物を運ぶ人、にぎやかな店先、チンチン電車。学生や女高生、子供たち、親子連れ。のどかな街並み。それが地獄絵図と化す。
    俯瞰図の合間には、原爆の基本知識の解説も織り込まれる。原理や開発の歴史、広島に投下されたリトル・ボーイと長崎に投下されたファット・マンの図解。熱風・爆風・放射線のデータ。放射線障害について。原爆投下後の核を巡る世界の動きの年表。
    巻末には、俯瞰図の詳しい解説も付く。その中には数多くの証言も含まれる。
    初版は1995年だが、その後、新たにわかった知識に基づき、絵の差し替えや新たな注の付記なども行われている。

    表紙にも描かれているが、絵の上を1人の少年が飛ぶ。
    あの日、広島で生きていた多くの人が突然に命を奪われた。その魂はどこへ行っただろう。

    広島と原爆を客観的に俯瞰しつつ、しかしやはり客観的という枠には入りきらない原爆の怖ろしさも響いてくる。力作。

全39件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

那須正幹(なすまさもと):広島県生まれ。児童書の大ベストセラー「ズッコケ三人組」シリーズ全50巻(日本児童文学者協会賞特別賞・ポプラ社)をはじめ、200冊以上の本を執筆。主な作品に『絵で読む 広島の原爆』(産経児童出版文化賞・福音館書店)『ズッコケ三人組のバック・トゥ・ザ・フューチャー』(野間児童文芸賞・ポプラ社)など。JXTG児童文化賞、巖谷小波文芸賞など受賞多数。

「2021年 『めいたんていサムくんと なぞの地図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

那須正幹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
酒井駒子
モーリス・センダ...
ドン フリーマン
トミー=アンゲラ...
瀬田 貞二
マージェリィ・W...
エリック・カール
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×