- Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
- / ISBN・EAN: 9784835441221
作品紹介・あらすじ
世界的な民話採集者ルース・マニング=サンダーズがよりすぐった悪魔の登場するお話。人の魂をほしがるこわい悪魔から陽気でお人よしの悪魔、人間にもやっつけられてしまう愚かな悪魔まで、ときにおそろしく、ときにふき出してしまうさまざまなお話を収録。
感想・レビュー・書評
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悪魔をテーマに集めた民話集。
中欧から北欧にかけてとフランスがメイン。
小人と似ているけれど一話を除いてキリスト教圏の話だから、基本的に神に敵対する者としての悪魔の色が強い。敵対というか、神に負ける存在か。
人間は約束を破るけれど人外は約束に縛られる。
追ってくる悪魔を三回交わす三枚のお札系が多い。
七回という数字も多い。こういうのなんて言うんだっけ…
「なんだか不思議なもの」の城を作り橋を架けて王様を呼ぶ話はアーサーランサムのロシア昔話http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4560092281と元は同じっぽい。かじ屋やお札系も似ていた。
「こしょうの実ほどの牡牛」は中国の人形に似てる。
カルパチア山脈の「赤い小人」はリューベツァールと同じもの?
この人の再話は形が定まってからのものが多いから、元々は他の神や精霊だったものが「悪魔」に読み替えられたものも多いんだろうな。
「乳母になったさる」の落ちが好き。
「キッテル・キッテル・カー」は姉弟の何様度に釈然としない。 -
悪魔が悪戯したり、親切をしたりの昔話。
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今回もとても楽しむことができました。 前回の「魔法使い」「魔女」を読んだときにはあまり感じなかったのですが、今回、この2冊を読んで初めて気がついたこと。 それは「国別童話集」とか「作者別童話集」とは異なり、こうやって1つのテーマであちこちの国のお話を集めている童話集を読むと、自分の中に存在するある種の「固定概念」みたいなものが覆されるなぁ・・・・ということです。 と言うのもね、KiKi にとって「竜」とか「悪魔」のプロトタイプっていうのは、「人間に仇をなすもの」で「退治されるべきもの」だったんですよね。 もちろん中には神格化されて大切にされているものや、お茶目なものがいたりすることは知ってはいたんです。 でも、善悪二元論・・・・とまではいかないけれど、どちらかというと「忌み嫌うべき存在」の代表格が「竜」と「悪魔」だという凝り固まった先入観みたいなものがあったことに気がつかされちゃったんですよ。
この2冊を読んでいて、「竜」にしろ「悪魔」にしろ、実は中には愛すべき可愛いヤツもいることを再発見すると共に、実は「竜」とか「悪魔」以上に怖い存在なのは「人間の心」なのかもしれないと感じた次第。
(全文はブログにて) -
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