チャーちゃん (福音館の単行本)

著者 :
  • 福音館書店
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本棚登録 : 214
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834082036

作品紹介・あらすじ

「ぼく、チャーちゃん。はっきり言って、いま死んでます」「死ぬと生きるの、違い? よくわかんないな。死んでも生きても、ぼくはぼくだからね」人は死んだらいなくなるというのがこの社会の常識だが、果たしてそれはほんとうなのだろうか。そして、ぼくたちの実感にもそれはそぐわないのではないか。現代文学の旗手、保坂和志が、一匹の死んだ猫を語り手に紡いだ「死」を巡る言葉は、奔放かつ繊細な小沢さかえの油彩画とともに、思いがけない死の姿を照らし出します。

感想・レビュー・書評

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  • 5552さんの本棚に並んでいたのを見て、その印象的な表紙の絵に惹かれて、図書館で借りました。

    2年前に癌で亡くなった実家の猫もチャーちゃん同様に最期は痩せていました。
    あちらの世界でこんな風に自由に過ごしていたら嬉しいなぁ。

    • ロニコさん
      5552さん、こんばんは^_^

      コメントをありがとうございます。
      私の感想、何故か途切れてましたね…。
      この絵本、絵と言葉が共鳴しているよ...
      5552さん、こんばんは^_^

      コメントをありがとうございます。
      私の感想、何故か途切れてましたね…。
      この絵本、絵と言葉が共鳴しているようで、本当に良かったです。
      実家の猫を思って泣けました…。
      いつも素敵な本を紹介して下さり、ありがとうございます。
      「うおづら」も学校図書館に入れました!
      2021/06/30
    • 5552さん
      ロニコさん、こんにちは。

      再び失礼します。

      私が飼ってた猫も腎臓病でガリガリに痩せて最後は歩いてるとオムツが落ちてしまうほどでし...
      ロニコさん、こんにちは。

      再び失礼します。

      私が飼ってた猫も腎臓病でガリガリに痩せて最後は歩いてるとオムツが落ちてしまうほどでした。
      今でも恋しいですが、この絵本のチャーちゃんのように、現世での不自由な体を脱ぎ捨てて、他の動物たちと走ったり、踊ったりしてたら、と、想像すると愉快ですね。

      『うおづら』
      学校の図書館に入れられたんですね!
      勉強に部活に人間関係にと忙しい中学生たちの心の癒しになりますように。
      ウケるといいなあ。

      2021/07/01
    • ロニコさん
      5552さん、こちらもまたまたこんばんは。

      5552さんの猫ちゃんは、腎臓病だったのですね。猫は腎臓が悪くなりやすいですよね。
      私のアイコ...
      5552さん、こちらもまたまたこんばんは。

      5552さんの猫ちゃんは、腎臓病だったのですね。猫は腎臓が悪くなりやすいですよね。
      私のアイコンになっているウチのネコは、保護猫で年齢が定かでないのですが、やはり腎臓の数値が悪く療法食です。当時歯も悪かったので、2本ほど抜歯しました。
      猫は、痛いとか辛いとか言えないので、こちらが察するしかないですが、それでも健気に頑張ろうとする姿を見ると胸が詰まります。

      5552さんの猫ちゃんも、実家の猫も、まだ寂しがってるの?と元気に走り回ってますね、きっと。

      「うおづら」表紙に誘われるのか、手にする生徒がいます。意外と?男の子が見ていますよ!
      2021/07/02
  • 表紙の、薄ぼんやりとした、発光体のような、チャーちゃんの絵柄に、読む前は不思議な印象をもったのですが、そういうことだったのですね。

    保坂和志さんの小説は、全く読んだことはないのですが、この絵本では、独自の死後のイメージよりも、生きてても死んでても変わらないでしょ、という、チャーちゃん流の励ましが、私には印象的で、飼い主冥利に尽きるとは、こういうことではないかと思いました。

    また、小沢さかえさんの画も初めてで、序盤の疾走感溢れる絵柄は、とてもきれいだけど、どこか哀愁を滲ませた物悲しさがあるところに、チャーちゃんの死を思わせるものがあったのですが、終盤でガラリと変わる天然色の明るい絵柄(どことなく絵のタッチも変わった?)は、また対照的で温かく、楽園って、こういう場所なのかもしれないと、読んでいる私の温度まで変えさせるような、表現の幅の広さが印象的でした。

  • ぼく、チャーちゃん。
    はっきり言って、いま死んでます。
    てか、踊ってます。─

    死ぬ と 生きる の、違い?
    よくわかんない。
    死んでも生きても、
    ぼくはぼくだからね。─

    パパとママは泣きました。
    とくにパパは泣いて、泣いて、泣いて、
    ぼく?
    なんで悲しいの?
    パパとママだって、こっちに来るんだから。─


    チャーちゃんは今は´たまたま´死んでいるけれど確かにチャーちゃんだ。生きていても死んでしまっていても、可愛いと思う気持ちは何も変わらない。自身も長男猫を亡くして6年ほど経つが、可愛いと思う気持ちは本当に何も変わらない。今は別々の世界にいるのかもしれないけれど、またいつかどこかの世界で会える日まで楽しく過ごしていてくれたらいいなと思う。

  • WOWOWの番組で朗読をしていて、積んだまま読んでないのを思い出して引っ張りだしてきた。
    猫のチャーちゃん。
    いきなり、「いま死んでます」にびっくり。
    不思議な生死感。
    不思議でふわふわ軽やかな考え方。
    走って飛んで踊って軽やかに過しているんだね。
    いつか、おとうさんやおかあさんと一緒に踊ったりできるといいね、チャーちゃん。

  • 死んでるねこチャーちゃんの話。

    死んでも生きても、ぼくはぼくだからね

    あの世は、死ぬと踊るの血ががよくわからない世界なのかな

    絵が素晴らしい❣️

    『13歳からの絵本ガイド』より

  • すごい!笑っちゃうくらいすごいインパクト。絵本ではっきり言って、なんて言われたことないし、てか、なんて言葉もこんな力強く見たことない。「!」も力強いし。さまざまな死の表現をする絵本があるけれど、わたしはこれが好き。死ぬと生きる、の違い?よく分かんないね。

  • チャーちゃんにとっては、生きていることと死んでいることに境目なんてない。
    走って遊んでまた走って。いつだって自由で気ままに踊ってる。
    悲しいことなんかなにもない。
    だっていつかみんなここにきて、一緒に踊るんだから。もちろん、パパとママもね――。


    「ぼく、チャーちゃん。はっきり言って、いま死んでます」
    チャーちゃんはどこまでもポジティブだ。
    死んでしまったけれど、生前となにもかわらず楽しく過ごしている。
    水平線を見はるかす丘の上、草の原を駆け巡り、ときには空を飛んで、鳥や獣と一緒にダンス。
    世界のどこにだって行けるし、疲れないし、お腹だってすかない。
    そう、なにも悲しいことはない。きっとまた会える。そして一緒に楽しく踊る。

    だから、泣かなくていい。

    あっけらかんとしたチャーちゃんの言葉の数々。それで死はたんなる生の続きになる。魂はあざやかな色彩に満ちた世界で軽やかに踊り続ける。
    死別の悲しみを癒し、きっとまた会えるという希望を描く絵本。

    それなのに読んでいるとどうしても泣いてしまうのだけれど。

  • チャーちゃんは踊ってる

    あゝ こんなふうに
    “踊ってる”んならいいなぁ。

    “「死」はおそろしいものじゃない”
    “あちらで彼らは穏やかだ”
    “いつか会えるね”

    そんな絵本が増えているように思う
    畳みかけるかなしみのためだろうか
    この国に宗教が不在のためだろうか
    【ブックカフェ松庵文庫にて】

  • 面白い

  • 初めて読んだとき、「わー!なんだか怖い絵本だなー!」と感じました。
    再び落ち着いて読んでみると、作者の言いたいことを感じ取ることができました。
    文章では主人公のチャーちゃんはネコと特定していませんでしたので、ほかの表現もありかな?と思いました。

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著者プロフィール

1956年、山梨県に生まれる。小説家。早稲田大学政経学部卒業。1990年『プレーンソング』でデビュー。1993年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、1995年『この人の閾(いき)』で芥川賞、1997年『季節の記憶』で平林たい子文学賞、谷崎潤一郎賞、2018年『ハレルヤ』所収の「こことよそ」で川端康成文学賞を受賞。主な著書に、『生きる歓び』『カンバセイション・ピース』『書きあぐねている人のための小説入門』『小説の自由』『小説の誕生』ほか。

「2022年 『DEATHか裸(ら)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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