語源に隠れた世界の歴史: 世界史の重要知識もわかる! (知的生きかた文庫 い 74-1)

著者 :
  • 三笠書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837983118

作品紹介・あらすじ

たとえば、こんな言葉から世界史が見えてきます。
・「カーディガン」……クリミア戦争での、ある伯爵のひらめき
・「ボウリング」……ゲームに使うピンは「堕落した聖職者」だった!?
・「バーボン」……フランスに一部支配されていたアメリカ大陸
・「アルゼンチン」……“銀の国”と大航海時代のヒストリー
・「ウォール街」……現在の金融街には、過去に「壁」があった……

本書は、食べ物、ファッション、スポーツなど幅広いジャンルの語源から、世界の歴史をひもとく本です。ここで扱っている言葉が生まれた背景は、古代ギリシャ、中世のヨーロッパ、植民地時代の南米大陸、隆盛を極めた中東、開拓期のオーストラリアなど、時代や場所も多種多様。世界中の歴史を、語源という窓から覗いてみませんか?

感想・レビュー・書評

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  •  バーボン、ターキー、ナイロン、ダッチロール、ボウリング、フランチャイズ、チューリップ…といった単語の由来を、いくつかの説とともに紹介した本。簡単に世界史を復習するコーナーもある。
     語学好きの飛びつきそうなネタ、あるいは英語の長文問題のネタになってそうな話でもあり、半分は義務感に駆られて読んでみた。ただ残念ながら、話に深みがないというか、本当につまらない英語長文を読んでるような、事実を列挙しただけの記述で、なかなか興味深く読み進めるのは、意外と難しい印象を持った。「世界史の重要知識もわかる!」と表紙には書いてあって、「重要ポイント」というコーナーはあるが、結局は語句解説で、その語句解説も人名地名の固有名詞のオンパレードで、イマイチ分かるという感じにはならない。
     それでも個人的に面白かった項目は、まず月の名前。中1英語(と言っても今となっては小学校英語?)の定番ネタで、octopusは足8本なのになんで10月なのか、とか説明してみたり?するけれど、今まで読んだ説明の中では割と分かりやすい説明がpp.24-5にあったのが良かった。あとは「クロワッサン」。語源よりも、「本場フランスのクロワッサンには、菱形と三日月形の2種類があり、前者はバター、後者はマーガリンを使っている。フランスでは菱形のほうが一般的で、日本でよく見かける三日月形のものは、スーパーマーケットなどで売られている安価なものが多い。」(p.29)っていうのは知らなかった。そのフランスの話に関連して、フランスのレストランで「タルタル」というものを食べたけど、「生の挽き肉を食べるというのはいかにも野蛮なイメージがするから、蛮族風ステーキという意味で、当時のヨーロッパ人にとって蛮族の代名詞であった『タタール(→タルタル)』と呼んだというのだ。」(p.61)という由来があるらしい。あとは世界史の話題で、米西戦争って「主な戦場はフィリピン」(p.85)で、その戦争のためにグアムやフィリピンがアメリカの領土になった、というのも知らなかった。アメリカ史は昔少しは勉強したはずなのに、全く忘れている。語源の話に戻ると、このご時世ですっかり欠かせなくなった「マスク」の語源を遡ると、ラテン語の「幽霊・亡霊、悪夢」(p.97)に行きつくらしい。「仮面(mask)というのは、そうしたものから逃れるための行為・ものであることがよくわかる。」(同)だって。最後に、アルゼンチンは、「ラテン語で『銀』を意味するArgentumに、地名であることを表現する接尾辞-inaを添えたもの」(p.128)ということで、だからAgが銀なんだ、と思った。
     と、部分的には面白かったが、思ったほどではなかったというのが正直な感想。語源のうんちく話を単発的に聞かされるというのは意外に面白くなく、その事実を知ってもそれを自分で深められないと、ふーんで終わってしまいやすい話題だということが分かった。(22/01/17)

  • いろいろな言葉の語源について世界の歴史と絡めながら解説してある本です。ひとつひとつが簡潔に書いてあるのでさらっと読めます。とはいえ、高校時代に世界史を選択していなかったので基礎知識が足りず、よく理解できないところがあったのが残念です(←言い訳)。
    この本の中で一番驚いたのは、今まで「カンガルー」の語源とされていたエピソードが真っ赤な嘘だったということです。そもそもデマだったのか、あとから解釈が変わったのかわかりませんが、ただ信じこんでいると危ないなと思いました。

  • <目次>
    第1章  食べ物・飲み物編
        食事をするときの「話のタネ」にもなる!
    第2章  ファッション編
        華やかなイメージとは異なる背景が
    第3章  地名編
        シンプルな由来からディープな経緯まで
    第4章  スポーツ編
        現在の形になるまでの歴史も面白い!
    第5章  ビジネス・社会編
        こんな言葉にも衝撃の物語が!

    <内容>
    ちょっと消化不良。「へえ」ではあるんだけど、もう少し詳しい説明が欲しい。文庫本の体裁のためか、背景解きな部分が物足りない。もっと奥深い由来がありそうなんだけどな…

  • 身近な言葉の背景を世界史の中で解説。雑学的知識と世界史の二兎を追う狙いは良いがどちらもつかずの感あり。

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著者プロフィール

1950年生まれ。愛知県立明和高校から東京大学文学部へ。卒業後、出版社勤務を経て編集企画会社エディットハウスを設立し、出版プロデューサー、ノンフィクションライターとして活躍。著書に『新・出身県でわかる人の性格』『新・不思議の国の信州人』『日本全国都市の通信簿』『名古屋学』『博多学』『札幌学』『広島学』『鹿児島学』『「城下町」の人間学』『語源に隠れた世界の歴史』ほか多数。

「2016年 『「いい夫婦」の旅術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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