脱がない男 (上) Don't Worry Mamaシリーズ (ビーボーイノベルズ)

著者 :
  • ビブロス
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本棚登録 : 156
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784835217741

感想・レビュー・書評

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  • 今作も「おいおい、ええんかい???」と
    ツッコミを入れたくなるような登場人物でした。
    だって、自分の主張を通すためとは言え、犯罪でしょう、あれは。
    やっていいことと悪いことの区別はつけましょうよ。

    そんな非常識な攻めクンのお相手は、クールでアンニュイ
    美貌の上司なんですね。
    仕事は出来るんだけど、他人の言葉に耳を傾けない。
    だから、暴走した甲斐谷にえらい目に遭わされちゃうわけですけども。

    こんな最低最悪な甲斐谷ですが、大嫌いだった藤原のことがどんどん気になっていくんです。
    東山に連れて行かれた、例のゲイバーでのイベントで藤原とやっちゃったから…。
    でも、藤原はすげない。
    この先いったいどうなるんでしょう?

  • ●あらすじ●</br></br>
    お洒落とはほど遠い学生生活を送ってきた甲斐谷は、大手化粧品会社に入って3年目。ふわりと甘い香りをさせる美貌の男・藤原が上司だ。仕事はできるし、付き合いたがる女の子は数知れぬ藤原だけど、甲斐谷には気障でイヤミな男としか思えない。おまけに新発売の男性用化粧品をめぐって藤原と対立。そんな折り、藤原がエッチの時にも決して服を脱がないという話を聞いた甲斐谷は・・・!?大人気シリーズ第2弾、オール書き下ろしで早くも登場!</br></br>

    ●感想●</br></br>
    Don't Worry Mamaシリーズって勝手にマザコンシリーズだと思ってました(>_<)ゞ今回はどんなマザコン登場かと・・・・・・。
    前回とは繋がりがないのかと思ってたら、今蔵の店で東山の会社の打ち上げをやったメンバーに藤原・甲斐谷いましたね。甲斐谷はその後、今蔵とワイン売り場でばったり会ってたり。逆に今回、同僚って事で東山が登場、今のところ今蔵は名前だけの登場です。東山がいい味出してます、この人前回もそうだったのだけど、かなり好みなのです。
    <blockquote>
    無意識に甲斐谷は両手を背後に隠した。</br>
    「あ、洗おうと思ってました。けど課長が使ってらしたので、その給湯室にも手洗いはあるし・・・」</br>
    「給湯室はトイレのあとの手を洗う場所ではなく、飲み物を淹れる場所だ。私が手洗いの前に立っていたというのは理由にならない。一言『手を洗わせてください』と言えばすむことだろう。君が汚れたその手でドアノブに触れる。その次に触るのは誰だと思っているんだ。私なんだぞ。君は関係のない私の手まで汚すことになるんだ。そんな不潔なことだから、普段の生活がだらしないから、身だしなみにも現れるんだ」
    甲斐谷は言われっぱなしのままドアの前に直立不動していた。</br>
    「トイレのあとは手を洗いなさい。・・・まったく、小学生に注意するようなことを言われて、君は恥ずかしくないのか」</br>
    大きなため息をつくと、藤原は『さあ、洗え』とばかりに鏡の前からスッと体を引いた。甲斐谷は背中を丸めたままうつむき加減に手洗いへと近づく。じっと見つめる視線が怖くて、いつもはつけないハンドソープまでつけて両手をこすり合わせた。洗った後、いつものように軽く手を振る。『すいませんでした』と小声で断って出ていこうとすると、再び厳しい声が飛んだ。</br>
    「待ちなさい」</br>
    背中がビクリと震えた。今度は何なんだよ・・・と心の中では半泣きだった。
    </blockquote>
    甲斐谷はねぇ〜・・・最低最悪。人としてどうなのよ?って感じですね。
    東山×今蔵の時は、東山がデブに対しては偏見や嫌悪感を持ってなかったじゃ無いですか。今蔵の陰険な性格に対して嫌ったいたわけで。</br>
    私の小学校時代の同級生の男の子に病気の薬の副作用で太っていた子がいて、当時の担任の先生が「好きで太ってしまう訳じゃない子がいるのよ」って話をしてくれたのが凄く残ってて。今でもデブ=嫌いにはならないですね。嫌いなのは太ってしまう不健康な生活をしてる人の方かな。</br>
    藤谷のような体に、欠陥・・・というのも失礼なことだと思いますが明らかに先天性なり事故・病気で失った思えるものに対して笑ったり脅しに使ったりするのは許せないなと。だから甲斐谷は嫌いな部類の男に入ってしまうのですよ。社会人としての自覚も身だしなみも出来ていないし、藤原に言われても直そうともしない上に親切で言ってくれている藤原に対してキレる・・・・・・この男、生理的に受け付けない。</br>
    私的には藤原は許せるというより、化粧品会社に勤める上司としては当たり前のことをしてるし、理想的な人だと思いますよ。ただ、頭が固すぎますけど。きっとそれも体のことで心に傷がありそうな気はしますし。勝手に甲斐谷に巻き込まれて犯されちゃって可哀想としか言いようがないな〜。
    <blockquote>
    「私の体の不都合を公表したいなら、公表するがいい。メールでも何でも好きにしろ」</br>
    こちらをあざ笑う静かな口調。自信満々の態度に、脅した甲斐谷のほうが戸惑った。</br>
    「あんた、それでいいのかよ」</br>
    「いいも何も・・・誰から聞いたが知らないが、そういう事実はないんだから」</br>
    奴は断言した。</br>
    「仮に私の体にそういった不具合があったとしても、君はどうやってそれを証明するんだ?裸にして、社内中を引きずり回すか?」</br>
    藤原は鼻でフッと笑った。</br>
    「君が私に対する下品極まりない、根も葉もない噂を流しても私は真っ向から受けて立つ。上からも信頼の厚い私と、なんの実績もない君の発言。みんなはどう判断するかな。噂の根源である君が『上司を陥れる、ひがみっぽい陰湿な男』だと思われ、嫌われるだけだ」</br>
    こんな開き直り方をするとは思わなかった。確かに片タマと言ったところで、白い目で見られるのは自分のほうかもしれない。だけどこの際、そんなことはどうでもよかった。目的はただ一つ・・・龍のデザインを認めさせる・・・それだけだ。</br>
    「根も葉もない噂じゃない。こっちにはちゃんと証拠があるんだ」</br>
    完全優位、薄ら笑いさえ浮かべていた男が『証拠?』と眉をひそめる。
    </blockquote>
    東山が面白い。甲斐谷が藤原を縛り上げて脅迫してる場面に出くわせて、心の中で『藤原を助けてあげて!』と思ったのに・・・・・・SMプレイ中と勘違いするし。勝手に今蔵との性生活を告白したりと---今蔵との生活の順調さを思わせるボケぶりに『彼は藤原の味方にはならないのね』と諦めを。</br>
    なんだか読んでてムカムカと怒りが込み上げてくる作品なんですが、前回も”今蔵、最低!”と怒りつつも、ラストには”今蔵、可愛い!”と変化させる・・・・・・コレが噂に聞く木原マジックかと。このムカムカを2ヶ月間我慢して10/14発売の次号では納得のゆくラストを迎えてくれるのでしょうか。藤原の頑張りに期待!前回も東山の努力があって今蔵が変わったように、藤原の力でこのどうしようもない甲斐谷を変えてくれ〜!!</br></br>
    ●シリーズ刊●</br></br>
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  • 挿絵エロいなーって思って、この人の漫画も買った。

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著者プロフィール

高知県生まれ。1995年「眠る兎」でデビュー。不器用でもどかしい恋愛感情を生々しくかつ鮮やかに描き、ボーイズラブ小説界で不動の人気を持つ。『箱の中』と続編『檻の外』は刊行時、「ダ・ヴィンチ」誌上にてボーイズラブ界の芥川賞作品と評され、話題となった。ほかの著書に『秘密』『さようなら、と君は手を振った』『月に笑う』『ラブセメタリー』『罪の名前』など多数。

「2022年 『コゴロシムラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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