- Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
- / ISBN・EAN: 9784838714469
感想・レビュー・書評
-
「文芸部では何一つ同じことをしていない。僕は毎日、違う言葉をはぐくんでいる」
大した思い入れもなく教師になった主人公、清。
赴任先の高校で、不本意ながら文芸部の顧問にされてしまう。
部員は部長1人だけ。
「垣内君って、どうして文芸部なの?」
「文学が好きだからです」
「まさか!」
***
とっても軽快で爽やか。
文章自体は淡々と、でもゆっくりと心に沁みてくる作品。
読者に文学の面白さ、読むことの素晴らしさを存分に伝えてくれます。
すごくおすすめ ◎
大好きです◎詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私の中で瀬尾まいこさんは”爽やか、ほっこり”のイメージだったので、
主人公が不倫をしていて軽くショック・・・
不倫男はどう考えても自分本位で、ありがちな展開だったけど、
その代り顧問している男子生徒や同僚の教師、弟と他の男性陣は
それぞれ違うタイプだけど優しく主人公を支えてくれていて良かった。
最後の同級生の母親からの手紙には少し涙が出た。
最終的にはほっこりで良かった~。 -
ブクログでの高評価より、読了。
いやぁ、面白かったー!
ラストの高橋君が語る台詞もとても好きなのですが、
引退前最後の部活後の、二人でサイダーを飲む場面が
なぜか印象的でした。
バレーボールに青春を全力で捧げてきたが、
とある事がきっかけで大好きなバレーを封印した
冷めた高校講師(22歳♀)。
勤務先の高校で、文芸部の顧問になり
大人びた部員の高橋君との交流の中から
色々な事に、はっと気づかされる物語。 -
燃えたぎる感情に軽く蓋を乗せ、ほのぼのと流れるストーリー。
こんなに心地よく読ませてくれるのは、やっぱり瀬尾まいこって思う。 -
すっげー気に入った。話しの入り口からそー来たかと思ったが、普通の流れをよくもまぁ、単なる木に惹きつけるような枝葉を魅力的に且つ鮮烈に読む者に感じさせるんだろう。すっげー好きだわこの作品。正直星5つ付けようかと思ったんだけど、最高点の書物に出会ったことが有るかどうかわっかんないから4つにした。そんぐらい気に入った。
-
図書館のって書いてあったから本の話がいっぱい出てくるのかと思ったらそうでもなかった。
最後の3人からの手紙が心に響いた。
主人公が少しずつ変化していくをみているのがとても楽しい。 -
瀬尾さんは重いお話でもさらりと書くのが上手いですね。
後輩を自殺に追いやってしまった(かもしれない)過去とか、
それ以来清く正しくいられず腐抜けてしまった自分とか、
不倫とか、
読んでて結構辛いんだけど、最後にきちんと救いの方向を示して終わってくれるのが良いです。
清く正しいことがいつも必ず正しいわけじゃない。
けど、「山本さんのお墓に毎月お花を供える」彼女の清く正しいところが、最後にきちんと報われてるのがすごく素敵だな、と思った。
今までの自分も全部がダメ!って言わないのがもうね、素晴らしいよ。
事態は劇的には変わらないけど、前向きな気持ちで本を読み終えられる瀬尾さんの作品。
やっぱり好きだなあ、って思いました。 -
垣内くんがすごく素敵な小説。
私も主人公のように、今時こんな子いないだろうと思ってしまうのだけれど、その空気感がよかった。
瀬尾まいこさんはなんでもない会話とか情景描写がとってもうまいなぁ。すーっと入ってくる。
また読み返したくなるかな。 -
部活のメンバーを、自分の発言により自殺に追い込んだ…という内容で始まる物語のため、
『これ、読んで平気かなぁ…』
と思ったが、大丈夫だった。
深いトラウマから最後はきちんと救われてたし、安心した。
"文芸部"というのが、いかにも地味だけど、
私は今なら、進んで文芸部に入部したい。
(今も"図書部"だけど…)
やっぱり、瀬尾さんの表現はキレイ。
p59濃くいれた緑茶に氷が溶けてとてもきれいな緑になる。こんな美しい色の飲み物、他にないと思う。
一気読みしました。 -
やはりホンワカ和やかに気分になる物語だった。図書館の神様は垣内君って事なのかな?
ほんの一瞬だけど川端康成や漱石を読んでみようかなーと思ったりもした。結構文学ネタが出てくるので。