脱二流営業

著者 :
  • 三笠書房
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837924814

感想・レビュー・書評

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    営業

  • 見える化しにくい営業能力を可視化する大切さや、営業の基礎基本的な力を養うための方法論が明文化されています。説明しにくくて感覚的にしか伝えられなかった分野を、これでもか!と丁寧に書かれています、さすが。

    営業ってなにすれば良いの?とか営業のルーティンはわかったが本質がわからない!といった方にオススメです。
    特に基礎能力アップのトレーニング方法は、職種・部門関係なくトライしてくべきかな〜と(と言いながら僕も実践できてませんが苦笑)。
    P.84〜の①フードバック訓練②一人Dictation③スピーチライティング訓練④アクションラーニング訓練は一読の価値ありです。
    あ、あと第6章・著者の解説では本書の伝えたい事がしっかり読めます。

    私が個人的に頭のモヤが取れたポイントは、P.183の「創造と応用の違い」ですね。それぞれの言葉の定義を理解すると、リソースを割くべき項目が整理できるようになりますよ。
    そして、「ゆとり教育のなにがいけなかったのか(P.206)」に言及されているところがベストでした。ゆとり世代の先駆けである私としては、この教育失策の理由を知ることができて、スッキリしました。「これだからゆとり世代は…」とか言う人に限ってゆとり教育の敗因をよく理解していませんからね。今度このセリフ吐かれたら論理フルカウンターをかましますよw

  • 営業の目的は3つ
    ①商談そのもの②事業規模の推察③最新データの更新
    会社方針に合致しない営業は意味なし

  • 営業のテクではなく、基礎力訓練の本です。

    巷に営業ノウハウの本は山ほどありますが、日頃のトレーニングにスポットをあてた本は珍しい感じがします。

    訓練より、手っ取り早く結果が欲しい読者が多いから当然なんですけど…

    逆に、オリジナリティーと内容的になかなか良い本になっていると思います。

    物語形式なので、飽きずに読めるし、営業マン以外にも何かしら得るものがあるのではないかと。

    結構オススメです。

    【備忘録】
    覚える(思い出す)訓練
    ・一昨日の食事を思い出す。

    聴き取る訓練
    ・社説を声に出して覚え、紙に書き出す。

    伝える力の訓練
    ・心地良い発音と説得力のある文書構成能力
    ・商品説明文を書く→添削→優秀作を暗記→スピーチ

    洞察、展開力
    ・モデルを観察し、応用すること?

    【その他】
    ・移動時間を減らす
    ・模倣→改良→新たなノウハウ
    ・営業成績=景気+ブランド+商品力+個人のの訓練

    ・0から1を作れるのは天才。凡人は1を真似して2,3へと発展させるべし

  • 700円
    ●物語としてはおもしろい
    ●教育者的知見を持っているようだが、視野はいまいちと思う

  • 100円のコーラを...同様、物語形式で筆者の考えを伝える本。前者はマーケティングについてだったが、この本は営業に関するもの。

    小手先の営業ノウハウを語るのではなく、一流とは何か、二流とは何かを考えさせられる。
    営業に対して、モヤモヤしていた考え方をスッキリと説明してくれていた。

    営業の仕事に関してだけではなく、会社の効果的な運営、ひいては人間の成長そのものにも応用できる内容だった。

  • 架空の物語の中で、コンサルが営業を指導していく。その指導により営業が変化していく様を通じて、学びのポイントを浮かび上がらせる内容。脱二流営業、言い換えれば一流営業との違いはなんなのかを、論じている。帯コメントの通り、確かに今までの営業本とは一線を画す構成内容と独自の視点が面白かった。

    以下、参考になった点、自分なりの解釈、引用含む。

    ・営業成績は、そもそもの会社ブランドや商品力によるところが大きく、良い製品が生まれることで、営業能力を弱体化させる危険をはらんでいる。

    ・主体的にコントロールできない環境変化によっても成績は当然左右される。偶然の産物も含めて、結果的に数値を達成する営業が評価されてしまうのが実情。単純に「数字=実力」と評価しないこと。

    ・どんなに力のある営業も、売上を2人分、3人分をやることはできても、50人分、100人分を独りでカバーすることはできない。自身の売り上げをやりきる力がある=1流の営業とは言えない。

    ・本当の1流の営業は、自ら難しい商談にチャレンジし、その商談をクリアする術・ノウハウを創り上げ、それを普遍化して組織に還流していく営業。この新しいノウハウ創造・更新こそ、1流営業に求められる。これが出来れば、そのノウハウを使って、50人、100人が、同様の仕掛け、売上をあげる可能性が出てくる。独りのスーパースターが独自の手法で売上を作るのを「我流」というならば、ノウハウを作り広げるスタイルは「社流」と言える。

    ・「考える」というワードは、「創造」と「応用」に分けて考えるべき。創造は0から1を創り上げる行為、一方応用は誰かが作った1を使って2や3を創り上げる行為、と捉えておく。

    ・創造という行為は、非常に難易度が高く、誰でもできるものではない。多くの人が実際に「考える」というのは、誰かが作った1をベースにした応用思考である。

    ・そう考えると「(誰かが創り上げた)1」という知識をしっかりと持っていないと、「考える」ということが非常に難しい。

    ・何の知識も持たない状態の営業に対して「自分で考えろ」という指導は従って間違っている。自分で考える為の、ベースとなる1をまずは徹底的に覚えさせる、模倣させることが先。「考えるな覚えろ!」という指導が先にこなければならない。

    ・そして覚えた「1」を必要な時に瞬時に引き出せて加工ができる「筋肉質な脳」が必要になる。この筋肉脳は一朝一夕には育たない。繰り返し繰り返し、脳の筋トレが必要。

    ・つまり営業の評価は、会社にもたらした売上・利益の総量は当然として、誰もが使えるベースとなる「1」を「0」から生み出したナレッジの総量で評価されるべきであり、後者の総量をこそよく見ておく必要がある。

    ・中二病という難病に注意が必要。中二ぐらいになると、自我も目覚め、世間のことも少し見えてきた段階で、背伸びしたくなり、他者の考えを排除して自分の考えを押し通す衝動に駆られる。だが実際は、世間もよく知らず、正しい判断ができる状態に無いことの方が多い。

    ・社会人になってもこの「中二病」が蔓延しており、この病気が各自の成長の足かせになっていることが多い。上司や周囲のアドバイスに対して、斜に構えて「(内心で)それって意味があるのかよ」と呟き、結局自分の判断を優先させて行動を止めてしまう。代わりに何か代替案を提示して、別の行動をとるなどもない。批判家で終わってしまうパターン。

    ・自分が判断できるだけの知識が備わってないのなら、謙虚に受け止めてまずは実行することが大事。

    ・自分を売り込むという発想の間違い。会社、商品、自分の順番に売り込む方が大事。担当は変わっても継続的な取引をしなければならず、属人的な仕事にしてはならない。我流営業ではなく、社流営業が必要。であればこそ、売り込むべきは「自分」ではなく「会社」であり「商品」である。もちろんその上で、先方との信頼関係を作る意味での自分の売り込みは必要。

    ・なぜ自分の売り込みの優先順位を下げなければならないか。結局自分を売り込むことに集中してしまい、肝心の商品に対する意識が下がる。結果、得意先が知りたい「商品」をきちんと説明できないという逆転現象が起こりかねない。人は不器用なもので、我を売り込む、と思って活動していると、やはり商品の訴求が抜けもれていってしまうもの。なので、優先順位をつけておく、ということが大事になる。

    ・結果的怠惰時間。実際に売り上げを作る行為に直結しない時間のことで、たとえば会議の時間や社内書類の作成、得意先までの移動時間など。本人はサポっているというつもりは全くないが、結果的に売上に直結しない時間のため「結果的怠惰時間」と呼ぶ。

    ・実際にこの結果的怠惰時間は、全体の7割にも及ぶ。逆に売上に貯血するような営業活動は、全体の2割程度。この結果的怠惰時間をいかに圧縮できるかをもっと真剣に考えるべきだ。

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著者プロフィール

藤本篤志(ふじもと あつし)

1961年大阪生まれ。大阪市立大学法学部卒。株式会社USEN取締役、株式会社スタッフサービス・ホールディングス取締役を歴任。2005年7月、株式会社グランド・デザインズを設立。代表取締役に就任。おもに営業コンサルティング事業、人材育成コンサルティング事業、働き方バランスサポートシステム事業をおこなう。株式会社USEN現役時代に営業プレーヤー・営業マネージャーとして全国トップの実績を残した経験を活かし、数多くの営業改革を成功へ導く。『営業の問題地図』(技術評論社)、『御社の営業がダメな理由』『どん底営業部が常勝軍団になるまで』(新潮新書)、『御社営業部の「病気」治します』(日本経済新聞出版社)、『部下は取り替えても、変わらない!』(すばる舎)ほか著書多数。
ホームページ:http://eigyorevolution.com/

「2020年 『テレワークでも売れる新しい営業様式 ~直接会わずに成果を出すテクニックとマネジメントとは』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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