歴史の終わり (下) (知的生きかた文庫 わ 1-11)

著者 : フランシス・フクヤマ 渡部昇一

• 三笠書房 (1992年12月1日発売)

感想・レビュー・書評

[a.kさんの感想 · 2024年2月28日]

下巻は現代人に通ずるところが比較的多く書かれていると思った。現代人はまさに「最後の人間」となってしまっていて、「気概」がなく個々の利益とプライベートの充実を求めている。集団としての強さは低下してしまった。人間は常に戦いの中にいないと気が済まない生き物という言葉にはどきりとさせられた。どんなに皆平等とはいっても、腹の中では他の人より優れていたいし認められたいという願望を持っている。

著者プロフィール

1952年、アメリカ生まれ。アメリカの政治学者。スタンフォード大学の「民主主義・開発・法の支配研究センター」を運営。ジョンズ・ホプキンズ大学やジョージ・メイソン大学でも教えた。著書『歴史の終わり』（三笠書房、1992年）は世界的なベストセラーとなった。著書に、『「大崩壊」の時代』（早川書房、2000年）、『アメリカの終わり』（講談社、2006年）、『政治の起源』（講談社、2013年）、『政治の衰退』（2018年）、『IDENTITY』（朝日新聞出版、2019年）などがある。

「2022年 『「歴史の終わり」の後で』 で使われていた紹介文から引用しています。」